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【開催報告】NEXT AGRI PROJECT 2018 秋~2018年9月20日~

【開催報告】NEXT AGRI PROJECT 2018 秋~2018年9月20日~

最終更新日:2018年10月27日

高齢化や担い手不足、ノウハウの分散など、農業界は難しい課題を抱える一方で、軽労化や収益向上にむけた新しい取り組みが実を結ぶなど、転換期を迎えている。「生産者」「農業支援を行う企業・団体」「消費者」から農業の活性化に強い関心を持つ人々が集い、未来を見据えた意見交換や交流を行った。

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【開催日・会場】
2018.9.20 (木) ・ 品川グランドホール
【主催・事務局】
株式会社マイナビ 農業活性事業部
【後援】
公益社団法人日本農業法人協会
全国農福連携推進協議会
【協力】
日本経済新聞社クロスメディア営業局
JA全中

主催者挨拶

NextAgriConference2018秋

株式会社マイナビ
執行役員 農業活性事業部 事業部長
池本博則 氏

◆つなぎ役として、農業の未来をより良く変える

当社は2017年8月に「マイナビ農業」を開設しました。「いちばん大きな寄合所になりたい。」のスローガンを掲げ、農業の総合情報サイトとして、最新事例やニュースなどの情報発信を行うことで、農業の関係人口を増加させることを目指しています。

開設1年で、月間130万PV、ユニークユーザー数50万人のWEBメディアに成長し、JAをはじめとした農業関連団体や自治体からも期待をいただいています。今、宮崎県の農業振興をサポートする事業に取り組んでおり、行政、JA、農業法人などが連携して新規就農者の支援セミナーを開催できたのは、我々にとってひとつの成果です。

それ以外にも、就農・求人イベントや、食と農に関するセミナーやワークショップの開催、クラウドファンディングやECストアの開設など、つながりをつくる場として、さまざまなサービスをこの1年で立ち上げました。

農業の未来を考え、これからも変わらず、生産者、農業法人、農業を支援する企業や団体の情報を集めてPRし、そこに価値を生み、農業界を盛り上げる一役を担いたいと思います。

一方、人材ビジネスを基幹事業とするマイナビとして、農業に関する人の問題を解決したいという思いが強くあります。農業の関係人口を増やす寄合所としての機能の充実を図りながら、新しいサービスの開発にも着手しました。日本の農業界を、より良く変えていくことに本気で挑戦してまいります。

特別講演(1)

NextAgriConference2018秋

EARTH JOURNAL ソーラーシェアリング特別号
広報・宣伝部長
小山田大和 氏

一般社団法人エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議 事務局長・理事
合同会社小田原かなごてファーム 代表

◆ソーラーシェアリングで農業の課題解決を

ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)を神奈川県小田原市で実践しています。きっかけは東日本大震災と原発事故でした。当時、私は郵便局員でしたが、当たり前の暮らしのために、食べ物やエネルギーはどうあるべきかを思案し、『資源の地産地消を追求し、農業の再生を図ることが、しなやかで魅力的な地域をつくることになる』と一念発起して農業とエネルギーの問題に取り組んでいます。2013年には、「一般社団法人エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議」の創設に参画し、事務局長を務めています。

固定価格買取制度によって自然エネルギーは格段に普及が進みましたが、日本の潮流にはなりえないと言われてきました。しかし、2020年以降の地球温暖化対策に関する「パリ協定」の発効で、世界の潮流となった今、日本も自然エネルギーと向き合わなければなりません。グローバルな問題を解決するためには、ローカルな作り込みを行うことが重要だと感じています。

農業の課題は担い手がいないことです。就農希望者はいても、十分な収入が得られないため、ほかに流れてしまうのが実情です。日本の耕作放棄地は40万haにおよび、富山県とほぼ同じ面積です。小田原市にも東京ドーム35個分に相当する161haの耕作放棄地が存在します。

私は耕作放棄地で、米や野菜、みかんを栽培しています。遊休地にちなんで「おひるねみかん」というブランドを立ち上げ、6次産業化を図って加工品を作るなど、収益力を高める取り組みを実践していますが、それだけでは持続的な発展は難しいと感じています。

