水やりグッズ、失敗の原因は?
なんとか生きていたミニトマト
ミニトマトの留守中の水やり対策に一度は成功した後、再び5日ほど家を空けた8月上旬。帰宅後に確認すると、水やりグッズをセットしたバケツの水がほとんど減っていない様子です。慌ててベランダに飛び出します。
急いでプランターに水をやって改めてミニトマトの様子を見ると、心なしか全体的にくたびれている感じ。下のほうの葉は、夏も終わりに近づいて黄色くなり始めていたとはいえ、その範囲が広がった気がします。一応生きてはいるけれど、これは果たして無事と言えるのか・・・。
素焼きの容器を空けると、水が半分ほどに減っていました。これでは水を吸い上げることはできないのではないでしょうか。バケツに残った水の量は約4.5リットル。6リットル入れて出かけたので、それでも約1.5リットルは給水された計算です。
何らかの理由で、途中からうまく給水できなくなったのでしょうか。
原因究明のために状況を再現する
振り返ると、慌ただしく出かけたために、当日の朝にどのように設置したかよく覚えていません。原因を調べるために後日、在宅時に再現してみました。まず考えられる原因は2つ。
(原因1)管の中に空気が入っていてちゃんと吸水できなかった。
(原因2)容器いっぱいに水を入れなかったために、呼び水効果が発揮されなかった。
そこで、まずは容器と管全体をバケツに浸して空気を抜きます。素焼き容器から、ちゃんと水が染み出すのも確認してプランターにセット。
しかし、一晩置いてみても、やはり水はほとんど減っていません。ううむ。予想が外れました。
注意書きはよく読もう
なぜだ・・・。答えに窮して改めて商品パッケージを引っ張り出して見ると、裏に注意書きがありました。な、なんと!説明書をロクに読まずに組み立て始めるタイプの人は要注意ですね。
特に「給水量について」という部分にはこう書かれています。
「給水量の調整は鉢や水容器の設置の高さを調整して行なってください。水面が高いほど給水量が増え、水面が低いほど給水量が減ります」
鉢と水面の高さにもポイントがあったのです。言われてみれば、1回目の時にはペットボトルを使用し、2回目にはバケツを使用したという違いがありました。つまり、こういうことです。
(原因3)鉢と水の高さの関係で給水量が変わった。
違いを確認するため、バケツからペットボトルに差し替えて、またまた水やり当番をセットします。
3時間後、しっかり水が減っているのが確認できました。さらに、6時間後、9時間後にもチェックしましたが、順調な給水ぶり。さらに後日、今度はバケツの位置を高くして試してみたところ、床に直置きした場合よりも給水量が多くなることが分かりました。
また、今回は当てはまりませんでしたが、こんな原因についても書かれていました。
(原因4)素焼き部分が目詰まりして水が染み出さない。
何度も使っているうちに目詰まりを起こすことがあるようで、その場合はブラシなどでゴミを取り除けばいいとか。とにかく便利グッズも使い方次第で万能でないということは分かりました。
教訓としては、少なくとも一日前くらいから、ちゃんと給水されるか試してみること。道具任せはダメ。そして説明書はよく読むこと!また一つ、プランターとの付き合い方を学んだ気がします。
水やりグッズの自作もしてみた!
“とんがらないキャップ”
いろいろなグッズを試してみて、こんな仕組み考えた人はエラいなぁといちいち感心しつつ、ある考えが何度も頭をよぎりました。
なんか、自分でも作れそう・・・。
原理は拍子抜けするほど簡単なのです。ならば、自作もそう難しくないのではないか。思いついてしまったら、やってみるしかありません。
まず真似してみたのは「とんがりキャップ」です。これなんて小さな穴が二つ空いているだけの商品なんです。あとは先が尖っていること。土に刺しやすいというのはわかるのだけれど・・・芸術家じゃあるまいし、そんなに尖っていなくても、土に潤いを与えることくらいはできるはず。
というわけで、キャップには丸くなってもらって、細いキリで穴を二つ空けます。水を入れて逆さにすれば水が出るのではと思いましたが・・・出ませんでした。ペットボトル本体に圧力を加えると水が出るのですが、逆さに置いただけでは出続けない。かといって底に空気穴を開けてしまうとダダ洩れ状態に。
試行錯誤の末、キャップの穴は一つにして、側面にごく小さな空気穴を開けることで少しずつ水を垂らすことに成功しましたが、ペットボトルやキャップの柔らかさは一つずつ違うので、偶然の産物という感も否めません。ちょうどいい塩梅で給水するペットボトル水やり器を自作するのはなかなか難しそう。
“紐もフェルトも楽だぞぅ”
続く標的は「水やり楽だぞぅ」。これは綿を棒状に固めたもので、前回に試してみた時には一日1リットルほど給水されました。しかも、両端を水と土に刺すだけの簡単な仕組みなので、説明書を読まないうっかり者にも真似しやすそう。
素材的には脱脂綿がちょうど良さそうですが、長い棒状にするのが難しい。代わりになりそうなものと考えて、手芸用の紐やフェルト生地に目をつけました。
「水やり楽だぞぅ」と同じくらいの長さになるように、太さ7ミリの紐は裁断し、フェルトは1センチ幅に細長く切って2カ所をホチキスで止めました。
試しに水に浸してみると、アクリル100%の紐はなかなか水を吸わない一方、ポリエステル100%のフェルトはすぐに水を吸い始めました。アクリル紐は事前に充分に水に浸してから、この二つを同時に別々のペットボトルに差して置いておきました。
24時間後。どちらも一応給水されて、ペットボトルの水が減っているのが分かります。給水量は紐が350ミリリットル、フェルトが650ミリリットル程度。それぞれ素材や太さを変えれば量の調節もできそうです。
意外にも簡単にできました。「水やり楽だぞぅ」も決して高価な商品ではなく、確実でとても良い方法だと感じましたが、自宅にフェルトや紐が余っていたら自作してみるのも楽しみの一つになるかもしれません。
◆不在時の水やり対策はバッチリ。ていうか、これらを常に使っていれば水枯れの心配はいらないのでは……?浮かんできた疑問の答えは次回!