ブルーベリー観光農園での勤務を経て、2012年に独立した山田修平(やまだ・しゅうへい)さん。夫婦で淡路島に移住し、大阪湾を見下ろす山の上で小さないちご園を営みます。
大々的な看板や広告などは出さず、コツコツとお客さんへのアプローチを続け、皆に愛される農園作りを実現しています。そこには「手作り市出店」「イベント開催」「絶景」という3つの秘密が隠されていました。
憧れの地「淡路島」へIターン
―どうして淡路島に移住したのですか?
僕は大阪府出身、嫁さんは香川県出身で、お互いの実家のちょうど真ん中なんです。車で淡路島を通るたびに「いつか淡路に住めたらいいね」と話していました。嫁さんとは高知大学の農学部で知り合い、滋賀県のブルーベリー観光農園で一緒に働いていました。「いつか独立して、2人で農業で生きていく」のが目標だったんです。
偶然にも淡路島で古民家再生を手がけるプロジェクトに出会い、とんとん拍子で住む家と温室が見つかったので2012年の春に移住しました。
―温室との運命の出会いですね
あの時、坂の上にたたずむこのガラス温室を見た瞬間、運命的なものを感じました。元は花農家の温室だったそうです。目の前に広がる大阪湾の絶景にも目を奪われ、すぐここに決めました。