そこで、農業生産者の収入を上げる秘策がソーラーシェアリングなのです。農地に高設のソーラーパネルを設置し、その下で農業を行うことで、農業収入と売電収入が得られる仕組みです。作物に必要な日照を計算してパネルを設置するので、栽培に影響はありません。

1号機は400万円の投資で、約100坪の小さなサツマイモ畑の上に設置し、年間約60万円の売電収入を上げています。今年の春には2号機として、360坪の水田に県内最大級の208枚(パネル容量58.24kw)のソーラーパネルを設置しました。米は難しいだろうと言われてきましたが、収穫期の今、稲穂が黄金色に実っており、神奈川県の地区環境賞もいただきました。

ソーラーシェアリングで耕作放棄地を再生できれば、大切な農地を守ることが可能です。現状は全国で1500件程度と、まだまだこれからです。ソーラーシェアリングには、地域や日本を、農業とエネルギーの両面から大きく変える可能性があります。ぜひ、一緒に取り組んでいただければありがたく思います。

特別講演(2)

NextAgriConference2018秋

全国農協青年組織協議会(JA全青協)
会長 水野喜徳 氏

◆農業の関係人口と地域を結び、未来を拓く

地域の農業振興を図る若手農業者の集まりであるJA青年部の全国組織が、JA全青協(全国農協青年組織協議会)です。約6万人の会員が、地域での食農教育や、現場の声をまとめた「ポリシーブック」で提言を発信するといったさまざまな活動を行うとともに、地域を担うリーダーや将来のJA経営者としてのスキルを磨いています。

農村の人口は減り続け、高齢化が進んでいます。労働力不足と耕作放棄地の問題は深刻化し、待ったなしの状況です。一人が担う耕作面積は、今後さらに増加します。農機の進化やICTの導入により軽労化は図られていくものの、最終的にマンパワーが必要な部分が農業にはあり、それをどうやり繰りするのかが課題となります。

こうした状況の中で、農業を次世代につなぐ鍵になると考えているのが「農業の関係人口」を増やすことです。関係人口とは、地域や地域の人々と多様にかかわる人々のことを指し、その中で農業に関心を持つ層が農業の関係人口です。そこには、就農を考えている人だけでなく、農泊やアルバイトなど、さまざまな形で農業にかかわろうとする人たちも含まれています。

観光では、地元以外の人のほうが地域の魅力を素直に評価できるように、農業でも我々農業者が見落としている魅力に気づかせてくれ、それによって地域農業に活力が戻るのではないでしょうか。特に今の若者は、固定観念にとらわれないPRや販売方法を考え、SNSを上手に活用してこれまでは無かった企業や団体とのつながりを作るなど、農業の可能性を広げてくれる存在になるのではないかと期待しています。

受け皿となる地域も待っているだけではいけません。農業の関係人口と生産者が交流することで新たなエネルギーが生れます。農業の関係人口と地域の人たちをつなぐパイプ役を用意すべきです。その役を担えるのは、我々JA青年組織にほかなりません。我々が地域で行っているさまざまな活動への参加を促すことができれば、地域の間口はさらに広がります。さらに、漁協、商工会、役場などの組織が連携できれば地域はさらに盛り上がるでしょう。

担い手不足、耕作放棄地の増加、自然災害など、山積する農業の課題にアクションを起こしていきたい――。次世代に農業をつなぐために、JA青年組織は、地域に根差した農業、攻める農業への転換に励みます。

パネルディスカッション

NextAgriConference2018秋

(コーディネーター)
西辻一真 氏
株式会社マイファーム
代表取締役CEO

(パネリスト)
寺田裕史 氏
株式会社NKB
取締役 NKBマルシェ事務局 統括

藤本真狩 氏
一般社団法人イノプレックス
代表理事

櫻井義人 氏
NTTテクノクロス株式会社
IoTイノベーション事業部 副事業部長

梅村周平 氏
楽天株式会社
インベストメント&インキュベーションカンパニー
農業事業部

◆農業の活性化にむけ、新たな視点を共有

多面的な事業展開で耕作放棄地の再生などの課題に取り組む西辻氏の司会で、農業界で新しい取り組みを実践する4名が、これからの農業を見据えてディスカッションを行いました。

