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米作りをする酒蔵が農業と醸造を橋渡し 「農!と言える酒蔵の会」設立

米作りをする酒蔵が農業と醸造を橋渡し 「農!と言える酒蔵の会」設立

酒蔵が酒米作りからこだわって酒造りを行う――。農業から醸造を考える日本酒の酒蔵12蔵が集まり、「農!と言える酒蔵の会」を設立しました。業界のさらなる発展のために、様々な側面から農業と醸造をつなげ消費者に訴えかけていくことを目的としています。

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酒米を栽培する12蔵が集結

2019年7月29日、「農!と言える酒蔵の会」が発足し、設立お披露目の会が東京都品川区で行われました。
会の目的は、農業と醸造の間の情報連携。日本酒業界のさらなる発展のために、酒米の栽培に取り組む酒蔵が自社の経験や技術を伝えることで各組織に連携を促したいとしています。

設立に際し、全国で酒米作りから日本酒造りを行う12社が参加しました。

★会員酒蔵12社(北から順)

社名 代表銘柄 都道府県
株式会社一ノ蔵 一ノ蔵 宮城
合資会社大和川酒造店 彌右衛門 福島
株式会社高橋庄作酒造店 会津娘 福島
有限会社仁井田本家 仁井田自然酒穏(おだやか) 福島
泉橋酒造株式会社 いづみ橋 神奈川
関谷醸造株式会社 蓬莱泉 愛知
合名会社森喜酒造場 るみ子の酒 三重
元坂酒造株式会社 酒屋八兵衛 三重
千代酒造株式会社 篠峯(しのみね) 奈良
秋鹿酒造有限会社 秋鹿 大阪
丸本酒造株式会社 竹林 岡山
酒井酒造株式会社 五橋 山口

酒造りは工業から農業へ

設立を記念して、世界のワイン業界で最も権威ある称号「マスター・オブ・ワイン」の資格を持つ大橋健一さんが「『農・醸を共に扱うこと』に関するワイン的視点からの一考察」と題した基調講演を行いました。
この中で大橋さんは世界的にワインをプロモーションする例を紹介し、農業から醸造を行うことで「日本酒を工業製品としてではなく農産物として消費者に訴えかける」ことが、日本酒の国際的な市場価値の向上につながると強調。「設立メンバーの12蔵の皆さんには自信をもって『農!』と言ってもらいたい」と会の設立に期待を寄せました。

酒蔵が農業に参入するときの支援も


活動の内容の一つに、農業に参入したい酒蔵の支援も掲げています。
会長の日本酒輸出協会会長の松崎晴雄(まつざき・はるお)さんは「これから米作りをしたいという蔵が増えてくることを予想しています。年に2回程度行うオープンセミナーを通じて情報発信をし、同志となる蔵があれば迎え入れ、これまで培った会員のノウハウを共有することで支援していきたい」としています。
代表理事の丸本酒造株式会社当主、丸本仁一郎(まるもと・にいちろう)さんは、米作りの際に田んぼそれぞれの特徴などを知ることで酒造りが変わると紹介。一方で「みんなが米を栽培するべきということではありません。栽培や醸造について一緒に勉強して、酒米の選び方や買い方、農家との情報共有の仕方などについても考えていきたいと思います」と抱負を述べました。

農!と言える酒蔵の会

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