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【福島県南相馬市】「農業復興チャレンジ塾」など再興への歩みも活発な、伝統神事・野馬追の里

【福島県南相馬市】「農業復興チャレンジ塾」など再興への歩みも活発な、伝統神事・野馬追の里

福島県相双エリア最大の面積と人口を有する南相馬市。北の仙台市と南のいわき市のほぼ中間地点に位置し、エリアの中心地としての機能を果たしています。国の重要無形民俗文化財「相馬野馬追」の中心開催地としても知られる市は、稲作をはじめ、多彩な作物の生産も活発。元気な若手就農者も多い南相馬市の農業に関する模様を紹介していきます。

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重要無形民俗文化財の伝統神事で知られる、相馬野馬追の里

東北地方最大の都市仙台市と福島県沿岸最大の都市いわき市のそれぞれ約75kmの距離にあり、両市のほぼ中間に位置するのが南相馬市です。人口約5万4000人と相双地域の最大自治体であり、エリアの中心的位置を占めており、復興庁の支所も開設されています。市は2006年に旧原町市と旧小高町、旧鹿島町の3市町が合併したことによって誕生。その経緯から、旧・市町の区域で「原町区」「小高区」「鹿島区」として3つの地域自治区が設置されています。

国の重要無形民俗文化財にも指定される伝統行事「相馬野馬追」の中心地としても知られており、雲雀ヶ原の相馬野馬追祭場地でメインイベントである甲冑競馬、神旗争奪戦が開催され、7月最終週の土日にかけては例年約20万人もの観光客が日本中から訪れます。

相馬野馬追の神旗争奪戦

また、原町区の北泉海岸は良い波が立つ国内屈指のサーフスポットとして知られており、世界プロサーフィン連盟公認の世界大会が開催されたことも。毎年シーズンには全国からサーフィン愛好家が集まって、波を楽しんでいます。

「農業復興チャレンジ塾」など学びの場も豊富。若手就農者も意欲に溢れ、復興を加速

南相馬市では、福島県浜通り地方の年間を通して暖かく、積雪が少ない気候を生かした農業が盛ん。水稲はもちろん、日照時間が長く、秋冬野菜の生産に適した条件でもあり、ねぎ、きゅうり、トマト、ブロッコリーなどは県内における主要産地になっています。

震災後、高齢化等により離農された方も多く、以前の水準にはまだまだ及びませんが、若手の新規就農者も増えており、農業の復興も進んできている状況。その中で、市も全面的に農業の若い担い手を支援すべく、2015年から「農業復興チャレンジ塾」を開催しました。

若手就農者同士がネットワークを築くと同時に、毎月外部から講師を呼びセミナーを開いて、6次産業化や販売戦略、他地域の成功事例等を学べる場を設けています。2016年には、塾生が自らの目標や学習したい内容を話し合うグループワークを実施。塾生たちが考案した生乳を使ったジェラートの試食やトマトを加工したトマトジュースの試験販売を開始するなど、若手たちによる新たな気運も高まっています。

おばあちゃんの守ってきた田んぼで、コメづくり。大好きなふるさとににぎわいを

2018年に新規就農し、地域の期待を集めているのが遠藤亜美さんです。遠藤さんはもともと一家で兼業農家を営んでいましたが、震災の影響で避難所を転々とした後、両親とともに相馬市に移り住むことになりました。しかし、祖母の真洲子さんは震災翌月には自宅に戻り、作付自粛や除染作業の期間も雑草刈りを行い、水田の手入れを行ってきたそうです。昨付を再開できる状況になった2016年には、亜美さんは農業を継ぐべく、福島県農業総合センター農業短期大学校の水田経営学科に進学。短大卒業を経て、満を持して仕事としての農業をスタートさせました。

亜美さん(右)と祖母の真洲子さん(左)

営農1年目は、1.5haの田でコシヒカリを作付。収穫の時期を迎えて大忙しですが、冬場は育苗用のハウスを活用した野菜づくりにも取り組む予定です。

「学校で農業を学んできましたが、実際に自分でコメづくりをやってみると、分からないことばかり。手探りですが、おばあちゃんや親戚の農家からもアドバイスをもらえるので、心強いです」と亜美さん。「農業復興チャレンジ塾」にも通い、多くのことを精力的に学んでいます。「将来は法人化により大規模経営や、米粉を使った6次化商品の開発にも取り組みたい」と意欲を語ってくれました。

「農林水産業の現場を元気にする」を再興プランの基本理念に、就農支援策も充実

市では、「農林水産業の現場を元気にする」を基本理念に据えて、南相馬市農林水産業再興プランを2016年に策定。「6次産業化型の農業」、「南相馬の地域ブランドを構築する農業」、「観光・交流型の農業」、「高品質・高付加価値化型の漁業」などの将来像を掲げ、地域資源を活用した6次産業化や地産地消を推進しています。

また、移住定住の促進にも注力。市内で民間賃貸住宅に入居又は住居の新築・購入をした若年夫婦世帯・子育て世帯に奨励金を交付する制度や、出生から18歳になる年度までの子どもを対象に、保険診療分に係る自己負担額及び入院時食事代を助成する制度も整備。安心して、生活、子育てができる環境づくりにも取り組んでいます。

市の農政課振興係の佐藤さんは「被災地ならではのできることもたくさんありますし、いろいろな支援制度もありますので、お気軽にご相談ください」と話してくれました。

農政課振興担当の佐藤さん

医療機関や買い物施設・学校なども揃っており、大都会ではなくとも、都市の利便性も十分に享受できる南相馬市。都心部での生活の長い方などが、移り住んで農業を始めるには絶好の地かもしれません。

※なお、南相馬市は、12月24日(月・祝日)仙台で開催される『マイナビ就農FEST』に参加します。
ぜひお気軽にお立ち寄りください。
詳細はこちら

相双地域のポータルサイトができました!詳細はこちら!
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【問い合わせ先】南相馬市 経済部農政課振興係
     主査 佐藤 俊文
〒975-8686 福島県南相馬市原町区本町2丁目27番地
TEL:0244-24-5261

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