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研修生募集! 飛騨牛ブランドを担う新規就農者を育成する『ひだキャトルステーション』とは?

研修生募集! 飛騨牛ブランドを担う新規就農者を育成する『ひだキャトルステーション』とは?

飛騨牛といえば全国屈指のブランド和牛。淡い色、きめ細かいサシ、脂の口溶けのよさが特徴です。しかし、産地の岐阜県でも担い手不足が深刻です。その解決策として、飛騨市、JAひだ、JA全農が出資して県内初となる新規就農者の育成と和牛の繁殖を目的とした『飛騨牛繁殖研修センター ひだキャトルステーション』を設立。2019年4月に第1期生を迎えて人材育成をスタートさせました。ここでは牛の飼養管理を一から指導し、和牛の繁殖に必要な資格取得も支援し、2年後の雇用就農につなげるといいます。未経験者でも畜産への就農を可能にする珍しい取り組みを取材しました。

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地域を挙げて、“飛騨牛の未来”を担う人材を育成

2019年4月、新規就農者の育成と和牛の繁殖を目的とした『飛騨牛繁殖研修センター ひだキャトルステーション』 が岐阜県飛騨市でスタートしました。

ここでは、研修生を受け入れて牛の飼養について一から指導するのはもちろん、和牛の繁殖に必要な家畜人工授精師などの資格取得にかかる費用なども支援するといいます。全国的に見ても珍しいこの取り組みについて、まずは飛騨市役所 農林部の古川さんとJAひだ 畜産課の桑山さんにお話を伺いました。

飛騨市役所

左端が飛騨市役所 古川さん・右から2人目がJAひだ 桑山さん


 

『ひだキャトルステーション』ができた経緯を教えてください

【古川さん】
畜産農家の高齢化や後継者不足は、飛騨地域でも課題です。市としても対策を検討する中で、2年前に廃業した酪農牛舎を有効活用する形で岐阜県初の畜産研修施設を立ち上げることになりました。

建物はJAひだが所有し、飛騨市、JAひだ、JA全農が出資して設立した株式会社ひだキャトルステーションが運営を行います。ここで2年間の研修を行い、“飛騨牛の未来”を担う人材の輩出を目指します。

【桑山さん】
JAひだ管内では高齢による離農などで、子牛を生産・販売する繁殖農家が200戸を下回り、買った子牛を大きく育てる肥育農家も約60戸と農家戸数は減少しています。しかし、若手の繁殖農家では飼養する牛の頭数を増やし、法人化する傾向にあります。規模の拡大には、人材が不可欠なのです。

また、全国的に素牛(モトウシ:肥育牛や繁殖牛として飼養される前の生後6~12カ月の子牛)が不足し、価格も高騰しているため、地域で供給体制を強化しなくてはなりません。『ひだキャトルステーション』が飼養と繁殖のスキルを持った人材を増やすことで、若手繁殖農家の規模拡大を後押しし、県内の繁殖基盤を安定させたいと考えています。

飛騨市役所

岐阜県の登録農家で14カ月以上肥育された3等級以上の黒毛和牛の肉が「飛騨牛」です


 

研修生の募集人数や支援体制、研修後の就農イメージを教えてください

【古川さん】
研修生は、毎年2名程度を受け入れる予定です。「2年間の研修後は、飛騨地域で就農すること」が条件になりますが、受講費用はもちろん、和牛の繁殖に必要な家畜人工授精師や削蹄師などの資格取得と、重機を扱うための講習にかかる費用は、すべて市が助成します。

研修後の就農イメージは、概ね法人経営の繁殖農家で雇用就農することになります。新しく農場を開業するには多額の初期投資が必要でリスクが高いためです。雇用就農に向けては、雇用先とのマッチングを市がサポートします。

【桑山さん】
『ひだキャトルステーション』は、学びの場ではあるものの、学校ではないので、繁殖農家と同じように子牛を競りにかけて出荷も行います。育てた子牛の評価を知ることで、技術だけでなく経営についても学んでほしいと考えています。

また、牛舎には最新の分娩予測システムや監視カメラを導入しました。これらのICT機器も使いこなせる人材に成長してほしいですね。ここで学んだ人材が増えていくことで飛騨牛ブランドの発展につながると期待しています。

飛騨市役所

ICT機器を導入した最新の飼養管理が学べます


 

