野菜の病気、実は2種類!タイプ別の対処と予防のツボ【畑は小さな大自然vol.16】 – マイナビ農業

マイナビ農業TOP > ニュース > 野菜の病気、実は2種類!タイプ別の対処と予防のツボ【畑は小さな大自然vol.16】

ニュース

野菜の病気、実は2種類!タイプ別の対処と予防のツボ【畑は小さな大自然vol.16】

連載企画:畑は小さな大自然

野菜の病気、実は2種類!タイプ別の対処と予防のツボ【畑は小さな大自然vol.16】

最終更新日:2018年10月31日

こんにちは、暮らしの畑屋そーやんです。野菜作りをされている方からよくある相談の1つが、野菜の病気について。野菜の病気は症状ごとに名前がつけられていて、覚えきれないくらいたくさんの病名があります。見ても診断が難しいので、初心者にはとても分かりづらいものです。しかし、病気の原因は大きく分けるとたった2種類しかありません。今回は、この2種類の原因に対する予防法と対策のツボをご紹介します。

  • twitter
  • facebook
  • LINE

そもそも病気はなんのために起こるの?

野菜づくりで何か問題がおきた時に、僕はまず「その問題は自然の中でどんな役割・意味があるのか」を考えます。自然にある全てのものには意味があり、どんなものも「生態系を豊かにする」という共通の目的に向かって何かしらの役割を果たしています。そこから考えることで、その問題の本質を捉えることができ、根本的な解決に近づくことができるからです。

それは病気のように厄介そうなものであっても同じです。僕は自然界の中で病気は「浄化・排泄」の役割を持っていると考えています。つまり栄養素だったり、水分だったり、微生物だったり、何かしら滞りがあるとそれを壊し、分散して流れをまた生み出すことが、病気がこの世に存在する意味です。なので、畑の中に滞りを生まない、新陳代謝を良くする、循環を作り出すことを意識しながら、どう対応したら根本的な解決に向かうのかを考えていきます。

野菜の病気の原因は大きく分けて2種類

次に野菜の病気にどんなものがあるか学んでいきましょう。とは言っても野菜の病名はものすごくたくさんあって、覚えきれるものではありません。しかし、その原因自体は「ウイルス・細菌によるもの」と「カビによるもの」のたった2種類しかありません。とりあえずその2種類を知っておけば、自ずと対処・予防の仕方が見えてきます。

ウイルス・細菌が原因で起こる病気

黄化病のトマトの葉

ウイルス・細菌が感染することでなる病気には黄化(おうか)病、萎縮(いしゅく)病、えそモザイク病、青枯(あおがれ)病、軟腐(なんぷ)病など様々なものがあります。細菌もウイルスも自分の力だけで野菜の中に侵入することはできないので、カメムシやアブラムシなどの樹液を吸う虫が媒介となって感染します。また傷口があると雨や風によって運ばれてきたものが入ることもあります。

カビが原因で起こる病気

うどん粉病にかかったキュウリ

うどん粉病、灰色カビ病、べと病など、カビが原因によって起こるものです。ウイルスや細菌と違い、カビの菌自体は土の中にも元からいるもので、必要な微生物です。しかしその割合が増えすぎてしまうことで、病気の原因となりやすくなります。

どうやって病気を防ぐ?

青枯病のジャガイモ。細菌が原因で発生する

野菜の病気を完全に防ぐことは、それこそ無菌室のような場所で育てない限り難しいでしょう。しかし、①病原体が付かないようにする、②野菜の抵抗力を高める、③病原体が増えないような環境にするという3つのアプローチを合わせて行うことで、その発症リスクを低くしていくことは可能です。

①病原体が付かないようにする

ウイルス対策
ウイルスや細菌は虫が媒介するケースが多いので、そこをケアすることで病気になるリスクを低くすることができます。特にアブラムシやカメムシ、コナジラミなどの樹液を吸う虫が増えてきた際には注意が必要です。防虫ネットを使用したり、捕殺するなどしてその数が増えすぎないようにします。詳しくは以下の記事をご覧ください。

