2018年春、「ゼノア バッテリーシリーズ」が登場
左/ループハンドルの「BTR250PL」 右/両手ハンドルの「BBC250PW」
左/ヘッジトリマ『BHT250PD60』 右/ブロア『BHB250P』
高い技術力で開発された新製品
創業100年を超え、環境に配慮した「ストラト・チャージド®エンジン」など高い技術力で知られる同社がこの春、バッテリーで動く刈払機『BBC250PW』(両手ハンドル)、『BTR250PL』(ループハンドル)、ヘッジトリマ『BHT250PD60』、ブロワ『BHB250P』と、それらすべてに使えるバッテリー『BLi200ZR』、急速充電器『QC330ZR』を発表しました。
プロに向けた製品としてのポイントはどこにあるのでしょうか。
排ガスゼロ&低騒音はバッテリー製品ならでは
バッテリー製品はエンジン製品と違い排ガスがゼロ。燃料補充のわずらわしさもありません。排ガスやガソリンの匂いが苦手な方にも嬉しいポイントです。また静音設計のため、周囲への騒音を気にするといった、環境面には大きなメリットがあります。ボタン一つ押せば動き出し、アイドリング中も動かし続ける必要はありません。
左/バッテリー『BLi200ZR』 右/急速充電器『QC330ZR』
軽量にも強みを持つハスクバーナ・ゼノア
近年、農業機械のバッテリーはどんどん小型軽量化しています。各社がバッテリー製品の開発に力を入れている中、同社製品の軽さには定評があります。同社は2.2kgという世界最小・最軽量のトップハンドルソー「こがるシリーズ」をはじめ、もともと軽さには強みがありました。
充電器もワンタッチで脱着しやすい仕様に
バッテリー製品への不安解消のために
「バッテリー駆動は、農場で使うにはパワーが弱くて長時間使えないし、電気製品だから扱いもデリケート」と思っていませんか。今回発表のバッテリーシリーズがプロ向けをうたっているのは、まさにその点を解決したからと言えます。
バッテリーランプもひと目でわかりやすく工夫
グローバルなノウハウを組み合わせて日本の農家へ
農家の課題を解消するために
販売店や営業社員を通して日本全国の農家の悩みに直面してきたハスクバーナ・ゼノアにとって、農家の人手不足や高齢化は大きな課題でした。歳を重ね、体力が落ち、それまで使っていたエンジンをかけづらくなっていたり、そもそも機械が重かったり…。
2012年からグループ本社であるスウェーデンのハスクバーナ社ではバッテリー製品の開発が行われてきました。そのバッテリーが欧州で評価されていた理由の一つは防水性。同社のバッテリーは基板やスイッチ部分を被膜やカバーで覆うため、全天候に対応。小雨程度ならば作業をしたいといった農家の希望をかなえてきました。
こうしたノウハウを生かし、日本の農家に親しまれている「ゼノア」ブランドとして、そして農家の課題を解消する選択肢になればとの思いから、国内でのバッテリー開発が2016年にスタートしたのです。
「ゼノアブランド」のバッテリーの特徴を語る持丸さん
日本人の体格や馴染みやすさに合わせた設計
方向性は決まっていたものの、開発するにあたっては試行錯誤の連続。
欧州の製品をそのまま日本へ持って来たわけではありません。
例えば刈払機では、欧州のものはハンドルがブルホーンとも呼ばれる角ばった形で、現地の方の体格に合わせて大きめでした。これを日本人の体格に合わせ、またエンジン製品で馴染みある丸みを帯びた両手ハンドルを採用することに。
商品企画は日本、開発設計はスウェーデン。週1回のSkypeミーティングや都度のメールを通じ、国をまたいだプロジェクトが進んでいきました。
エンジン製品と変わらないパワー感
「エンジン製品を使っていた方にも、できるだけ動力源だけが変わった感じで使えるように」と話すのは、同社マーケティング部商品企画グループの持丸知宏さん。
懸念されるパワーは、刈払機ならばエンジンの25ccクラスと同等の設計です。ブロワには一定時間、風量を上げるブースト機能も搭載。
バッテリー自体もこれらのパワーある製品を長く使える仕様です。急速充電も特徴で、もし充電が無くなっても50分で100%充電状態に。80%までなら30分で充電できるそうです。
パワーをコントロールしながら長時間使用
さらに、日本独自の機能として、刈払機を好みの回転数にセットできる「savE(セーブ・イー)」機能を追加。この機能を使うとバッテリーをさらに長く稼働させることができます。ヘッジトリマにも同機能を搭載し、ブロワには好みの風量をセットできる「クルーズコントロール機能」を用意しています。
こうして全天候型で軽量かつハイパワー、しかも使いやすい形状、デリケートなパワーコントロールも可能なバッテリーシリーズが生まれました。
プロフェッショナルが使える製品に
「便利でパワー感も満足」の声
「このシリーズはボタン一つで簡単に動かせて、それほど重さは感じません。販売店さんでぜひ試してみてほしいですね。バッテリーなので簡単に試せますよ」と持丸さん。
現在も販売店などでユーザーに触ってもらうと、「便利だしパワーがある」という声があがるそうです。何より音量の差は実際に試すとよくわかることでしょう。
コストパフォーマンスにも優れる。今ならバッテリープラスワン
また、同シリーズはコストパフォーマンスにも優れています。「初期投資では高いと感じるかもしれませんが、燃料と充電とのランニングコストで比べれば、1年ほどで逆転いたします。発売を記念してシリーズの1機種の本体とバッテリー、充電器をセットで購入するとバッテリーが1個増量されるバッテリープラスワン(+1)キャンペーンを実施中です」(2018年4月現在)。
農家の声を聞くメーカーとして
「これからは家電メーカーをはじめ多くの企業が参入してくるでしょう。その中で当社はこれまで積み上げてきたノウハウが強みです」と持丸さん。製品の品質向上は農家の負担軽減につながります。農家の悩みを製品に反映させたハスクバーナ・ゼノア社のバッテリー製品には要注目です。
「ユーザー様から感謝の言葉をいただく瞬間がありがたいし嬉しい。バッテリーシリーズでも『エンジン駆動の機種から買い換えたけれど、十分に仕事ができるな』などと、良い意味で期待を裏切りたいですね」。
ハスクバーナ・ゼノア株式会社
〒350-1165 埼玉県川越市南台1-9
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