最新の飼養管理を実践的に学べる研修施設

『ひだキャトルステーション』は、飛騨古川駅から車で10分ほどの静かな丘の上にあり、1万4800㎡の敷地には牛舎3棟、堆肥舎1棟が建っています。

開所したばかりの現在は、生後10~12カ月の雌牛40頭を飼養しており、繁殖・分娩についてはこれからで、施設の一部分しか稼動していませんが、2年以内に繁殖和牛100頭程度の規模にする計画だといいます。

飛騨市役所
  

次に、場長である岩野さんと研修第1期生の永瀬さんにお話を伺いました。

どのような研修を行うのか教えてください

【岩野さん】
研修生は、私を含む社員3名と、パートタイムスタッフの3名と一緒に牛の世話を行いながら、2年をかけて[飼養管理(育成・繁殖・分娩・防疫など)]、[和牛育種(改良・増殖技術など)]、[畜産環境(ふん尿処理技術など)]、[飼料作物生産]、[経営管理]を身に付けてもらいます。

この施設内での研修だけでなく、畜産農家や関係機関での実習や座学も予定しており、その中には、各種の資格取得も含まれています。

飛騨市役所

『ひだキャトルステーション』の場長 岩野さん

まだ人工授精は始めたばかりなので、この施設での分娩や子牛の管理は年明け以降の予定ですが、繁殖で特に重要なのが人工授精、分娩、体調管理です。ここではICT機器を導入し、母牛を24時間モニタリングするので、発情兆候を見逃さずに種付けが行えたり、分娩状況もセンサーで検知してアラートのE-mailが送られたりと、最新の飼養管理を実践することが可能です。

研修生という立場で、多くの畜産農家や技術者とかかわりながら幅広い知識と人間関係を築いて次世代を担うリーダーになってほしいですね。

飛騨市役所

こちらは、子牛管理用の牛舎です


 

研修生になった動機や、どんな実習をしているのか教えてください

【永瀬さん】
2019年春に肉牛などの飼養を学べる岐阜県立飛騨高山高等学校の生物生産科を卒業して、高山市で繁殖農家を営む叔父や父の勧めもあって『ひだキャトルステーション』で研修を受けることにしました。ここでの研修は朝8時に集合して、夕方の5時に終わります。牛舎の掃除や母牛の餌やりが日課です。

この施設にはまだ子牛がいないので、子牛管理についてはいろいろな農場へ伺って勉強させてもらっています。また、研修は土日が休みなのですが、牛たちの様子はスマートフォンで見ることができます。

飛騨市役所

研修第1期生の永瀬さん


 

永瀬さんは牛に触れる機会が多かったと思いますが、初心者でも大丈夫でしょうか?

【永瀬さん】
はい、大丈夫だと思います。繁殖農家の叔父は「失敗してみないと分からないことがある」とよく話しています。ここでは、たとえ失敗しても次につなげることが可能です。いきなり繁殖農家に就職しても、指示なしでは何もできませんが、ここでは自発的に動けます。

飛騨市役所

全国和牛共進会へ出品予定の「ふくみつ」と名づけた牛と

全国和牛共進会への母牛の出品を提案してOKをもらい、今は10月の大会に向けて容姿のよい牛を選んでウォーキングの練習をさせています。高山市で2年連続1位の叔父に負けないように頑張ります。研修後は、叔父の農場で働くつもりで、将来は日本一の牛飼いになりたいと思っています。

飛騨市役所

施設を担当するJAひだの尾野さんは、研修生にとって身近で心強い存在です


 
 
『ひだキャトルステーション』での研修は、畜産の担い手育成では、ほかに類を見ないほど手厚い取り組みで驚きます。

さらに、最長2年間の家賃補助(毎月2万円)をはじめ、移住して3年以内に市内に住宅を購入する場合は定住支援の助成(最大180万円)があるなど、市が新規就農者を生活面でもバックアップ。国の「農業次世代人材投資資金」を活用すれば、生活費を賄うことも可能だといいます。

『ひだキャトルステーション』での研修を希望される方には、相談や見学を随時受け入れているので、実際に研修生やスタッフと話してみて、自分なりの就農と暮らしのイメージを膨らませてみてはいかがでしょう。
 
 

 
【お問い合わせ】

飛騨市役所 農林部 畜産振興課 担当:古川
〒509-4292 岐阜県飛騨市古川町本町2番22号
TEL:0577-73-0152(直通)
E-mail:nougyoshinkou@city.hida.gifu.jp
ホームページはこちら
 

JAひだ(飛騨農業協同組合) 畜産課 担当:桑山
〒509-4292 岐阜県高山市冬頭町15-1
TEL:0577-36-3880
E-mail:jahidaeino@jahida.gjadc.jp
ホームページはこちら

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