カーボロネロはイタリア生まれの郷土野菜
カーボロネロはイタリア中部のトスカーナ地方を原産とするキャベツです。キャベツといっても、日本で一般的に流通しているキャベツとは違い結球しません。葉キャベツの一種で、アブラナ科のケールと同じ仲間です。見た目はホウレンソウに似ています。カーボロネロの葉は一般的なキャベツよりも濃く暗い緑色をしていて、日本では黒キャベツと呼ばれています。葉は細長く縮れ、裏側に丸まっていて、表面の凹凸が強く出ているのが特徴的です。
耐寒性に優れていることから、霜が降りた場合でも生育し続け、冬の間も途切れなく収穫できます。味は甘味や旨味があって、ケールに比べて深い味わいを感じることができます。繊維が硬いためサラダなどで食べるよりも、煮込み料理や炒め物などの熱を加える料理に向きます。
シャキッとしているのが良い!カーボロネロの選び方
おいしい料理には味付けなどの調理技術も大切ですが、新鮮でおいしい食材があってこそ、その技が生きてきます。おいしいカーボロネロの見分け方・選び方を紹介します。
まず、葉がしなびていてやわらかくなり過ぎているものはやめましょう。収穫後時間が経っていて、古いものの可能性があります。みずみずしくシャキッとしたものを選ぶようにします。葉が縮れていて食べごたえがありそうに見えても、しなびたものはNGです。逆にシャキッとしていても硬そうなものは控え、適度にやわらかいものを選びましょう。長さは40センチほどまでのものがおすすめです。大きくなり過ぎたものは、生育し過ぎて硬いことがあるので注意しましょう。
女性にも子供にもおすすめ カーボロネロの栄養素
緑黄色野菜のカーボロネロは、健康を維持するために必要と考えられている栄養素の宝庫です。とくにミネラル類とビタミンが多く含まれています。ミネラル類ではカリウムやカルシウム、ビタミンではビタミンC、K、Uが豊富です。カリウムは余分な水分を体内から出してくれる働きがあるといわれています。また、体内で過剰となったナトリウムを体外に排出する働きも期待されます。
カルシウムは骨や歯の主成分になったり、筋肉の働きを助けたりする、健康維持や活動のために不可欠な栄養素です。野菜や果物に多く含まれるビタミンCは、風邪の予防や皮膚の働きに役立つといわれ、女性や子どもにとってもうれしい栄養素です。
ビタミンKは脂溶性のビタミンで、カルシウムと同じように体づくりに良い働きがあるとされています。ビタミンUはキャベツから発見された栄養素で別名キャベジンとも呼ばれています。胃腸の調子を整える働きも期待されています。このように、カーボロネロは健康維持にもってこいの野菜です。
カーボロネロのおすすめレシピ1.パスタ
カーボロネロは繊維が硬いため、生で食べるより、火を通すことでおいしく食べることができます。煮ても炒めても焼いてもよく、どの調理方法にも向きます。まず紹介するのはパスタです。イタリア野菜のカーボロネロですから、イタリア料理によく合います。まず、カーボロネロは一口大のざく切りにし、ニンニクは薄くスライスします。スパゲティをゆで始めると共に、フライパンにオリーブオイルを多めに入れてニンニクがカリカリになるまで炒めたら取り出します。強火でニンニクを炒めると焦げてしまうので注意しましょう。フライパンに適度な大きさに切ったベーコンと鷹の爪、カーボロネロを加えて、しんなりするまで炒めてから、塩コショウで味をつけます。コンソメで味をつけてもおいしいでしょう。ゆで上がったスパゲティとゆで汁、そして取り出しておいたニンニクをフライパンに入れ、混ぜ合わせて完成です。
カーボロネロのおすすめレシピ2.リボリータ
カーボロネロのおすすめレシピの2品目はリボリータです。リボリータは野菜がたっぷり入ったトスカーナ地方の家庭料理。日本語で「再び煮込む」という意味で、余りものの野菜や豆などを入れて煮込んで作ります。火を通した野菜はかさが減るので、サラダなどの生食よりも野菜を多く食べることができます。体も温まるでしょう。
作り方はいたって簡単。具材にはカーボロネロのほかに、ニンジンやズッキーニ、セロリ、カボチャ、ジャガイモなど、好みの野菜や料理で余った野菜を使います。
カーボロネロなどの葉物野菜はあらかじめオリーブオイルで軽く炒めておきましょう。その他の野菜は鍋に入れて、塩をたっぷり入れ15分ほど蒸し煮にします。野菜がしんなりとしてきたら、先に炒めておいた葉物野菜を加えます。
トマトペーストと水を鍋に加えて強火でひと煮立ちさせたら中火にし、トロトロになるまで煮込みます。時間にして約20分で完成です。
そのまま食べてもおいしいですが、耐熱容器に移して上にチーズをのせ、200℃のオーブンかオーブントースターで焼き色がつくまで焼くのもおすすめです。
日持ちしないので早めに食べきろう!
イタリア原産のカーボロネロは、生で食べるより煮込み料理など火を通すとおいしく食べられる緑黄色野菜です。青汁などに使われるケールの仲間でもあるため、健康維持にも一役買う栄養成分を多く含むのも魅力的です。
カーボロネロは黒キャベツとも呼ばれますが、一般的な丸いキャベツに比べて日持ちしないのが欠点といえます。購入したらなるべくその日のうちに使い切るようにしましょう。なるべく早く食べきることがカーボロネロをおいしく食べるコツです。