「2018年は農業界にとってチャンスの年だ」と西辻氏。「2020年に向けてさまざまな法改正があり、国が政策としてスマートアグリを推進したり、農業への新規参入を後押しする都市農地の貸借の円滑化に関する法律の成立など、大きな動きがありました」と述べ、2020年以降の農業はどうあるべきか、つながる農業をテーマにパネリストの意見を伺いました。

東京・恵比寿などの定期会場で都市型マルシェを運営する寺田氏は、「出店者の成功には地域の生活者を顧客化することが第一。エリアマーケティングをして客層を分析することが重要だ」と述べました。「マルシェでは、スーパーマーケットでは売れないような高価格帯の商品が売れています。マルシェは食材の魅力やおいしい食べ方を生産者が直接伝えることができる貴重な機会です。商品をストーリー化して伝えること、そして定期的な出店で地域のお客とコミュニケーションを深めることが顧客化につながります」と強調しました。

先端の農業ビジネスを扱うWEBメディアを核に植物工場や施設園芸などのコンサルティングを行う藤本氏は、「州法で誰でも自由に空き施設を活用して農業ができるようになりました。マンハッタンのど真ん中でホップやブドウが栽培されています。来年にはニューヨーク産のビールとワインが生産されます」と世界の潮流として、アメリカのアーバン・ファーミングの事例を紹介しました。さらに、シンガポールやマレーシアで行われている植物工場や水耕栽培によるハラル認証取得の事例を紹介し、都市型農業の可能性に言及しました。

IT企業の櫻井氏は、IoTの先端技術で牛の行動分析などを行い、酪農畜産業界から注目を集めています。その視点から、酪農大国デンマークとの比較で、「日本はビッグデータを分析するだけでなく、データをオープンにする仕掛けが必要だ」と提言しました。AIとIoTの積極活用を掲げて農業分野に参入したが、苦労した点は「現場を知らないこと」だと話します。時間はかかるが、牧場などの現場に通いつめるメンバーもいて、生産者や関係者から広く話を聞きながら事業を進めているそうだ。

生産者と生活者をつなぐWEBサービス「Rakuten Ragri」を立ち上げた梅本氏。農業の安定収入を実現するために、スマートフォンで生産者とつながり、契約栽培という形で支援する仕組みをスタートさせました。「いずれは9000万人の楽天会員の購買データを活用して営農計画とリンクさせたい」と抱負を語ります。「若手オーガニック農家をインターットで買い支える仕組みですが、食材を買うだけの付き合いではなく、実際に契約農家に会いに行き、田植えや稲刈り、収穫なども一緒にできる濃い関係ができる可能性があります」と、サービスの新たな切り口を発見しています。

NextAgriConference2018秋

◆農業こそが次世代社会の基盤となる

「農業とは何か」という西辻氏の問いかけに、パネリストが答えました。

寺田氏は「農業のエッセンスを社会の課題解決に使うことができる」と説きました。「医療や教育と連携するのも一案です。マルシェを通して横のつながりを生み、例えば料理人や研究者とも接点を持ち、知見を融合させて社会問題に取り組みたい」と述べました。

「農業は我々の生活基盤で、さまざまな分野と融合するハブになる」と藤本氏。「医療、教育などと掛け合わせることで新たな価値やビジネスを生み、都会でも農業に触れられるライフスタイルを作りたい」と話しました。

食を支える農業を「重要」としたうえで、櫻井氏は「仕事を少しでも楽にする環境づくりに一役買いたい」と話しました。また「各種データや農業技術の映像の保存も重要だ」との意見を述べました。

「農業は原点だ」と梅村氏。「人が生きるためには食べ物が必要。農業に触れる機会が失われている今、食べる人と作る人がともに考え、農業を良くしたい。ここに集まったみなさんと一緒に農業を盛り上げたい」と呼びかけました。

