⼿厚いプラン×その道のプロたちが新規就農者をバックアップ︕
「農業を始めたい」「ぶどうを栽培してみたい」と思った時、まず気になるのが「農地の確保」「住む場所」「技術の習得」「初期投資などの資金面」などではないでしょうか。そんな新規就農希望者の疑問を払拭してくれるのが『加西ぶどう生産地域就農・定着応援プラン』と、それを支える一大チームです。
事業名 | 主な内容 | 助成金額 | 期間 |
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経営自立安定化支援 | ・Iターン就農者又は市内非農家就農者で市内での就農3年未満 | 1年目:15万円/月 2年目:10万円/月 3年目:5万円/月 |
3年間 |
施設機械整備支援 | ・農業用施設又は農業用機械の新規導入費用 | 導入費用の1/2以内 (上限300万円) |
- |
農地賃借料助成 | ・農業経営基盤強化推進法に基づく 6年以上の利用権設定による農地の借受け |
賃借権設定額全額 (1年あたり上限1万円/10アール かつ5万円/人) |
3年間 |
住居費助成 | ・市内の民間賃貸住宅に居住 | 12,000円/月以内 (共益費や駐車場使用料等を除く) |
3年間 |
新規就農者への直接支援(加西市新規就農者支援事業)
加西市では、《新規就農者への直接支援》として4つの支援メニューがあり、〈経営自立安定化支援〉〈施設機械整備支援〉〈農地賃借料助成〉〈住居費助成〉を通じ、さまざまな助成金が支給されます。また、国や県の支援事業も充実しており、さらに《新規就農者の研修受入れ制度》も用意され、市内のプロ農家から営農などのノウハウを直接学べるのが魅力です。こうした手厚いプランに加え、新規就農者をチームで支えてくれるのもポイント! 加西市ぶどう部会、加西市、JA、就農先の区長・農会長、県機関の加西農業改良普及センター、加東農林振興事務所など、関係団体が連携して新規就農者のはじめの一歩を応援してくれます。
試行錯誤したから今がある! 新規就農の大先輩/矢野さんに訊きました
『矢野果樹園』の代表であり、兵庫県女性農業士でもある矢野英子さん。現在は加西市ぶどう部会の部会長も務め、ぶどうの栽培から果樹園の経営、新規就農者への技術指導など多彩に活躍されています。しかし、矢野さんが新規就農された25年前は現在のような就農・定着応援プランはなく、さまざまな苦労があったといいます。
「夜遅くまで働くプログラマーの仕事に疲れ、新天地として選んだのが農業でした。しかし退職した半年後に阪神淡路大震災が発生。職も自宅も失った中、わらにも縋る思いで尋ねたのが加西農業改良普及センターでした。当時は就農・定着応援プランなんてありませんから、週3日、ぶどう農家を手伝わせてもらいながらパートの仕事で収入を得る日々。2aの土地を借り、初めてぶどうを収穫した時は嬉しかったですね。そこから12a、50aへと農地を広げ、現在に至ります。ぶどうという作物を選んだのは美味しいからという単純な理由ですが、今思えばこの選択もよかった。ぶどう栽培は力仕事が少なく、細かい作業が多いので女性にもってこい。今は就農・定着応援プランも作られて、昔よりずっと就農しやすい環境が整っていると思います」
師匠である谷川さんの教えを受け、若手の新規就農者も続々誕生!
次にご紹介するのは20年以上にわたって新規就農者を支えてきた『谷川果樹園』の谷川定隆さんと、その愛弟子である馬渕亮さん、前田航さん(ともに2016年就農)、松本英樹さん(2017年就農)です。3人は谷川さんが指導した新規就農者で、1年間の研修を終えた後、『谷川果樹園』周辺の畑を借り受けてぶどう栽培に取り組んでいます。
――なぜ加西で新規就農を?
馬渕 兵庫県立農業大学校の実習で谷川さんと出会い、ぶどうに興味を持ったのがきっかけです。
前田 私も同じで、谷川さんと出会い、他の果樹に比べて複雑な特性を持つぶどうに惹かれました。
松本 私は服飾専門学校教師からの転職です。同じ加西出身の友人が谷川さんの指導を受けて新規就農したことに刺激を受け、決意。また、ちょうど子供が生まれたこともあり、自然豊かな環境で子育てしたいと思ったのも動機の一つです。
――昨年作られた就農・定着応援プランの魅力は?
