地産地消にも担い手を! 横浜の女性たちが親子の食農教育を開催

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地産地消にも担い手を! 横浜の女性たちが親子の食農教育を開催

地産地消にも担い手を! 横浜の女性たちが親子の食農教育を開催
最終更新日:2019年03月28日

2019年2月23日、神奈川県横浜市で「横浜の地産地消と出会い、未来につなぐ文化祭」が開催されました。このイベントでは「地産地消をもっと広めたい」と願う地元の女性たちと農家がさまざまなプログラムを用意し、参加者が横浜の農や食について学べるようになっています。イベントに参加し、主催者の思いやプログラム内容についてお伝えします。
(写真提供:森ノオト)

「森ノオト」の北原さんに聞く! 地産地消と子育ての関連性とは?

「横浜の地産地消と出会い、未来につなぐ文化祭」。このイベントの主催者は、横浜市で農体験や地産地消活動を推進するNPO法人「森ノオト」です。理事の北原(きたはら)まどかさんに、イベント開催の目的について話を聞きました。

NPO法人「森ノオト」の北原さん

「実は横浜は、2006年時点での小松菜の生産量が3700トンと日本一です(農林水産省調べ)。また、市内には約1000カ所とも言われるほどの直売所があり、地場野菜の生産者と消費者の距離が近い街なんです。そこで横浜に住む人に『身近な場所でこんなに野菜やお米がとれるんだ』と知ってほしいのです。さらにそこから発展して、自発的に農家さんと関わり、自分の言葉で地産地消を伝えていける担い手を育てるのが目的です」(北原さん)

森ノオトでは地産地消だけではなく「たべる・そだてる」をテーマとした活動もしており、今回のイベントには、子供が食に興味を持つきっかけを作るという目的もあるようです。子供歓迎!と銘打ったプログラムがあるからか、会場には子供3人を連れているお父さんがいて、家族連れの参加も多いようです。「地産地消と子育て」はどのように関連するのでしょうか?

「近場で取れる質の良いものを子供に食べさせよう、と意識する親に育てられた子供はその思いを受け継ぎ、未来に地産地消を伝えていく担い手となります。そんな思いがあって『未来につなぐ』と命名した文化祭を開催しました」と言う北原さん。それでは農家の思いや地産地消について知るため、2つのプログラムに参加します!

「 十日市場・佐藤農園野彩家(やさいや)の野菜を使ったぎょうざでビンゴ!」

手前が竹澤寛子さん、奥の右端が佐藤克徳さん(写真提供:森ノオト)

餃子(ぎょうざ)を食べ、中に入っている野菜を当てるゲームで地産地消を学ぶプログラムを企画したのは、二児の母である竹澤寛子(たけざわ・ひろこ)さん。野菜を提供してくれた緑区十日市場町の佐藤克徳(さとう・かつのり)さんとは「若い人には安心・安全な物を食べて、元気に育ってほしい」という思いを同じくしています。

おいしそうなこのプログラムの参加者は大人7人、子供が12人です。ちょうどお昼時という事もあり、子供たちは「早く食べたい~!」とソワソワしていました。

この餃子の具は、2種類の野菜を横浜産のお米である「はるみ」で包んであり、その上から餃子の皮で包んでいるので、一見すると何が入っているかわかりません。参加者は五感を駆使して餃子を食べ、次々に中に入っている野菜を当てていきます。驚いた事に、子供の正解率が高い!

和気あいあいとゲームを楽しんだ後は、竹澤さんの「質の良いものを食べて健康を保つ。健康であるからこそ、好きな事ができる。直売所に足を運んで、横浜の農業を皆で支えていきましょう!」という言葉でプログラムは締めくくられました。

子供にイベントの感想を聞いたところ「おいしかった!」と微笑ましい答えが返ってきましたが、大人はいろいろと思うところがあったようです。
「正直、私は何の野菜が入っているかわからなかった。それをあっさり見抜く子供って味覚が敏感なのですね。だからこそ、良いものを食べさせなくてはと思いました」

「 小山晃一さん(港北区)を囲んで聞く 小松菜ストーリーを感動の小松菜丼とともに」

左が池田美智恵さん、中央が小山晃一さん(写真提供:森ノオト)

自分が食べて、おいしさに感動した「小松菜丼」を多くの人に食べてもらいたい!という思いから調理のデモンストレーションを行い、参加者といただくというこちらの企画。考案したのは、横浜駅中央北口マルシェ(JR駅構内で横浜産の野菜や加工品を販売するマルシェ)のお手伝いをしている池田美智恵(いけだ・みちえ)さんです。

このプログラムの参加者は大人8人と子供が3人。まずは小松菜の生産者である小山晃一(こやま・こういち)さんの話を伺います。

農園だけではなく、農家レストラン「SOZAIYA(そざいや)」(横浜市都筑区)も経営する小山さんは「直売所だと誰が買ってくれたのか、消費者の顔や反応がわからないのです。レストランを、農家と消費者がつながる事ができる場にしたい」と言います。

続いて、フードアナリストの河原真友子(かわら・まゆこ)さんが調理デモンストレーションを行いました。手でちぎった生の小松菜に調味料をからめ、海苔(のり)とジャコを乗せた「小松菜丼」は早速参加者に振る舞われ、みな舌鼓を打っていました。

新鮮な生の小松菜を使った、小松菜丼

皆で小松菜丼をいただきます

プログラム終了後、池田さんにこのプログラムを企画した動機を伺いました。

「横浜駅中央北口マルシェのお手伝いで多くの農家さんと知り合いました。彼らが真摯(しんし)に作る野菜は新鮮でおいしく、横浜の地産地消を大事に育てようとしている姿勢に感動しています。ただ、消費者に手の届きやすいスーパーで売られている野菜からは、生産者の顔が見えません。だから農家さんと消費者が顔を合わせ、交流する場を作りたかったのです」

確かに、頑張っている農家さんのストーリーや思いを知る事で、普段何気なく食べているものにありがたみや、残さず食べようという意識が生まれるような気がします。

文化祭に参加して得られた気づき

このイベントのように農家と消費者が集い、地産地消をテーマにする場で感じたのは、農家と消費者は、互いに意識しないと出会えないという事です。自分が普段食べているものは誰が作っているのだろう? 自分が子供に食べさせたいと思うのは何だろう? そんな疑問を持つ事が地産地消につながるのかもしれないと思いました。
 

NPO法人「森ノオト」
 

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