さまざまな品種があるカボチャ
カボチャはウリ科カボチャ属の野菜です。甘い栗カボチャ系品種が主流です。国産だけでなく、メキシコなどから輸入もされています。他に、日本カボチャ、ズッキーニ、鑑賞用のペポカボチャなどがあります。それぞれ食感や形も違い、同じカボチャの仲間でも様々な味わいを楽しむことができます。
鮮度の良いおいしいカボチャの見分け方
カボチャは完熟していて、大きさの割に重量のあるもので、さらにヘタの部分が硬いものを選びましょう。ヘタに縦に亀裂が入っているものは果肉がしまっているとされます。皮の色が薄いものは実の色も薄いことが多いので、献立や料理の仕上がりのイメージに合わせて使いわけましょう。
さらに西洋カボチャは表面にツヤがあるもの、日本カボチャは粉をふいているものがおすすめです。
カボチャの保存方法
丸ごと保存する場合は常温で、カットする場合は冷蔵庫で保存します。カビが生えやすく湿気を嫌うので、なるべく乾燥した場所に置きましょう。完熟したものは日持ちがよく、乾燥したものなら長期貯蔵も可能です。
カボチャは、貯蔵することによってデンプンが糖に変化し甘くなります。甘いカボチャが食べたい場合は、収穫直後ではなく、しばらく置いたものを食べると良いでしょう。
カボチャの栄養
カボチャにはビタミンE、カロテン、炭水化物が含まれています。ビタミンEは抗酸化ビタミンと呼ばれ、生活習慣病の予防に効果があると言われています。特に西洋種にはビタミンCとカロテンが豊富です。その他、ビタミンB1、B2、鉄分、カルシウム、食物繊維なども含まれています。
カボチャの旬と時期
本来の旬は夏です。しかし「冬至にカボチャを食べると風邪をひかない」と昔から言い伝えられているため、冬場にも人気があり、11~4月頃にも多く市場に出回ります。カボチャの国内の主な産地に北海道、鹿児島県、茨城県などがあります。
カボチャの下ごしらえ
種を取る時にワタの部分もしっかり取るときれいに仕上ります。また皮をむくと味が染み込みやすくなります。皮は食べることができますが、ウリ科の植物に含まれる苦味成分「ククルビタシン」により、苦味を感じることがあります。
オリーブオイルやバターなどと相性が良く、それらの油と一緒に調理することで、カロテンの吸収が高まります。きんとん、天ぷら、サラダ、スープ、スイーツなど、様々な料理に利用できます。
煮物にするときに煮崩れしにくい方法
煮物料理では、切り口の周りを薄くそぐ「面取り」を行うと、煮崩れしにくくなります。煮るときは、皮の方を下にして重ならないように鍋に入れます。ひたひたになるまで煮汁を入れ、カボチャが浮かないように落とし蓋をして弱火で煮ましょう。
カボチャの種類
黒皮栗カボチャ
西洋種で主流の品種です。ホクホクした食感と甘さが特徴です。別名は「エビスカボチャ」。
黒皮カボチャ
日本カボチャの一つです。ゴツゴツとした皮とねっとりとした果肉で、和食の煮物などに向いています。
コリンキー
皮ごと食べる生で食べることのできる品種です。スライスしてサラダや漬物にするのがおすすめです。
そうめんカボチャ(金糸瓜)
ペポカボチャの一種です。ゆでると実がそうめん状になることからこの名がつけられました。
プッチィーニ
黄褐色でオレンジ色の縞模様がある小さいカボチャです。甘みがあり、電子レンジでの加熱もできます。常温で2~3ヶ月保存可能です。
テーブルクイーン
直径10センチ程の小さなカボチャ。白い皮と淡白な味わいが特徴で、主にヨーロッパで人気があります。
坊っちゃん
西洋種の小型カボチャです。果肉は粉質で、500グラム前後なので食べきるにはぴったりです。
ながちゃん
長さが50センチ程にもなる細長いカボチャです。甘みが強くホクホクした食感が人気です。
バターナッツ
ひょうたんの形をしたカボチャです。白い果皮とねっとりとした食感があります。
国産も輸入品も様々な品種があるカボチャ。見た目の色あいや味わい、大きさもそれぞれ異なります。ぜひ料理にあわせてセレクトしてみてはいかがでしょうか。
参考:「野菜と果物の品目ガイド~野菜ソムリエEDITION」(農経新聞社)