馬渕 いろいろな人に多方面から支えてもらえること。特に谷川さんにはひとり立ちした後もお世話になっています。
前田 軌道に乗るまでの3年間をめどにさまざまな助成金があり、新たに加西市で就農する就農希望者にとっても非常に助かる内容だと思います。
松本 プランを支援するチームのケアがとても手厚い。就農後も頻繁に訪ねてきてくれます。
――目標を教えてください。
馬渕 将来は谷川さんのように新規就農者を育てることが目標。恩返しがしたいです。
前田 マイホームを持つこと。今は賃貸住まいですが、近い将来、夢を叶えたいですね。
松本 この仕事で家族を支えること、そしてぶどう栽培を通じて地元に貢献することが目標です。
3人の愛弟子たちの声を受け、師匠/谷川さんはこんなメッセージを寄せてくださいました。
「就農は起業と同じで、生産者は経営者の視点も持たなければなりません。自然と向き合う農業に憧れて…という就農動機をよく聞きますが、農業は多くの人とも向き合う仕事。生産団地、集落、加西市全体と地域の人たちとのつながりが不可欠です。また、生計を立てるためには広い畑が必要ですが、広い畑を管理するには自身の作業スピードも問われますし、いつ・どれだけの人を雇うかという経営判断も欠かせません…なんてちょっと脅かしすぎましたが(笑)、とにかく農業はたやすい仕事ではありません。しかし、重要なのはやる気! 意欲のある方に技術を継承したいと思っています」
加西に住んで、農業する。新しい生き方、はじめませんか?
各生産団地役員 |
・農業体験サポート/農地確保のサポート 研修先の師匠の紹介や研修後の収納場所の確保などの調整を行います。 ・技術指導 就農後も研修先の師匠が相談に乗ったり、部会が開催する研修会を案内しています。 |
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加西市 農政課 (加西市新規就農促進協議会) JA |
・就農相談窓口/応援チームの事務局 ぶどう栽培に限らず、現在のスキルや希望の作物、兼業か専業かなど、一人ひとりにヒアリングをし、ライフスタイルにあった就農方法を一緒に考えていきます。 ・農業支援制度や移住支援制度の情報提供、支援制度を活用する際の調整 注力している新品種は「ブラックビート」で大粒系で色味の濃いこのぶどうは消費者人気も高く、かつコンテナ出荷も可能な流通のしやすさが特徴です。栽培技術や、出荷に伴う品質基準の指導、ぶどうのトレンド情報の提供など幅広く指導していきます。 |
区長・農会長 | ・住居確保のサポート 就農地域にある空き家の紹介などを行っています。 ・地域の溶け込み支援(地域行事への参加案内など) 就農地域で行われる祭りや清掃活動などの地域行事を紹介し、地域の方々とのつながりを作れるように応援します。 |
加東農林振興事務所 農政振興課 |
・技術指導 就農後の技術の指導、農業経営についての相談、アドバイスを実施します。 就農直後の農家を巡回したり、栽培や病害虫に関する電話相談に対応したりしています。また、県が主催する研修の案内などをしています。 ・農業支援制度の情報提供、支援制度を活用する際の調整 国や県の就農者向けの補助事業の情報提供を行います。 |
加西市全体で新規就農者をサポートします。気軽にお問い合わせください
ぶどう10a当たりの売上は約200万円になります。就農5年後の経営は、40aの栽培面積で所得200万円を目指していきます。市内6つの生産団地にはそれぞれ個性があり、生産者の多くが新規就農者のところもあるそうです。栽培技術だけでなく、地域にいかに溶け込むかもしっかりケアしてくれる手厚さは加西市ならでは。「農業で食べていく」と覚悟を決めたなら、新規就農者と本気で向き合ってくれる加西市で農業をはじめませんか?
【お問い合わせ先】
〇加西市では、新規就農希望者に対してさまざまなサポートをしています。
この記事について、加西市で就農を考えている方はこちら
◆加西市新規就農促進協議会(加西市農政課)
〒675-2395兵庫県加西市北条町横尾1000番地
TEL:0790-42-8741(担当:河村・玉置)
メール:nosei@city.kasai.lg.jpp
【関連情報】
〇兵庫県では、新規就農希望者に対してサポートをしています。
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