17歳で法人化、オクラ売って新車を買った 目黒秀斗さんに聞く堅実経営の秘訣

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17歳で法人化、オクラ売って新車を買った 目黒秀斗さんに聞く堅実経営の秘訣

17歳で法人化、オクラ売って新車を買った 目黒秀斗さんに聞く堅実経営の秘訣
最終更新日:2019年05月31日

高校2年生だった17歳で農地所有適格法人を設立し代表に就任した目黒秀斗さん。会社設立からまだ2年半ながら、約20aの畑でオクラやホウレンソウ、シュンギクなどを栽培し、反収500~600万円の安定経営を続けています。今後は農場を広げ、耕作放棄地の解消と新規就農者の支援にも取り組みたいという目黒さんに、堅実経営の秘訣を聞きました。

実は栽培歴は10年以上のベテラン

目黒さんが農業始めたのは約10年前、小学校3年生の時に東京都目黒区から現在自宅のある神奈川県相模原市内に転居したことがきっかけでした。福島県内で農業を営んでいた祖父母も同居するようになり、自宅前の畑を借りて祖父母と一緒に野菜を育て始めました。

都会生まれの目黒さんにとっては、自然に囲まれた環境で野菜を作ることはとても新鮮でした。基本的な栽培については祖父母に習い、土地にあったやり方を自分で工夫し、生産性を上げていく過程も面白く感じたそうです。

その後、東京・池袋の昭和鉄道高等学校に在学中の17歳の時、将来、農業で食べていこうと決意したといいます。

目黒さんの「師匠」でもある祖父の理一さん

「カメラや鉄道が好きでよく旅行に行くのですが、地方を旅すると必ず目につくのが耕作放棄地。条件の良くない土地に小さな畑が散らばっているのですが、こういう場所でも効率をよくやって収益を上げられたら面白いなと思いました」。

初期投資、できるだけ少なく 販売先も工夫して選ぶ

中古のカメラを修理して販売するなどして得たお金30万円で法人を設立。農業を本格的に始めるための初期投資も最小限に抑える努力をしたといいます。
例えば、中古でも数十万円する耕運機は、ヤフーオークションで7万円のもの見つけ、自分で整備。軽トラックも16万円で購入し、新潟から自分で運びました。
「高校生でお金に余裕もないので、いかに初期投資を抑えて農家と同じものをそろえられるか、徹底的に工夫しました」。

育てた野菜の販売先も「自分のやり方に合う取引先」を自ら開拓してきたそうです。取引先を見つけるのはマルシェなどのイベントや、紹介がほとんど。有機栽培や無農薬栽培の野菜を扱う仲卸や保育園の給食用野菜を供給する業者など、直接営業をかけて契約を結んできました。

「僕の売り方は、最初に卸先を決め、こちらから金額を提示して作物を作り始める。ポイントは、相手がどんな商品を扱っているのかを研究して売り込むことです。僕の野菜は農薬や化学肥料をできるだけ使わない特別栽培がメインなので、天候で思うような収量が得られなかった時にも『農作物だから仕方ないよね』と理解してくれる取引先を選びます。自分の作ったものの良さを生かして、いかに価値を上げるか。営業活動は好きですね」。

市場をみながら、栽培するものや栽培方法も変化させています。例えば、就農当初は化学肥料や農薬を一切使わない自然栽培で全量作っていましたが、現在では市場でのニーズに合わせて自然栽培を1割、特別栽培9割で栽培しているそうです。

現在では、オクラ、トマト、オオバ、ホウレンソウ、シュンギクなどを3毛作で栽培し、反収500~600万円を維持しています。年間400万円ほどの収益を上げ、昨年には念願の愛車も新車で購入したとか。

新規就農者の支援、消費者を育てる試みも視野

新規就農者や自然栽培に取り組む農家が増加傾向にある相模原市。地元のファーマーズマーケットやイベントで他の農家とのつながりが出来ていくなかで、目黒さんは新規就農者を支援するという新たなチャレンジを始めています。

「新規就農した方は、まず栽培に集中しがち。どう売って現金化するかということにまで手が回らない人が多くいます。また、例えば2ヘクタール以上の畑を持つ研修先で修業しても、独立して借りた50アールの畑でどうやって収益を出していけばいいのか戸惑う人も。僕は小規模な畑で収益を上げていくことはできているので、そのノウハウを伝えていけたら」。

2019年に入り、群馬県内の2ヘクタールの農地を購入。これらの土地を新規就農者に貸し出す委託栽培にも取り組んでいくといいます。経営の観点からは、様々な地域で栽培することで天候の影響を最小限に抑えるリスク分散の意味もあります。

「群馬の土地にはきれいな花を咲かせるウメ畑もあるので、ゆくゆくは畑の近くでのキャンプなども企画したい。旅行好きで高校で学んだ鉄道の知識もあるので、旅行業の資格をとって農業+アルファでアクティビティとして農業を楽しむような企画をしていきたいです。農業に触れる機会の少ない都内の人も、種まきに参加したらきっと収穫にも立ち会って、できた野菜を食べてみたくなる。そうやってファンや消費者を育てていきたいです」。

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