司会の西辻氏は、「今年、自然災害が多くあったことからも、地球が変動していることが分かります。これまで経済資本の増加のために活動していたが、自然資本を生かすことが大事だといろいろな人が気づきはじめています。水、土、再生可能エネルギーを使って農産物を作りだす農業は自然資本の代表です。ピンチをチャンスに変えて農業界を活性化させ、世界に効果を波及させれば地球を救うこともできるかもしれない」と、パネルディスカッションを締めくくりました。

商談ブース

◇愛知製鋼株式会社
~植物への鉄供給材である「鉄力あぐり」「鉄力あくあ」の製造販売~

「さまざまな方が来場されていることに驚きました。生産者や研究者など農業界の方から忌憚のない意見をいただき非常に刺激になりました。主催者挨拶にあったように、農業を盛り上げていくには、寄り合い所が必要です。みんなが集まる情報の場としてマイナビ農業に期待しています」

NextAgriConference2018秋

◇アンリツインフィビス株式会社
~農産物の形状不良や加工食品中の異物を見つけるX線検査機器~

「加工食品の検査で活用されているX線で農産物の検査(ジャガイモの空洞やトウモロコシの粒抜けなど)が行えることをご紹介。興味を持ってくださる方がおられたのでフォローしていきます。農業界でも品質保持に役立つ機械だと認めてもらえる日が来ることを楽しみにしています」

NextAgriConference2018秋

◇株式会社アクセスインターナショナル
~11月に農業を持続可能にしていくと期待されるソーラーシェアリング特別号を発売~

「ソーラーシェアリングに興味や関心を持って多くの方がブースに来てくれました。それと同時に、まだまだ知られていないことも実感しました。日本の農業には、伸びしろがあるので、そこに取り組む人材の発掘にメディアが果たす役割は大きいと思います」

NextAgriConference2018秋

◇株式会社ジャスパー
~農業の難しさや不安定な部分を実感し、出した答えがソーラーシェアリング~

「今回はソーラーシェアリングに関する特別講演があり、パンフレットが足りなくなるほどの大盛況でした。私たちのような新規参入者には、栽培した作物の売り先がないので、流通・加工品の企業様と出会いがあったことに期待が持てました」

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◇シャープライフサイエンス株式会社
~スピーディーな計測と施肥提案で良い土づくりを支援する土壌分析機を開発~

「現場で簡単に土壌分析が行えるという製品コンセプトに興味を持った生産者がブースに来てくださいました。本機は、若手生産者や法人を含む新規就農者向けの製品という位置づけですが、自社だけでは情報発信力が弱いので、メディアの力で多くの方に知っていただきたいと考えています」

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◇日本ユニシス株式会社
~「つながるファーマーズ」「アグリデータ流通プラットフォーム」で新たなサービス機会を創造~

「比較的、企業へのアプローチが多いので、生産法人や農業界の専門家の方々にたくさん来ていただき、私たちがあまりコンタクトできていない方々と話ができたのでありがたかったです。ちょうどアポを取ろうと思っていた企業の方も来てくださいました」

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◇株式会社ファーマーズ・ガイド
~農業者と生活者をつなぐプラットフォーム『チョクバイ!』を運営~

「お話できた生産者が想定よりも少なかったので心残りはありますが、たくさんの方にチラシを持ち帰っていただけたのは嬉しいです。新しい動きがあったり、いろいろな方に興味を持っていただいたりと、業界は変わりつつあると感じました」

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◇スマートファームプロジェクト MOVIMAS×八幡平市×グリーンリバーホールディングス
~放棄されたビニールハウスを再生して新規就農者を育成する「スマートファームプロジェクト」を推進~

「カメラ、制御装置、縦型水耕栽培の共同出展でインパクトのある情報発信ができました。導入を検討している方は想像以上に多く、ご相談に対して提案もさせていただきました。生の声を聞く貴重な機会が得られたので、今後の事業推進に役立てたいと思います」

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◇楽天株式会社
~インターネットで全国のオーガニック農家と生活者を直接つなぐプラットフォームを運営~

「生産者や、自治体、企業など、農業にかかわるいろいろなジャンルの方がいらっしゃって、お話をさせていただいて気づきが得られました。良い出会いがたくさんあったので、ネットワークを広げておもしろいビジネスができればと思います」

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会場風景

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