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農業CPSとは? 担い手不足の解消に期待

連載企画:農業キーワード

農業CPSとは? 担い手不足の解消に期待

現実世界のさまざまな課題の解決方法を、人工知能(AI)などがデジタル世界で探り当て、私たちに教えてくれる「Cyber-Physical System:CPS」を知っていますか。CPSは、インターネットによる情報交換「Internet of Things:IoT」よりさらに一歩進んだ技術として、農業分野での活用が期待されています。
気温や湿度を随時監視して、栽培を手助けしてくれる農業CPSの導入事例や、将来の展望を紹介します。

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そもそもCPSとは

CPS(Cyber-Physical System)は、課題解決のための新たなテクノロジーとして注目されています。現実世界(Physical)にあふれているさまざまな情報を、AIなどがデジタル世界(Cyber)で処理。その結果、最適な解決方法を導き出し、現実世界にいる私たちにフィードバックしてくれるシステムを指します。サイバー(仮想)世界と現実世界の相互連携ともいえるものです。

最近よく耳にする自動運転技術も、CPSを活用した事例の一つです。実際の歩行者や周囲を走行する車の動きなどの情報から、AIが安全な走行ルートを割り出し、運転者を誘導します。

農家の「勘と経験」を科学するe-kakashiとは

農業の分野で、CPSはどのように活用されているのでしょうか。
例えば、ソフトバンクグループ傘下のPSソリューションズなどは、田んぼや畑の環境をチェックして、必要な農作業を農家に伝えるシステム「e-kakashi」を開発しました。既にいくつかの現場で導入されています。

田んぼや畑に設置した子機が、気温や湿度、水温などの情報を計測。インターネットによる通信機能を持つ親機を通じて、タブレット画面に表示して「見える化」します。ここまでならIoTの活用にとどまりますが、e-kakashiの技術はもう一歩先に進んでいます。

情報をクラウド上で処理することで、日中の気温が一定以上になったなど栽培のリスクを警告するとともに、水をかけ流すなどの対処方法を知らせます。

農業は個々の農家の勘や経験に支えられてきましたが、こうしたノウハウをデータ化して科学的に整理するのがCPSの大きな役割です。

担い手不足の解消に期待

e-kakashiは2018年に、第2世代モデルの提供が予定されています。その日の温度などの環境や作物の成長段階といったさまざまな要因を考慮して、AIによる遠隔操作で換気窓の開け閉めなどができるようになります。

このようにCPSを活用すれば、農業の経験が浅い人でも適切な方法で栽培したり、農業設備の遠隔操作によって農作業を軽減したりすることができます。少子高齢化で担い手不足が深刻となっている農業に貢献する新たな技術として、大いに期待されているのです。

上記の情報は2018年2月20日現在のものです。

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