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害虫に振り回されない!効果的な予防法と対処法【畑は小さな大自然vol.15】

連載企画:畑は小さな大自然

害虫に振り回されない!効果的な予防法と対処法【畑は小さな大自然vol.15】

最終更新日:2018年10月31日

こんにちは、暮らしの畑屋そーやんです。野菜づくりの悩みのタネである害虫対策。対策の仕方には様々なものがあります。しかし、その対処法が畑の生態系や栄養素のバランスを崩すものであると、またそのバランスを取り戻そうする自然界の力が働き、害虫の発生リスクが高まるという、負の連鎖が起こる可能性があります。今回はこの害虫問題を根本的に解決するために、その予防策と対処法をお伝えします。

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豊かな畑・土を育てることが根本的な解決法

害虫を始めとする自然界の生き物たちは「生態系を豊かにする」という共通の目的を持っています。ですので、この流れに反するような手入れをしている限り、生態系はバランスを崩してしまい、そのバランスを取り戻そうとして害虫が発生するリスクも高まります。なので害虫問題を根本的に解決するためには、畑の生態系を豊かにすることが大切です。具体的には「害虫にも存在意義がある?」の記事の中で以下の4つの方法をご紹介しました。

①土の地力を高める
②害虫は全滅させない
③周囲の環境を整える(日当たり・風通し・水はけを良くする)
④効き目の強い肥料や農薬の使用を減らす

これらを時間をかけて少しずつ行っていくことで、確実に害虫が大量発生するリスクは減っていくのですが、それでもやはりいろんな要因で害虫が発生して困ることはあります。そこで今回はそんなときの予防法と対処法をご紹介します。

害虫が来る前に行う予防策

一度害虫の被害にあってしまってから対策するのは難しいことも多く、労力もかかります。害虫が来やすい野菜を育てる場合や、来そうな時期に植える場合は、あらかじめ予防策を行うことが大切です。

防虫ネット

物理的に虫が入って来ないようにするものです。特に背丈が大きくならず虫に食べられやすいようなキャベツ、白菜といった葉物野菜に使います。コオロギやアオムシなどの対策になります。ただしヨトウムシという蛾の幼虫は地面から潜って入って来るので、注意が必要です。

行灯(あんどん)

上の写真のように4本支柱を立て、苗を囲むようにビニールを貼ったものを行灯(あんどん)と呼んでいます。主にキュウリ、カボチャ、ピーマン、ナスなどの果菜類に使うことが多いです。こちらも側面から害虫が入ってくるものを防ぐ他、風に晒されず中の温度も高くなりやすいので、初期成長を促すこともできます特にウリ科のカボチャやキュウリに来るウリハムシに有効です。ずっとこれで囲んで育てるわけではなく、生育初期のみ害虫に負けないように使用します。肥料袋を切って使用することもありますし、市販のものもあります。

コンパニオンプランツ(共栄作物)

植物の組み合わせによって、お互いに良い影響を与え合うものがありこのような組み合わせをコンパニオンプランツ(共栄作物)と呼びます。特に害虫対策としては以下のような植物が使われることが多いです。

<マリーゴールド> コナジラミ、センチュウ、アブラムシ対策
<ミント> アブラムシ、ケムシ、アオムシ対策
<ネギ> アブラムシ、 ウリハムシ対策

地力に合った作物を選ぶ

イネ科雑草の多い畑はあまり地力がないため、マメ科やイネ科の野菜が合いやすい

地力がない場所で地力を必要とする野菜を植えると、肥料もより多く必要としますし、害虫にも食べられやすくなります。実際にその畑にどの程度の地力があるのか調べるには、どんな雑草が生えているか調べることでおおよその見当をつけることができます。詳しくは「雑草で診断!その土で野菜は育つのか」の記事をご覧ください。

また地力は十分にあったとしても、常に水分が必要な野菜を水持ちの悪い畑に植えたり、乾燥を好む野菜を湿気の多い畑で育てるなど、その野菜にとって合わない土の状態だと、野菜が元気に育たず、結果的に害虫にもやられやすくなります。

害虫が発生した時の対処法

様々な予防をしていても虫が発生することはあります。そんな時の対処法をご紹介します。ただこちらの対処法は、あまりにも地力がなかったり、生態系のバランスが崩れてたりしている場合、あまり効果がない時もありますので、理解しておいてください。

自然農薬を使用する

我が家では米酢と焼酎を半々に混ぜ、唐辛子を漬け込んだものを常備しています。忌避剤の他、苗の活着剤としても使えます

畑の生態系に副作用があまりない液剤などを用いて、虫除けを行うものです。代表的なものには以下のようなものがあります。基本的には葉や茎に散布しますが、濃度が強すぎたり、散布しすぎると野菜が傷む可能性もありますのでご注意ください。

○酢
合成酢ではなく穀物の醸造酢が、植物を傷めず、むしろ元気にする効果もあるとされているのでオススメです。ナメクジやアブラムシなどの様々な害虫の対策に使います。50〜100倍に薄めて使用します。焼酎を混ぜたり、唐辛子やニンニクなどを漬け込んだりしておくとより効果的です。

○木酢液
木材を燃やした時に出る煙を冷やして液体にしたもので、ホームセンターなどでも売られています。センチュウやアブラムシなどの対策に用います。一般的には500〜1000倍に薄めて使いますが、商品によっても異なるのできちんと確認してからお使いください。

捕殺する

イラスト:筆者作成

シンプルに捕まえて殺すという方法です。完全に殺すのではなく、半殺しにして体液を出させることで、それがその虫にとっての警戒信号となっており、その仲間が来にくなるとも言われています。
例えば緑色のカメムシは強烈臭いを発しますが、あれも仲間に警戒を促すものです。畑にいるカメムシや他の害虫はこのような強い臭いを発しませんが、その体液が同じような役割を持っていると言われています。
このとき全ての虫を殺すとその反動で逆に増えるという現象が起こる場合がありますので、無理に全滅させようとせず必要最低限の捕殺で大丈夫です。

時には見守ることも大切

ピーマンに付いているカメムシの仲間

様々な害虫の予防法と対処法をご紹介して来ましたが、時には手を出さずに見守るという方法もあります。ちょうどこの夏にそれを痛感する出来事がありました。
下の写真は葉が落ちてしまって、ほとんど枝だけになってしまったピーマンです。おそらくカメムシに樹液を吸われすぎて弱ってしまったようです。

カメムシが増えた後、どんどん弱り葉がなくなってしまった様子

あまりにも悲惨な姿なので、さすがにこの時はもうダメかと思い、抜いてしまうことも考えました。しかし、これもまた良い観察の機会だと思い、放置することに。するとそのひと月 後には下の写真のように見事復活して来たのです! 小ぶりではありますが、この復活力には驚くものがありました。

再生し実がつき始めたピーマン

野菜づくりでは害虫の思わぬ被害に悩まされることもありますが、このピーマンの復活劇のように、想像以上に良い結果が出て嬉しくなることもあります。
このような自然が生み出すドラマこそが畑づくりの醍醐味でもありますので、あまり害虫に振り回されることなく、常に観察して、少しずつ学びながら害虫と共存できる畑に育てて行きましょう。

 

過去の記事はコチラ!【畑は小さな大自然】シリーズ

そーやんがアドバイスする【枯れ専かーちゃんのベランダ菜園】シリーズ一覧はコチラ!

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