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スマート農業とは? ロボットの活躍、ビッグデータの活用で後進育成も

連載企画:農業キーワード

スマート農業とは? ロボットの活躍、ビッグデータの活用で後進育成も

農作業はきつい!という概念が近い将来変わりそうな気配です。政府はロボット技術や情報通信技術(ICT)を駆使して、農作業の省力化や高品質な農作物の栽培を行う「スマート農業」の実現を目指しています。
最先端技術は今後、どのように農家を支えてくれるのでしょうか。熟練農家の背中ではなく、スマートフォンの画面を見て栽培ノウハウを学ぶ時代がやってくるかもしれません。古くから営まれてきた農業の新たな可能性を探ります。

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自動収穫ロボットの活躍で作業が効率化


スマート農業では、実際にどんな技術が開発されているのでしょうか。
例えば、私たちの食卓でおなじみのトマトは、生産農家が一つ一つ収穫にふさわしい時期を見極め手作業で摘んでいます。一方、近年開発されたAIを活用した自動収穫ロボットは、畝に敷かれたレーンに沿って移動しつつ、取り付けたカメラでトマトの様子を画像認識。赤く熟しているなど収穫に適した実かどうかを素早く判断して、実を傷つけず丁寧に摘み取ります。この技術により、夜間の収穫も可能となるため、人は、ロボットが収穫したトマトを朝パッキングするだけに。作業の効率化が期待されています。

カメラ付きドローンが田畑をチェック

広大な農場では、カメラ付きドローンが活躍しそうです。ドローンを低空飛行させて田畑の作物の様子をチェック。成長具合に応じて、追加で必要となる肥料の分量をドローンが算出し、そのまままくことができます。作業負担の軽減はもちろんのこと、肥料を適切に使うことができるため、コスト削減効果もあります。

佐賀県佐賀市白石町では、4Kカメラを載せたドローンの空撮による作付け面積のチェックを開始。これまで町の職員が農家へのヒアリングなどから確認していた作付けの状況を、画像データにより素早く把握することで、作業の効率化を図ります(※1)。

※1 ITで作業効率アップ ドローンで麦の作付け把握:佐賀新聞LiVE

後進育成にも活用! 広がる可能性

作業を効率化するだけでなく、新たな農業の担い手を支えるための技術開発も進んでいます。政府は2019年4月、農地の環境や気象などのビッグデータをあらゆる農家が利用できるシステム「農業データ連携基盤」を本格始動させる方針です(※2)。

このシステムでは、熟練農家のノウハウもデータ化することができるのが特徴です。熟練農家にカメラを付けたまま農作業してもらうことで、作物のどこを見てどのような動きをしているか記録。こうして集めたデータを基に、作物の画像を見て適切な対処方法を答えるようなクイズ形式の学習プログラムを組み立て、スマートフォンなどで展開することで、経験が乏しい農家でも熟練の技を学ぶことができます。

農家は農業データ連携基盤を活用することで適切な出荷時期を予測しやすくなり、廃棄ロスを抑えるなど、生産性の高い農業経営に取り組むことができるとされています。通信技術の民間企業や全国農業協同組合連合会など100を超える関係団体が一丸となって開発に取り組んでいます。

現役の農家だけでなく、将来農家を目指す方々にとっても農業の可能性を広げてくれるスマート農業の進展に注目ですね。

※2 社説/農業データ連携基盤 生産性向上、高付加価値化に期待:日刊工業新聞

参考:スマート農業の実現に向けた取組について(PDF)/農林水産省

上記の情報は2018年6月5日現在のものです。

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