アブなすぎる害獣図鑑!農家の敵とその撃退方法 ~モグラ編~

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アブなすぎる害獣図鑑!農家の敵とその撃退方法 ~モグラ編~

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アブなすぎる害獣図鑑!農家の敵とその撃退方法 ~モグラ編~

最終更新日:2018年12月11日

人里に現れる野生動物の農作物への被害の大きさは、目に余るものがあります。2017年度の農林水産省の調べでは、野生鳥獣による農作物への被害総額はなんと約164億円。実はこれでも数年前からは減少傾向にあります。これまで、クマやタヌキ、ネズミといった大小さまざまな動物、カラスやスズメなどの野鳥といった害獣を取り上げてきましたが、実は地上や空からだけではなく、地中から農作物に被害を与える厄介な存在もいるようです。
「アブなすぎる害獣図鑑」今回は、畑などの農地を荒らすモグラの生態と農作物への被害、その撃退方法に迫ります。

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土の中で暮らすモグラの生態とは?

モグラは土の中で生活しているため、普段はあまり見かけません。そのため、一般の人がモグラの生態について知る機会も少ないでしょう。日本にはコウベモグラやアズマモグラという代表的な固有種をはじめとする数種類のモグラが生息し、主に、やや大きめのコウベモグラは西日本に、アズマモグラは東日本に分布しています。

モグラの体長は12~18センチくらいで、体は濃い褐色か黒褐色、手足と鼻はピンク色をしているものが多いです。土の中で生活するため前足が大きく発達し、土をかき分けやすいようにシャベル状の鋭い爪が生えています。地中深さ30センチから1メートルのあたりにトンネルや穴を掘って、その中で生活しているため、視力はほとんどありません。鼻の「アイマー器官」という振動をキャッチする感覚器官や嗅覚を使って、地中のミミズやコガネムシの幼虫、カエルなどの餌を探し出します。

厄介すぎる「穴」にご用心!

モグラの掘った穴

モグラは完全な肉食であるため、農作物が直接食べられる被害はありません。しかし、餌をとるために農地にトンネルや穴を掘られると、野菜の根が切られてしおれたり、苗が倒されたりするなどの農作物への被害が生じます。

また、モグラの掘ったトンネルや穴からネズミが入り込むなどの間接的な被害もあり、水田では掘られた穴による水の流出やあぜの崩壊などの恐れもあります。良質な農作物を育てるために、畑や田んぼの土づくりを大切にしている農家にとっては、厄介な存在と言えます。

標的は土の中、その被害対策とは

モグラに荒らされた地面の様子

モグラは土の中で活動するため、被害対策の効果が確認しづらく、また効果的な対策もあまりありません。例えば、振動、音などの威嚇による撃退機器は、強度や音量を上げても、やがてモグラが慣れてしまいます。また、フラッシュなどの光による威嚇も、モグラが明かりを感知しづらいため効果がありません。

モグラ対策としては、被害が発生する前の予防が重要です。新たに苗の植え付けをする場合には、まず作業を開始する前にモグラをすべて捕獲しましょう。モグラを捕獲するときは、農地に掘られたトンネルや穴の多いところを探して穴を埋め、地面を平らに整えてから、板(一辺が50センチ以上で厚さ1センチほど。古いコンクリートパネルなど)を地面に密着させて数メートル間隔に10枚ほど置き様子を見ます。翌日、板の下にトンネルが復活していた場合は、再度平らに整えて板を置き直します。3日連続でトンネルが復活していたら、そのトンネルに筒型の捕獲器をセットすると、かなりの確率で捕獲することができます。板はトンネルができたことをわかりやすくしてくれるため、そのまま置き続けると効果的です。

捕獲が済んだら耕運、うね立てを行い、素早くしっかりとした根を張らせます。また、モグラの餌となるミミズが集まりにくい、スーパーセル苗を使用するのも良いでしょう。
 

キャラクターとして見るモグラはかわいらしいものですが、本物のモグラは農家からはかなり困った存在ということがわかりました。植え付け前の予防などをしっかりして、農地をトンネルや穴で荒らされないように心がけましょう。

引き続き、農家にとっての憎らしい天敵、アブなすぎる害獣に注目していきます。
 

参考
農作物鳥獣害対策指導指針 第6章 本県で問題となっている鳥獣害(PDF):奈良県

上記の情報は2018年11月11日現在のものです。

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