世界に目を向ければ可能性しかない。意欲ある人にプラットフォームを
京丹後市の事例は面白いですよ。これまで栽培した梨やブドウをすべて農協さんに出荷していたある生産者さんの跡継ぎが、海外販路の勉強会で私の話をきいて、「稲妻が走った」と仰ったんです。それで海外の商談会に参加し、外国人バイヤーと懸命に商談を重ねて2年、ようやく成約し、海外への販路を築きだしたんです。そうすると、周りの若い生産者さんたちの間で話題となり、今では10軒ほどの若手生産者が続けて海外への輸出に成功し、自治体もそれを支援してくれています。
また、JTBでは2015年から海外に住む個人に向けた越境ECサイト『J’s Agri』も始めています。訪日外国人旅行者が、旅先で味わった美味しい日本の農産物を帰国後や旅行中に注文できる通販サイトです。輸出意欲と海外マーケットに訴求できるバリューがあれば、掲載料金は無料で、翻訳作業もJTBが行い、さらに商品はJTBがすべて買い取るという生産者さんにリスクのない運営環境を整えていますので、ぜひ、『J’s Agri』で輸出に挑戦してほしいと思っています。
SNSの普及で、「なぜ?こんなところに…」というような所に訪日外国人旅行者が押し寄せるすごい時代です。ご当地の「食」は観光の醍醐味。この魅力ある日本の食文化を国内外に発信し、地域を盛り上げていくのが、JTBの使命だと思っています。世界の広がりに目を向ければ、閉塞感なんてありません。この可能性を生産者のみなさんと追いかけたいですね。
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