二十日大根の由来を知る
ラディッシュ……別名、二十日大根。
ラテン語で「根」を意味する「radix(ラディクス)」が語源とされ、ヨーロッパで広く栽培されていたものが、明治以降に日本に渡ってきたと言われています。二十日大根の名前は、播種から20〜30日で収穫できることに由来しているそう。
自分調べでは、ラディッシュは初心者にお勧めされる野菜の第2位。収穫が早く育てるのが比較的に簡単なことから、「失敗がほとんどない」「子供でも育てられる」と評する人もいます。
そんなラディッシュを最初に植えると決めてニワカ勉強をしていると、ラディッシュにはいくつもの品種があることがわかりました。
「コメット」「レッドチャイム」「フレンチ・ブレックファスト」「アイシクル」「白雪姫」「ゴールデンラディッシュ」……。色や形も、赤くてまんまるのものから、紅白で少し縦長のもの、白くて大根をごく小さいサイズにしたようなものまで様々です。
暑さも和らいできた9月、ホームセンターなどで買い集めた種を手に、久しぶりの種まきを行いました。
新たな「失敗」のタネをまく?
種まきにあたって用意したのは、小さめのプランター2つと種2袋、そして土2種類です。
まずはプランターに土を入れます。作業責任者は今回もうちの長女です。キュウリが病にかかった頃から、ベランダになかなか足が向かなくなっていた長女ですが、誘ってみると「新しく植えるの!?やりたい!︎」と目を輝かせてついてきました。
種をまくというと、春夏シーズンではレタスミックスの種を適当にバラまいた経験しかないのですが、ラディッシュは直線状に溝を作ってその中に種をまく「筋まき」。そこで、家に余っていた小さな突っ張り棒を探し出してきて、土に溝を作りました。
作った溝の中に、種をまいていきます。種は1センチ間隔でまくのがいいようですが、測るのも億劫で、間隔はいいかげんです。
今回は一つのプランターに2種類の種をまいてみることにしました。どちらも100円ショップで購入したものですが、プランターに向かって右半分が「紅白はつか大根(フレンチ・ ブレックファスト)」、左半分が「赤丸20日大根(コメット)」です。
種をまいたら、土をかぶせて軽く押さえます。
土を変えると育ち方は変わるのか
同時にもう一つのプランターにも同じ手順で種をまきました。何が違うかというと、使った土です。
一つめのプランターの土は、実はキュウリに使った土の使い回し。しばらく日光消毒はしておいたものの、一度使ったもので、しかも病気になった野菜の土なので少し心配です。
もう一方は、ホームセンターで購入した新しい培養土です。新しい土なら病原菌はないだろうという安心感がありつつ、土によって育ち方が違うのか試してみようと考えたのです。
2つのプランターにたっぷり水をやって、その日の作業は終了。
発芽を待つ長い日々
3日後の朝、小さな芽が顔を出しました。出てきたのは再利用した土の方です。
土の表面がこんもり盛り上がっているのに気がついてよく見てみると、芽が土を押し上げていたのです。新しい土の方まだ芽が出ません。
5日後、ヒョロリと細い芽が伸びてきました。しかし、新しい土の方はまだ芽が出ません。種の袋に書かれた情報をみると「発芽日数4〜7日」とあるので、少し時間差が出たのだろうと考えて、とりあえず「待ち」のスタンスをとります。
ところが、7日経っても芽が出ません。朝起きると長女と二人、プランターをのぞき込みながら、「芽、出ないね」「まだ出ないね」と言い合うのが日課になりました。
10日後、それでも芽が出ません。さすがにおかしいと不安になり始めます。映画「となりのトトロ」でどんぐりの種を植えてから、「まだ出ない」と毎日土とにらめっこをするサツキとメイの気分です。
間引きし、液肥を施す
一方の再利用の方はいいかげん、間引きして肥料をやらなければならない状態です。通常は「発芽して双葉が開いたら良いものを残して株を間引く」ようですが、我が家のラディッシはどれを見てもヒョロヒョロで弱々しい感じ。うーむ。なかなか教科書通りにはいきません。
こんなんで大丈夫なのかという疑問はとりあえず脇に置いて、必要とされる作業を進めてみます。
まずは間引き。はっきり言って“良い双葉”が見当たらないので、だいたい3割くらい減らす感じで適当に間引きました。
次に肥料ですが、プランター栽培の本で調べると、どうやらラディッシュは発芽してから7日ごとに液肥をやるよう。追肥はトマトやキュウリの時にもしていますが、そのとき使用したのは粒状の化成肥料。今回はホームセンターでよく見かける液体肥料を買ってきました。
分量を見ると、野菜にあげる場合はキャップ一杯20ミリリットルを500倍に薄めて10リットルの養液を作ると書いてあります。しかし、狭いベランダで少ない野菜を育てているので、10リットルの水を作るのも、保管をしておくのも大変です。
500ミリリットルくらいの単位で作りたいところですが、かといって液肥を1ミリリットル計るのも難しい。折衷案として、2リットルのペットボトルに水を用意して、4ミリリットルの液肥を入れることにしました。
測るのに使ったのは、不要になった子供の風邪薬シロップ用の計量カップです。液肥を注ぐと鮮やかなブルーで一瞬ギョッとしましたが、一目見て肥料入りだとわかるように濃い色が付いているとのこと。
100円ショップで購入した、ペットボトル用のジョウロのキャップを取り付けると、そのまま水やりができて便利でした。
ラディッシュは最初に作るべき野菜なのか
問題はもう片方のプランターです。
待ち続けて十数日目、ようやくわずかに芽が出ました。しかし、その後はなかなか他の芽も出てこなければ、出た芽が育っていく勢いもありません。
再利用の土の方も全体的に茎がひょろひょろと細く、葉と葉の間が間延びしたような、いわゆる“徒長”した状態になり、倒れてきてしまいました。
そして、20日目。
20日で育つという前評判に反して、どちらも収穫に至るような成長は見られません。それどころか明日の命も危うい感じです。
改めて調べてみると、そそも二十日大根と言っても秋植えやプランター栽培の場合は40〜50日かかるとも言われているよう。なーんだ、ガッカリ。そもそも20日で育たないって看板に偽りありじゃないの……。
それにしても最初にして最弱の敵(野菜)だなんて一体どの口が言ったのでしょう。「ほとんど失敗がない」「子供でも育てられる」と言われる野菜を育てられなかったら、この先のベランダ菜園ライフをどう生きていったらいいというのか。
もう、新生児レベルからやり直すしかありません。
◆さて、失敗の原因はどこにあったのでしょう?次回、あの方にアドバイスをいただきます。