自分の畑や菜園に合った「耕うん機」を選ぶには?
春の穏やかな気候は、野菜づくりに最適です。これからの菜園シーズンにむけて、まずは冬の間に固まってしまった土をしっかりと耕し、眠っている畑の土に目を覚ましてもらいましょう。
そんな土づくりを力強くサポートしてくれるのが、耕うん機です。耕うん機といっても、さまざまな機種があるので、畑のサイズや土の状況、栽培する野菜の品目などを考えて、最適な一台を選びましょう。
今回は、三菱マヒンドラ農機株式会社のイベント会場で、提携作業機課 祖田朋和さんに耕うん機の種類や選び方などをレクチャーしていただき、生まれて初めて耕うん機を操作したので、その体験をレポートしたいと思います。
――最初に、耕うん機の機種の違いを教えてください
手軽に畑の土をふかふかに耕してくれる耕うん機ですが、さまざまな機種があって驚かれたのではないでしょうか。機種の違いは、簡単に分類すると【車軸タイプ】、【リヤロータリタイプ】、【フロントロータリタイプ】の3タイプに分かれています。
最も古くからある【車軸タイプ】は、回転する爪の力で前進するシンプルな構造なので、コンパクトで手軽なのがポイントです。ただ、回転部がむき出しなので、操作時には足が巻き込まれないように注意が必要です。
その点を当社が改善し、業界に先駆けて発売したのが【リヤロータリタイプ】です。危ない回転部はカバーで覆い、さらに力が弱い方でもスイスイと前進できるように、駆動するタイヤがついています。重量もあるので、耕うん作業が安定し、土が固い畑でも威力を発揮します。
最後の【フロントロータリタイプ】は、回転部を足元から離して安全性を高め、車輪もついているので、取り回しがよく、初心者の方でも軽快に使えることがポイントです。
――耕うん機を選ぶ際のポイントを教えてください
まずは畑のサイズや、使い方、誰が使うのかなどによって選び方が異なります。
100坪(約18m四方)以上の畑で作業する方は【リヤロータリタイプ】を使っている方が多く、30坪(約6m四方)程度の庭先で菜園を楽しむ方は、手軽な【車軸タイプ】を使われる方が多いですね。燃料は、ガソリンとガス(カセットボンベ)の2種類がありますが、寒冷地ではガスだとエンジンがかかりにくいので、住んでいる地域も考慮しましょう。
また、こちらの表のようにイメージする使い方(畑の除草作業にも使いたい…、自家用車で運びたい…など)に合わせて機種を選ぶこともあります。
機種によってはアタッチメントをつけることで、栽培品目に合わせたうね立てやマルチ作業なども行うことができるので、機種の特徴はもちろん、どんな作業に対応しているかについてもしっかりと確認することが大切です。畑以外では果樹園などで木の根元の除草作業に活用しているところもあるんですよ。
あとは、使う方の体力や体格に合わせることも大切です。購入を検討する際には販売店で実際の大きさや、負荷がどれくらいなのかを確認するといいでしょう。
初めての耕うん機 『マイボーイMMR400A』を体験
今回は展示会場でずらっと並んだ機種の中から【リヤロータリタイプ】の耕うん機『マイボーイMMR400A』をお借りし、耕うん機デビューをレポートしたいと思います。
操作方法はとてもシンプルで、「リコイルロープ」を軽く引くだけでエンジンが始動。簡単なエンジンスタートに驚くと、「バネの補助で力がいらない『ミラクルスタート』と呼ばれる三菱GBエンジンの特徴です」と、笑顔の祖田さん。
ループハンドルに合わせて手元の赤いレバーを握れば、耕うん作業がスタートします。安全に配慮したデッドマンクラッチレバーを採用しているので、赤いレバーを離せば自動的にストップし、手元の赤いボタンを押せばエンジンも止まります。
体格に合わせてハンドルの高さを4段階に切り替えることができるので、小柄な方でも安心です。また、方向転換もハンドルを下げれば、くるっとスムーズに旋回ができるので非力な方でも簡単です。最初はおっかなびっくりでしたが、祖田さんの丁寧なサポートもあり、初めての耕うん機作業も楽しんで行うことができました。
今回使用した『マイボーイMMR400A』なら、私にでも使えそうです。耕うん作業以外にも、うね立てや土揚げ作業にも活躍するということで、菜園デビューの初心者から、プロ農家の方まで、幅広い方に支持されている理由がよく分かりました。
耕うん機の購入やメンテナンスは?
「機能や馬力など、バリエーションがある耕うん機ですが、購入を検討している方は、お住いの地域の販売店に相談することで最適な一台を選ぶことができます」と、祖田さん。畑の大きさや土の状態、栽培予定品目などを伝えることで、必要な性能やアタッチメントなどについてアドバイスがもらえるといいます。
――三菱ミニ耕うん機ならではの特徴を教えてください
機種によっては、折りたたんで格納することができるので、乗用車のトランクに入れて菜園まで簡単に運べたり、ロッカーに収納することも可能です。また、野菜づくりに欠かせないアタッチメントの種類の多さも大きな強みですね。三菱は提携しているメーカーも多いので、目的に合わせたアタッチメントが見つかると思います。
――耕うん機のメンテナンスはどのようにしたらいいですか?
畑での作業後は、水洗いすることをおススメしています。こまめに水洗いすることで、機械が長持ちしますし、パッキンなどが劣化するのを防ぐことができます。丈夫で長持ちが、当社の代名詞です。20年以上前に製造された機種を使い続けておられるオーナーさんから部品のお問い合わせをいただくこともありますよ。
今回は耕うん機の選び方のアドバイスだけでなく、実際に操作し、使い心地や操作感を実感することができました。耕うん機の購入を検討されている方は、最寄りの販売店に相談し、その使い心地を試してみてはいかがでしょうか。
【関連リンク】
三菱マヒンドラ農機株式会社
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