春野菜の出来が変わる! 冬の畑の片付け方と準備【畑は小さな大自然vol.19】

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春野菜の出来が変わる! 冬の畑の片付け方と準備【畑は小さな大自然vol.19】

連載企画:畑は小さな大自然

春野菜の出来が変わる! 冬の畑の片付け方と準備【畑は小さな大自然vol.19】

最終更新日:2018年12月14日

こんにちは、暮らしの畑屋そーやんです。秋冬野菜が少しずつ収穫の時期となる一方、さまざまな野菜が収穫を終える時期でもあります。皆さんはこの「野菜の片付け」をどうしていますか? 実はただ野菜を片付けられればそれで良いというわけではなく、この片付けの仕方で次に植え付ける野菜の出来が変わるのです。特に冬の間の準備は、来年の春夏野菜の出来に大きく関わってきます。ぜひこの冬の間に片付けと準備の仕方をマスターして、来年に向けて良いスタートが切れるようにしていきましょう。

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畑も冬の養生が大切

寒さによる乾燥と凍結は、土への大きなダメージとなります

さまざまな生き物たちが冬の間に冬眠するように、畑にとって冬は次の春に向けて活動を緩やかにしてエネルギーを蓄える季節となります。人の健康のためにも冬は身体を冷やさないなど、養生が大切だと言ったりしますよね。これは畑にとっても同じで、冬の間の状態がとても大切になります。
冬は土の乾燥・凍結が起こりやすいため、何も野菜がないからと言って畑をそのままにしていると土がダメージを受けることもあります。ですので本格的な冬に突入する前の今のうちに、片付けと同時に畑の準備をしておくのです。また、普通は春の種まきの直前に土づくりを始めがちですが、これも冬に入る前から始めることが大事。早めに準備を整えておくことで、春に大きな違いが出てきます。

冬は分解発酵はゆっくりですが、雑菌なども繁殖しにくいので、時間をかけて発酵を促すことで土壌微生物の生態系が安定し、土壌病害などに強い土になっていきます。例えば日本酒などは冬の間に作った方が、発酵がゆっくりと進み、そのぶん繊細で美味しい日本酒ができると言いますよね。このようなイメージで冬の間に畑をじっくり発酵させていくのです。

片付けの仕方

ナスの太い枝も細かく切って敷いておくことで分解されていきます

まず、それまで植えられていた野菜を片付けます。根が小さい場合は根だけ残しておいた方が良いですが、大きい場合は後で邪魔になるので、根ごと引き抜きます。野菜が大きい場合は20cm程度に細かく切ってから畝の上にのせておきます。
ナスやピーマン・オクラの茎の部分などは木質化していたりすると分解に時間がかかるので、特に細かくしておいた方が分解が早くなります。通路など人が踏む場所に敷いておくと特に早いです。こうして刈り取った野菜や雑草も畝の上に敷いておくことで、それが微生物のエサとなり、土を乾燥や凍結から守ることに繋がります。

刈った野菜残渣や雑草を土に埋めても良いの?

たまに片付けた後の野菜残渣(ざんさ)や雑草を土に埋めて処分する方がいますが、この場合は注意点があります。野菜残渣や雑草などを土に埋めると、それを分解するために土の中のカビの菌が増えていきます。そのため、野菜の近いところに埋めるとカビが野菜に移って、病気の原因となる場合があります。特に生の植物を大量に埋めると、水分量が多すぎて土の中の空気がなくなります。空気がなくなると嫌気性菌と呼ばれる空気がないところでも生きられる菌、つまり発酵ではなく腐敗させる菌が増える可能性もありますので注意が必要です。これらを土の中に埋める場合は、野菜を植える場所から離れたところで行い、量が多い場合はきちんとかき混ぜて、中に空気を入れるようにしましょう。

どうせ土に埋めるのでしたら、雑草堆肥にしてしまうことをお勧めします。雑草だけでなく、野菜残渣も同じように使えますので、ぜひやってみてください。

【参考】初心者でも簡単!雑草堆肥で土づくり【畑は小さな大自然vol.8】

土の養生の仕方

落ち葉を敷き詰めることで、土を乾燥・凍結から守ります

まずは土にとって大きなダメージとなる乾燥・凍結を防ぎましょう。土が裸にならないように、落ち葉や雑草・稲わらなどを被せます。これらを5cmほど厚めに敷いておくことで、土の温度や湿度が安定し、微生物が活動しやすくなります。またこれらが微生物のエサとなり、栄養源にもなります。

土を裸にしているよりは、雑草が生えている方が、土のダメージは少なくなりますので、雑草を生えたままにしておくのも一つの手です。

敷いた落ち葉や雑草の上に米ぬかや油粕などを全体に振りかけるのもオススメです。1平方メートル当たり2〜3掴み程度の量を目安にします。こうしておくことで、土の分解発酵を促すほか、雑草や落ち葉だけでは不足しがちな栄養素を補うことができます。

まとめて分解できる量には限度があるので、米ぬかは月1程度の頻度で少量ずつ何回かに分けてまきます


完熟堆肥があれば片付けた時点で早めに少し混ぜておくとさらに良いです。種まきや植え付けの1ヶ月ほど前でも良いのですが、先に半分ほど入れておくことで土に馴染みやすく、土壌生態系も落ち着きます。
センチュウなどの被害が見られるような場所では、マリーゴールドなどのセンチュウ忌避効果のある植物を土に一緒にすき込んでおきます。生のものでも枯れたものでもどちらでも良いですが、生の植物をすき込む場合はそれを分解するためにカビの菌が一時的に増えていきますので、種まきや植え付けの2ヶ月前までに済ませておきます。

冬の間は野菜や雑草の成長も遅く、虫の活動も鈍り、とても静かになります。しかし、見えない土の中でゆっくり微生物たちは活動しています。そのイメージを持ちながら畑の片付けと準備をしていきましょう。
 

◆次回予告
次回はそーやんが野菜を売らない農家としての挑戦の様子を、苦労した話や失敗した話なども含めてご紹介していこうと思います。お楽しみに!
 

過去の記事はコチラ!【畑は小さな大自然】シリーズ

そーやんがアドバイスする【枯れ専かーちゃんのベランダ菜園】シリーズ一覧はコチラ!

 
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