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「集落営農」とは? メリットとは? 組織化・法人化の進め方

連載企画:農業キーワード

「集落営農」とは? メリットとは? 組織化・法人化の進め方

人家が寄り集まっている地域を「集落」と呼びます。そこで暮らす人たち同士で農業を営む方法が「集落営農」です。個人経営では一人で重労働の農作業に向き合わなければなりませんが、集落のみんなで助け合えば個々の負担が軽くなりそうですね。
集落営農にはコスト削減効果などさまざまなメリットがあり、さらに法人化することでより経営が安定します。今回は「集落営農」の具体的な取り組み事例や、始める際のコツについて詳しくご紹介します。

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そもそも「集落営農」とは?

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集落営農とは、集落単位で農業を営むことを指します。農業分野では、高齢化や後継者不足などが課題となっていることから、近くに住む人同士が共同で農作業にあたる集落営農が注目されるようになりました。

農林水産省の調査によると、2018年の全国の集落営農数は1万5111。2005年の1万63と比べると、約1.5倍に増えました(※1)。

※1 平成30年集落営農実態調査(PDF):農林水産省

コスト削減、経営にバリエーションも! 「集落営農」のメリット

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集落営農では、芝刈り機やコンバインといった農業機械を共同で所有するので、購入や維持に掛かる一人当たりのコストを削減できます。
また、集落の中に高齢者や若い兼業農家などいろいろな人がいれば、作業を役割分担してもいいでしょう。例えば、若手農家は熟練農家からノウハウを伝授してもらう一方、新たな視点で加工商品の企画を成功させたりできるかもしれません。このように経営にバリエーションができるのも、集落農業の魅力の一つだといえるでしょう。

また、集落内のよく知った仲間同士であれば、農地の貸し借りや農作業を依頼しやすいものです。その結果、耕作放棄地を減らすことができ、集落全体の活性化につながる可能性もあります。

集落営農の組織化・法人化はどのように進めればいいのか

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集落営農を始めるなら、法人格を取得するのがおすすめです。資産が構成員の資産から独立している法人経営は、外部からの信頼が高くなることで資産調達がしやすくなる、食品産業などと連携を図ることで経営を多角化できる、などの多くの利点があると考えられています。

法人化を考える際の前段階として、メンバーの意見を一致させることが非常に重要です。統計データを利用したり、アンケート調査などを行ったりしながら、高齢化や後継者の減少など現在集落が抱える問題や、組織化・法人化した際のメリット・デメリットをみんなで把握して、集落の農業を今後どういう方向で発展・維持させていくかのビジョンを明確にしましょう。また、誰をリーダーにするか、リーダーをサポートするメンバーはどのようにするかなどもよく話し合うことが大切です。その上で、規約や、いつ法人化するかなどを示した計画を作成しましょう。

農林水産省は、登記などの手続きを経ずに設立できる“任意組織”を法人化に向けての準備・調整期間と考え、徐々に集落営農が機材の共同所有など組織としての機能を持ち、最終的には法人格を取得できる団体になるよう支援しています。具体的には、法人化に必要となる定款の作成や登記手続きに掛かる費用として一律40万円を補助したり、経理・生産管理・労務管理・マーケティングなど、法人化に向けて必要な知識を身につける研修に参加するための経費を支援したりしています(※2)。

このような支援については、自治体などの窓口で相談できます。関心のある方は窓口を訪ねてみてはいかがでしょうか。

※2 集落営農の法人化に向けた話し合いを進めましょう(PDF):農林水産省

参考:集落営農について/農林水産省

上記の情報は2018年6月21日現在のものです。

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