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【2022年版モグラ対策】音や光を使った対策は効果なし!? モグラの弱点を突いた撃退方法とは

連載企画:アブなすぎる害獣図鑑

【2022年版モグラ対策】音や光を使った対策は効果なし!? モグラの弱点を突いた撃退方法とは

モグラは、畑や庭などにトンネルや穴を掘ってしまう厄介者。植物の根や芽が荒らされ、うまく育ちにくくなってしまうだけでなく、モグラの掘ったトンネルや穴からネズミが入り込むなどの2次被害も深刻です。「アブなすぎる害獣図鑑」今回は、そんなモグラの生態と農作物への被害、その撃退・駆除方法に迫ります。

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土の中で暮らすモグラの生態とは

モグラは土の中で生活しているため、普段はあまり見かけません。そのため、一般の人がモグラの生態について知る機会も少ないでしょう。

モグラの外見的特徴としては体は濃い褐色か黒褐色の細かい毛で覆われ、手足と鼻はピンク色をしているものが多いです。土の中で生活するため前足が大きく発達し、土をかき分けやすいようにシャベル状の鋭い爪が生えています。地中深さ30センチから1メートルのあたりにトンネルや穴を掘って、その中で生活しているため、目はありますが視力はほとんどありません。鼻の「アイマー器官」という振動をキャッチする感覚器官や嗅覚を使って、地中のミミズやコガネムシの幼虫、カエルなどの餌を探し出します。

北海道を除く日本全域に生息しているモグラですが、東日本と西日本では生息している個体の種類が違います。

東日本に分布しているアズマモグラは体長12~16cm、体重50~130gで、尻尾は2cm程度とごく短め。静岡県・長野県など本州中部地域周辺を中心に生息しており、平地に住んでいる個体は山地に住む個体の約2倍にもなることから、生息地により大きさが異なるとされています。

低地から山間部まで広く生息しますが、その中でも特に土壌が豊かな森林を好む傾向にあるようです。

一方、西日本に分布しているのはコウベモグラ。尻尾はアズマモグラとほぼ同じ長さですが、体長は13~19cm、体重は50 ~180gと一回り大柄で、主に水田地帯や草地に多く生息しています。

モグラによる被害。厄介すぎる「穴」にご用心!

モグラの掘った穴

モグラは完全な肉食であるため、農作物が直接食べられる被害はありません。しかし、餌をとるために農地にトンネルや穴を掘られると、野菜の根が切られてしおれたり、苗が倒されたりするなどの農作物への被害が生じます。

また、モグラの掘ったトンネルや穴からネズミが入り込むなどの間接的な被害もあり、水田では掘られた穴による水の流出やあぜの崩壊などの恐れもあります。良質な農作物を育てるために、畑や田んぼの土づくりを大切にしている農家にとっては、厄介な存在と言えます。

音や光による威嚇の効果は

モグラに荒らされた地面の様子

モグラは土の中で活動しており、巣も地中2メートルほどの場所に作るため、個体の存在はおろか被害対策の効果が確認しづらく、また効果的な対策もあまりありません。例えば、モグラの天敵はイタチやネコなどの地上で生活する動物が挙げられますが、利用しづらい動物であるといえ、天敵をつかった駆除は現実的ではありません。

フラッシュなどの光による威嚇も、視力がほとんどないモグラは感知しづらいため効果が薄いでしょう。

聴覚が発達しているモグラの対策としては、音を利用して追い払う方法もありますが、振動や音などの威嚇による撃退機器は、強度や音量を上げても、やがてモグラが慣れてしまう可能性もあるようです。

標的は土の中、その被害対策とは

モグラの見つけ方

モグラ対策としては、被害が発生する前の予防が重要です。新たに苗の植え付けをする場合には、まず作業を開始する前にモグラを見つけ、すべて捕獲する必要があります。

⑴土が盛り上がった場所を探す

モグラが地中を掘りながらエサを探す際や巣をつくる際、土を地上に押し上げることで「モグラ塚」と呼ばれる盛り土ができます。モグラの存在を認知するには、まずはこの「モグラ塚」を見つけるとよいでしょう。

⑵地面の盛り上がりを探す

モグラが地中を移動する際、地面が少し盛り上がった状態になる場合があります。

⑶本道を特定する

農地や芝生に掘られた穴があれば埋め、上記のような盛り上がりを平らに整えてから、板(一辺が50センチ以上で厚さ1センチほど。古いコンクリートパネルなど)を地面に密着させて数メートル間隔に10枚ほど置き様子を見ます。翌日、板の下にトンネルが復活していた場合は、再度平らに整えて板を置き直します。3日連続でトンネルが復活していたら、そこは本道である可能性が高く、変化のないままであればめったに通らない支道である可能性が高いです。

有効な対策

モグラが頻繁に活動する場所を見つけたら、以下の方法を試してみてください。

■臭いで対策する

モグラは嗅覚が発達しており、それを逆手に取った対策が、臭いを発する忌避剤を使ったものです。忌避剤はよく出没する場所に置くタイプの商品や直接吹きかけるスプレータイプ、モグラが堀った穴の中に入れる錠剤タイプなどがあります。
置くタイプの忌避剤は追い出したいエリアの端から2メートルおきに直線状に置き、続けて2メートルおきに平行して置くのが効果的(使用方法に異なります)とされ、錠剤タイプは、本道などモグラがよく出没する場所にまくと効果的ですが、土壌への影響が懸念されるため農地での使用には注意が必要です。

■罠を使って捕獲する

モグラが頻繁に通る本道に筒型の捕獲器をセットすると、かなりの確率で捕獲することができます。捕獲機の中にエサとなるミミズなどを入れておくと、より捕獲しやすくなります。

捕獲が済んだら耕運、うね立てを行い、素早くしっかりとした根を張らせます。また、モグラの餌となるミミズが集まりにくい、スーパーセル苗を使用するのも良いでしょう。

ただし、鳥獣保護法によって一般の方は無許可ではモグラを捕獲することができません。違反すると1年以下の懲役または100万円以下の罰金を科せられます。捕獲するにはお住まいの自治体から許可を得てから捕獲しましょう。

また、モグラのなかには、絶滅危惧種や準絶滅危惧種に指定されている種や都道府県によって希少鳥獣に指定されている種類が存在します。生きた状態で捕獲した場合は、すぐに離れた場所へ返してあげましょう。

 

キャラクターとして見るモグラはかわいらしいものですが、本物のモグラは農家からはかなり困った存在ということがわかりました。植え付け前の予防などをしっかりして、農地をトンネルや穴で荒らされないように心がけましょう。

引き続き、農家にとっての憎らしい天敵、アブなすぎる害獣に注目していきます。

参考
農作物鳥獣害対策指導指針 第6章 本県で問題となっている鳥獣害(PDF):奈良県

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