岡山県の概要と主な取り組み
岡山県の主要農産物は、ブドウ、モモ、鶏卵、アズキ、二条大麦などで、なかでもブドウとモモは「くだもの王国おかやま」を代表する特産品です。晴れの日が多く、おいしい食べ物がたくさんあることからPRされている「晴れの国おかやま」のイメージアップにも大きく貢献しています。
単純にモモ、ブドウといってもその種類は多様で、モモは「おかやま夢白桃」、ブドウは「オーロラブラック」「シャインマスカット」「紫苑(しえん)」などの次世代フルーツが新ブランドとして確立されつつあります。
岡山県産農産物の「今」
岡山県の主要品目であるナス、トマト、アスパラガスに加えて、岡山の特産品の黄ニラやトウガン、ソウメンカボチャなどの野菜は、関西や首都圏の市場で出回っています。そのほかに、タマネギやキャベツ、ハクサイやダイコンなどの岡山県産の重量野菜も、加工や業務用のニーズが高い品目です。
黄ニラ
黄ニラの特徴
黄ニラは、名前の通り黄色いニラで、岡山の代表的な特産品の一つといえます。県の三大河川である旭川下流の砂壌土地帯で栽培されています。
収穫量は青ニラより少ないですが、食感は青ニラと比べると柔らかいのが特徴です。ほのかに甘みがあり、香りは淡く上品と評判です。ビタミン類を多く含むため、その健康効果も期待されています。
名前の由来
別名、ニラもやしと呼ばれています。ニラに遮光をする栽培方法で育てることにより、一般のニラと異なり黄色い色になることから、「黄ニラ」と呼ばれています。
ブドウ「ピオーネ」
ピオーネの特徴
くだもの王国おかやまに期待される消費者のニーズに応えて誕生したのが、ブランドブドウのピオーネです。香り高く、紫黒色の大粒には、種がありません。種なし・甘い・大粒の三拍子揃ったブドウで、岡山県が技術を開発して作りました。収穫時期は5月上旬から10月下旬です。
名前の由来
イタリア語で「開拓者」を意味する言葉から名付けられました。英語でいう「パイオニア」と同じ意味です。
黒大豆「おかやま黒まめ」
おかやま黒まめの特徴
津山市、美作市などを中心に県内全域で栽培されているのが、黒大豆のおかやま黒まめです。大豆の中ではもっとも大粒な「丹波黒」という品種を使用しており、煮豆にすると、見栄えもよく、舌ざわりや風味も別格なので、最高級の食材とされています。
植物性たんぱく質やミネラルなど現代人に不足しがちな栄養を豊富に含んでいる上、アントシアニンや大豆イソフラボン、大豆サポニンなど、近年機能性で注目を集めている成分が大量に含まれています。
おかやま黒豚
おかやま黒豚の特徴
おかやま黒豚は、見た目も美しい黒豚です。最大の特徴は六白と呼ばれる白班。4本の脚、尻尾の先、顔の計6ヶ所に美しい斑点模様があります。肉は歯ごたえがあって、繊維が細く柔らかで、独特の風味を持つ高級豚肉です。
名前の由来
昭和53年に岡山県内の豚肉の品質向上のために、バークシャー種を鹿児島から導入したことから、「おかやま黒豚」が誕生しました。平成8年にはイギリスから有料種豚を導入したことでさらに品質が向上し、ブランドとして全国的に定着しつつあります。
ままかり
ままかりの特徴
ままかりは、和名では「さっぱ」と呼ばれる魚で、体調は10~15センチ、背中が緑黒色で、お腹が銀白色をしています。腹部は薄く、硬いノコギリ歯状の鱗がついているのが特徴です。
5月から7月頃に産卵期を迎えたままかりは、沿岸の砂泥域や河口周辺に群れをなして生息し、冬は深いところに移動します。
名前の由来
ままかりは、「あまりのおいしさにまま(飯)が足りなくなり、隣から借りてくるほど」という逸話から、「ままかり」と呼ばれるようになったといわれています。姿焼きや酢漬け、浜煮など様々な調理法がありますが、特に有名なのが「ままかり寿司」でしょう。
岡山県は「くだもの王国」で、「晴れの国」。おいしいフルーツと伝統野菜に、おかやま黒豚などの畜産品にも恵まれています。お歳暮などの贈答品でブドウを探している場合は、ぜひ岡山県産のものを試してみてはいかがでしょうか。
※ 各品目の内容は、本調査時点(2014年9月~2015年)のものをベースに作成しています。一つの目安としてご理解下さい。
参考:『日本の地域食材2015年版』(NPO法人 良い食材を伝える会)