【参考記事】害虫にも存在意義がある?目からウロコの虫対策【畑は小さな大自然Vol.14】

カビ対策
カビに関しては元から畑にいるものなので、来ないようにすることは不可能ですが、アンモニア臭かったりカビ臭かったりする未熟な堆肥などを畑に持ち込むことでカビの菌が一時的にかなり増えることがあります。できるだけ未熟な堆肥は使用しないか、使用した後はすぐに植え付けや種まきを行わず、3〜4週間ほど置いて落ち着くのを待ちましょう。

また土の中にいるカビが、雨や水やりの際の泥はねで野菜に付着することがあります。できるだけビニールや落ち葉などでマルチングを行いましょう。

落ち葉やビニールなどでマルチングすると、泥はねを防ぎ病気予防になる

②野菜の抵抗力を高める

病気への抵抗性を持った種や苗を選ぶ
まず種や苗を選ぶ際に病気の抵抗性を持った品種を選定するという選択肢もあります。病気にかかりにくいように品種改良や接木で作られたものもありますので、種の袋に書いてある「〇〇抵抗性」という表記を確認したり、種苗屋さんに聞いたりしてみましょう。また苗を買う際は茎が太くて短い丈夫な苗を選びましょう。ひょろ長い苗は貧弱で病気にもかかりやすいものが多いです。

苗を傷つけない
また丈夫な苗であっても傷口があるとそこから侵入を許してしまう場合があります。苗の植え付け時や剪定などを行う際には必要以上に傷がつかないようにしましょう。特に雨の時は傷口がなかなか乾燥せずに開いたままになりやすいので、雨の時は極力剪定などの作業を行わないようにします。水やりの際も葉にかけると葉が傷み、そこから侵入する場合もあるので、極力かけないことをお勧めします。

③病原体が増えないような環境にする

日当たり・風通し・水はけを良くする
特にカビの菌は畑に元からいるものなので、それが増えすぎないような環境にしていくことが大切です。そのためにはシンプルに畑の日当たりと風通し、水はけを良くすることです。ここができていないとカビの菌はどれだけ殺菌しようとしてもまた増えていきます。
ベランダなど日当たりや風通しの確保が限られている環境では、できるだけプランターを高めに置いたり、間引き・剪定を早めに行うなどして風通しを良くしていきましょう。畑の場合は畝を高めにすることで風通しを確保します。

土の中の菌環境を整える
また人間でいう腸内菌環境と同じく、土の中の菌環境を整えることも大切です。カビに抵抗する微生物とのバランスが取れていれば、一気にカビの菌が増殖するリスクは低くなります。できるだけ土の中の菌バランスを崩さないために、化学肥料や農薬・除草剤などの使用は最低限にしましょう。牛糞堆肥などの有機堆肥を使う際も、雑菌を増やさないために完熟堆肥を用いましょう。オススメは雑草や落ち葉を原料にした雑草・落ち葉堆肥をベースに土づくりを行うことで、菌バランスは整いやすくなります。

さらに畑に使う竹や木の支柱・立て札なども土に挿している部分は、カビがとても増えやすい場所です。できるだけ野菜の近くにはささないでおくか、表面を焼いたりなどして野菜にカビの菌が移らないようにしましょう。

もし病気になってしまったら?

病気になった葉や株があれば、取り除いて感染が広がないようにします。ウイルス性・細菌性の場合は治療は不可能ですが、カビが原因によるものであれば、早めに対処すれば治る場合もあります。手軽で簡単なのは重曹を300〜500倍に薄めて散布する方法です。必ず完治するわけではないですが、早期であれば回復することもあります。

ただ最初はそれがどんな病気なのか、そもそも病気なのかどうかさえ、なかなか判別することは難しいでしょう。最初に焦っていろいろいじってしまうよりも、その病気と思われる部分の写真を撮っておき、経過を観察するのも一つの方法です。また、詳しい人に聞いたり、ネットで調べてみたりするなど、学習の機会にすることをオススメします。生き物に病気はつきものですので、焦らず少しずつ覚えていきましょう。

 

過去の記事はコチラ!【畑は小さな大自然】シリーズ

そーやんがアドバイスする【枯れ専かーちゃんのベランダ菜園】シリーズ一覧はコチラ!

関連キーワード

シェアする

  • twitter
  • facebook
  • LINE

あなたにおススメ

タイアップ企画

関連記事

カテゴリー一覧