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害虫にも存在意義がある?目からウロコの虫対策【畑は小さな大自然Vol.14】

連載企画:畑は小さな大自然

害虫にも存在意義がある?目からウロコの虫対策【畑は小さな大自然Vol.14】

最終更新日:2018年10月19日

野菜づくりをしていて害虫に悩まされたことはありませんか? 虫の被害を抑えるために防虫ネットを張ったり、トラップを仕掛けたり、殺虫剤をかけたりとさまざまな工夫をして対処する方も多いのではないでしょうか。害虫対策は苦労の連続である一方で、殺虫剤耐性を持つ虫も現れるなど、不毛な戦いのように思えてくることでしょう。でも、虫の自然界における本来の役割を見ていくと、その問題を根本的に解決する糸口が見えてきます。今回は、害虫に振り回されない画期的な対処法をお伝えします!

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害虫がいない畑ではなく、害虫が増えすぎない畑を目指そう

せっかく育てた野菜を食い荒らす憎き害虫。本当に迷惑な存在ですが、残念ながら害虫を完全にいなくすることはほぼ不可能です。虫の繁殖力と生命力はとても強いですし、根絶しようとすればするほど大変になります。
野菜を商品として売るのであれば、少しの虫食いでも気になりますが、家庭菜園用であれば多少の虫食いは気にしないと割り切ることも大切です。完全に害虫のいない畑を目指すではなく、その数が増えすぎないようにすることで、対処することも一つの方法です。
そのためには、虫の役割や性質を知り、害虫が増えてしまう原因がどこにあるのかを理解することが必要です。

虫はなんのためにいる?

気持ち悪い存在として見られがちな虫ですが、地球を豊かにするためにかけがえのない役割を担っています。ここでは特に畑づくりという観点から、大切だと思える3つの役割をご紹介します。

①花粉の運び役
植物に綺麗な花が咲くのは蜂などの昆虫を呼び寄せるため。彼らに花粉を運んでもらって、子孫を残す手助けをしてもらっています。蚊やハエの仲間にも花粉を運ぶものがいるそうです。野菜も同じく、特にイチゴやカボチャのような野菜は虫が受粉してくれることで、たくさん実がなるようになります。

②生物の死骸を分解する
虫たち微生物と協力して、枯葉や生き物の死骸を細かく分解していきます。そして新しく土として再合成するサイクルを繰り返すことで、土は豊かになっていきます。

③全体のバランスを調整する
自然界では常にバランスを取ろうとする働きがあります。特定の栄養素や微生物・植物・虫などが増えすぎたり、減りすぎたりしないようにバランスが取られる働きが自動的に行われています。畑にいる虫も同じ原理で、たまたま好き勝手にそこにいるようでいて、自然全体で見るとこの働きに基づいて動いています。

以上3つの役割をご紹介しましたが、結局これらをまとめると「虫は生態系を豊かにしようとしている」と言えます。

害虫も畑を豊かにしようとしている?

虫は生態系や土を豊かにしようとしていると説明しましたが、畑の害虫も実は同じ目的を持っています。
例えば畑の中で“野菜という植物だけ”に、集中的に“肥料”という形で栄養をあげた場合、これはその土地全体から見ると非常にアンバランスな状態です。そこで、自然のバランス調整機能が働きます。つまり、害虫が余分な栄養を与えられている野菜を食べに来て数が増えます。そしてその虫がその畑にフンを落として、その土地全体に栄養素をバラまこうとするわけです。
しばらくするとその増えた害虫は、その天敵に食べられてしまいます。今度は天敵が個体数を増やすことで、害虫は自然と減っていきます。このように全体で見ると自然はその土地全体に栄養素を分散して、その土地と生態系全体が豊かになるような働きが起こっているのです。

根本的に害虫の被害を減らすには

虫や自然界の目的は「生態系(土)を豊かにする」ことであり、人間の目的は「野菜を収穫する」ことです。このズレがある限り、害虫の被害は根本的には解決することはできず、対症療法に追われることになります。
それなら、虫たちの目的と人間の目的を一致させてはどうでしょうか?
視点を変えると、根本的な解決の道が見えて来ます。具体的には以下の4つの方法が考えられます。

1)土の地力を高める

害虫の問題にしても根本的には土づくりがとても大切になります。土の中の栄養素や微生物のアンバランスが起きていると、その調整役として虫が来るリスクが高まりますので、そのバランスをとりながら地力、「その土が植物を育む力」をつけていく必要があります。
虫たちがしようとしている役割をこちらで先にやってしまうことで、彼らがくる必要性を最低限に留めることが出来ます。地力を高めるポイントについては「肥料が不要に!?地力を高める3つのポイント」の記事を、具体的なこの土づくりの方法については「初心者でも簡単!雑草堆肥で土づくり」の記事をご覧ください。

ただし注意点として、この地力を高める過程で、害虫が大量発生する可能性があることを十分に理解しておいてください。それまでバランスが崩れていた場所であればあるほど、そのバランスを取り戻す働きが強く起こります。長い目で見ることが大切です。

2)害虫は全滅させない

いくら憎き害虫といえども全滅させてしまうと、その天敵となる生き物もエサがなくなるので減ってしまいます。そして結果的にまたその害虫が増えやすい環境を作ってしまいます。多少食べられる程度は目をつむりましょう。

3)周囲の環境を整える

そもそも畑全体の環境が、野菜にとっては苦手な環境で、害虫の好む環境である場合、野菜が害虫の被害にあいやすくなります。例えばナメクジが多い畑の場合、いくらナメクジを駆除し続けても、その場所自体がジメジメしているような環境であればまたやってくるでしょう。ほとんどの野菜は日当たりがよく、風通しが良く、水はけが良い場所を好み、そういった環境を好む虫とも比較的相性が良いです。

4)効き目の強い肥料や農薬の使用を減らす

即効性のある肥料や農薬ほど、生態系や栄養素のバランスを崩すリスクも高くなります。こういった資材に頼りすぎない手入れの仕方をしていきましょう。

街中やプランター菜園の場合は?

街中やプランターなど、人工的な環境にある場合、根本的に生態系を豊かにすることにはかなり制限があるので、少し難しいと言えます。防虫ネットを張って物理的に虫が入らないようにしたり、日当たりや風通しを良くすることで、できるだけ虫の発生を抑えていきましょう。

 
◆次週予告
いずれの方法にしても時間はかかりますし、自然がバランスを取り戻す過程で、害虫が出ることはどうしてもあります。次回はそんな時に土や生態系のバランスを大きく崩さずに、害虫の被害を防ぐ方法をご紹介します。お楽しみに!
 

過去の記事はコチラ!【畑は小さな大自然】シリーズ

そーやんがアドバイスする【枯れ専かーちゃんのベランダ菜園】シリーズ一覧はコチラ!

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