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もしハンターからキジをもらったら? 羽をむしって食べるコツ、教えます!

もしハンターからキジをもらったら? 羽をむしって食べるコツ、教えます!

ハンターと友人になってからというもの、結構な頻度でシカやイノシシのお肉を分けてもらえるようになりました。「来る肉は拒まず」の精神で、毎回ありがたくもらっていたところ、今回は「キジを捕ったから食べるか?」と、内臓は抜いてあるものの羽がまだついているキジをもらう事になりました。そんな時でも慌てず騒がず、羽をむしっておいしく食べるコツを紹介します。

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キジをもらったら、まず羽をむしりましょう!

キジの羽をむしるのに必要な道具は、ナイフ、大きめのゴミ袋に、ゴム手袋です。ゴム手袋を用意する理由ですが、野生動物は家畜と違って飼養管理がされていない為、衛生面に気を付ける必要があるからです。そこでゴム手袋を装着して、素手で直接羽や肉に触れないようにしながら、ゴミ袋の中で羽をむしるようにしましょう。そうすれば羽が飛び散らず、片付けも楽々です。

羽のむしり方ですが、まずはお尻についている尾羽を抜きます。力任せに引き抜くと肉がついてきますので、ゆっくりと確実に引き抜きましょう。

次に、翼を肩から背中側に持ち上げるようにして肩関節を外し、関節が外れた部分にナイフを入れて切り離します。本体から両翼が外れたら、本体のキジの肉を包んでいる皮を、お尻側から首側に向けてズルッとむくようにして剥がします。そうすると羽毛も皮膚についてくるので、一気に取れて楽ですよ。むしった羽は、釣り用の毛針や、アクセサリーを作りたい!という友人がいたら、プレゼントすると良いかもしれません。

キジが食肉に変わる過程をご紹介!

左の2つが胸肉、右の2つがモモ肉

胴体部分の羽を全てむしったら、羽むしりに使ったゴム手袋を新しいものに替えて解体作業に入りましょう。まず、うろこ状になっている脚の関節部分を、生えている方向と反対に折って切り離します。次に首を切り落とすと、スーパーで販売しているローストチキン用の丸鶏そっくりの外観になります。

丸鶏と同様に、大きな肉の塊が取れる部位はモモと胸になります。モモは翼と同様に、背中側に向かって大きく開脚をさせて股関節を外し、切り離します。胸肉はキジのお腹側から、ナイフを肋骨(ろっこつ)に沿わせるようにして切り離します。

モモ肉と胸肉を切り離したら、骨についているくず肉も削り取るようにして活用しましょう。注意すべき点として、お肉の色が赤黒く変わっている部分には、散弾が入っている事があります。散弾を見つけたら、取り除くようにしましょう。

筋肉質なキジをおいしく調理する、私なりのコツ

今回は精肉したキジ肉を使って、キジ鍋を作ります。元々自然の中でタフに生き抜いてきたキジの肉は、脂たっぷりでジューシーというよりは、アスリート体形で無駄な脂肪のない肉質です。普通に火を通すとガチガチに硬くなってしまうので、口当たりを良くする為に私なりのコツを2点紹介します。

キジ肉を軟らかく、口当たりを良くするには? 私なりのコツその1

最初に、肉を覆う白い筋膜を取り除くのがコツです。この筋膜は火を加えると縮んで硬くなるので、丁寧に取り除くと口当たりが良くなります。また、ササミの中には太めのスジが入っているので、こちらも取り除きましょう。脚近くの、人で言うところのスネ肉付近には小骨が多いので注意です。

キジ肉を軟らかく、口当たりを良くするには? 私なりのコツその2

次に、私が野生鳥獣の肉を料理するときによく使うのが圧力鍋です。理由として野生鳥獣の肉は飼養管理されていない事から、寄生虫やE型肝炎ウイルスを保有している可能性があるためです。自家消費とはいえ、厚生労働省が策定した「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」に従って十分な加熱調理(※)を行うのが望ましいのだとか。そこで、しっかり火を通しつつ肉を軟らかくするのにうってつけなのが圧力鍋なのです!

調理方法はぶつ切りにしたキジ肉、モモ肉がついていた大腿骨(だいたいこつ)、腓骨(ひこつ)、これらがひたひたにかぶるくらいの水を圧力鍋に入れて沸騰させ、アク取りをした上で20分ほど圧をかけて煮込みます。そうすることで火がしっかり通るだけではなく、肉が軟らかくなります。さらにキジ肉から“だし”が染み出したスープが取れるので、こちらを活用してキジ鍋を作ります。

※ 中心部の温度が75℃の状態で1分間以上、またはそれと同等以上の効力がある方法で加熱。

キジ肉のだしを活用した、あっさりキジ鍋のレシピ

キジ肉の風味を味わう為、鍋の材料はシンプルに以下の6点を用意します。

<材料>(2~3名分)
・市販の鍋用スープ(比内地鶏スープがおすすめです) 1袋
・白菜 1/8個
・長ネギ 1本半
・えのき 1つ
・キジの肉 1羽分
・キジだし

圧力鍋で取ったキジだしとキジ肉を土鍋などに移し、比内地鶏スープを入れて煮立ったら野菜を入れ、煮立ったら出来上がりです。野菜の水分やキジだしを追加する事で味が薄くなるので、お好みでしょうゆやみりんを加えて味を調整してください。

鶏鍋と比較して、脂がほとんど浮かないキジ鍋。スープはあっさりしているけれどキジ肉の風味が濃く、滋味あふれる味わいで何杯でも食べられそうでした。

たとえキジを丸々一羽もらったとしても、羽むしりや解体の要領がわかれば何も怖くありません。野生動物を取り扱う際には、火を通すまでは終始ゴム手袋を着用し、十分な加熱調理をして、ぜひ「おうちジビエ」を楽しんでくださいね!

 
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