コンパニオンプランツの4つの効果
コンパニオンプランツとは、一緒に植えるとお互いに良い影響を及ぼし合う植物やその組み合わせのこと。日本語では、「共栄作物」や「共存作物」とも呼ばれます。
コンパニオンプランツを栽培することで得られる効果には、主に次のようなものがあります。
効果1 害虫予防
害虫は種類によって好みの植物があり、その多くはにおいで好き嫌いを見分けています。複数の種類の野菜を混ぜて植えることでにおいが混在し、害虫が目当ての野菜を探すのが難しくなります。他にも、害虫が嫌うにおいの野菜を植えることで、害虫を遠ざけることができます。
効果2 病気予防
ネギ科の植物には微生物が共生し、抗生物質を出すといわれていることから、病原菌を防いだり減らしたりする効果が期待されます。また、マリーゴールドの根には殺虫成分があり、線虫(せんちゅう)に対しての効果が期待できます。このほかに、さまざまな植物が共生することにより防げる病原菌もあります。
効果3 成長促進
メカニズムが解明されていないものもありますが、違う種類の野菜を一緒に育てることで、根や茎から分泌された物質が他の植物の生育に役立つことがあると考えられています。また、マリーゴールドやカモミールなどを植えると、ハチやアブが集まり受粉を助けてくれるため、トマトやスイカ、ズッキーニなど、実をつけるために受粉が必要な野菜の栽培に役立ちます。
効果4 養分の補給
肥料を多く必要とする植物とあまり必要としない植物を一緒に植えると、それぞれが必要なだけの養分を吸収することができます。また、マメ科の植物は窒素を土の中に固定させる働きがありますので、周りの植物が大きく成長する助けになります。
コンパニオンプランツとして人気の野菜
コンパニオンプランツに使われる植物はたくさんありますが、その中でもよく使われる人気の植物を紹介します。
ニンニク
多くの植物と相性が良いニンニクには、「アリシン」という抗菌作用のあるにおいの成分が含まれています。アブラムシやネキリムシなどの害虫を遠ざける効果があるとされ、特にアブラムシのつきやすいリンゴやモモなどのバラ科の植物の虫除けに役立つと言われています。また、キュウリやトマト、ナスと一緒に植えると、腐敗や枯れの原因になる「立枯(たちがれ)病」の病原菌を抑える効果が期待されます。
ネギ
ネギの根にもニンニク同様に植物の病原菌を抑えるとされる微生物がいるため、キュウリやトマト、ナスと一緒に植えることで立枯病の防止に役立ちます。また、キュウリの下葉がしおれて黄色くなり、茎が割れてカビが発生する「つる割病」の防止にも効果が期待されています。
サトイモ
サトイモは高温多湿の環境を好み、夏によく育ちます。その葉は大きく自然に日陰を作るため、日陰や冷涼な環境を好む植物の成長を助けてくれます。ショウガや人参、大根は相性の良い植物で、サトイモが日陰を提供してあげることで生育を助けます。
落花生
マメ科植物である落花生は、根についている根粒菌が窒素を土の中に固定させて土を肥やします。さらにトマトやピーマンなどと一緒に植えると、落花生の根に住む菌根菌が土中のリン酸などのミネラル分を吸収しやすくするため、互いの成長が促進されます。
どんな風に植えれば良いの?
コンパニオンプランツの植え方に細かいルールはなく、基本的には異なる野菜を近くに寄せて植えるだけ。大きくなる植物同士の場合は、成長後に葉が重ならないような距離にすることだけ気を付けて植えましょう。
ここでは、よく行われるコンパニオンプランツの植え方を紹介します。
交互に苗を植える
2種類の苗を交互に植えていくことで、相乗効果が発揮されやすくなります。最もオーソドックスなやり方で、レタスやキャベツなど、およそどんなコンパニオンプランツにも使われます。
同じ穴で育てる
ネギを使用する場合、根の微生物から出る抗生物質の効果を高めるため、他の野菜の苗と同じ穴に2~3本のネギを植え付け、お互いの根と根が絡むように育てます。
囲むように植える
守りたい植物を取り囲むようにコンパニオンプランツを植える方法で、バジルやマリーゴールドでよく使われます。サトイモなど、植物の作る日陰を利用したいときにも使われる植え方です。
コンパニオンプランツで家庭菜園に相乗効果を
コンパニオンプランツをうまく使えば、農薬を使わずに害虫を防いだり、植物の成長が期待できます。
難しい作業をする必要もなく、基本的に同じ環境に植えるだけです。この機会に相性の良い植物を選んで試してみてはいかがでしょうか。
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