畑の害虫図鑑〜コオロギ編〜【畑は小さな大自然vol.52】

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畑の害虫図鑑〜コオロギ編〜【畑は小さな大自然vol.52】

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畑の害虫図鑑〜コオロギ編〜【畑は小さな大自然vol.52】
最終更新日:2019年09月18日

こんにちは、暮らしの畑屋そーやんです。秋はさまざまな野菜の種まきや苗の植え付けを行う時期ですが、同時にさまざまな虫の活動も活発になる時期です。そのうちの一つがコオロギでしょう。秋の虫として有名なコオロギですが、秋の畑では野菜の芽をことごとく食べ尽くしてしまうなど、大きな被害をもたらすことがあります。そうなってしまわないように今回紹介するコオロギ対策をしっかり行い、立派な秋冬野菜を育てましょう。

コオロギの被害

コオロギはいろんな野菜を食べますが、特に8〜9月ごろの白菜やキャベツ、大根などの発芽してから間もない小さな苗を食べます。野菜が小さい時に葉をたくさん食べられてしまうと、光合成の効率も極端に落ちてしまい、それ以上育たなくなってしまいます。コオロギは年によって大量発生することもあり、なんの対策もしていないと、ほとんどの野菜が根こそぎ食べられてしまうこともあるので、注意が必要な害虫です。

コオロギは益虫として働くことも

コオロギは野菜を食べる害虫のイメージが強い虫ですが、野菜などの植物以外にも小さな虫を捕まえて食べたり、その死骸を食べたりすることもある雑食性です。野菜を食べるイモムシなどを捕まえて食べることもあり、益虫として働くこともあります。また雑草の種なども好んで食べ、特に秋に種を落とすエノコログサやメヒシバなどの夏草雑草の過度な繁殖を抑えてくれる役割もあるのではないかと考えられます。

卵の状態で越冬し、6月ごろにふ化、7〜8回の脱皮を繰り返して8月ごろより成虫が現れ始めます。基本的には夜行性の種が多く、夜に野菜の苗などを食べて、昼は草陰に隠れていることが多くなります。

コオロギの天敵

コオロギの天敵はクモ、カエル、ムカデ、カマキリ、トカゲ、鳥類などが知られています。

コオロギの対策

コオロギは夜間に活動し、一晩で野菜がほとんど食べられてしまったということもあるため、種まきや苗を植えたら、早めに対策を行うことが大切になります。特に7〜8月ごろに小さいコオロギが多く見られる場合は、秋の被害を予想して早めに対策を考えておくことが大切になります。
効果的な対策は以下の3つです。

①防虫ネット

コオロギ被害を防ぐ最も有効な方法は防虫ネットで野菜を囲うことです。苗を植えた時点で、もしくは発芽する前に囲いましょう。囲った後も中に潜り込んでいる場合があるので、野菜が食べられていないか、こまめにチェックしましょう。

②代わりのエサをおく

コオロギは畑の中に餌が十分にない場合、より積極的に野菜の苗を食べようとします。そのため他にコオロギが好んで食べるものを畑に設置しておくことで、野菜の被害を少なくするという方法もあります。特にオススメなのは米ぬかで、野菜から離れたところに米ぬかをまいておくと野菜よりも優先的にそちらを食べようとします。

③生態系を複雑にする

さまざまな種類の野菜を組み合わせることで、生態系も多様になる

ハウスのような密閉された空間でない限り、コオロギが完全に畑に入らないようにすることは不可能に近いです。殺虫剤などでコオロギを殺したとしても、それを食べる天敵生物も数を減らしてしまう可能性があり、時間が経つと逆にコオロギが以前より増えてしまうということもあります。そのため家庭菜園ではコオロギをいなくすることよりも、「生態系を複雑にしていく」という考え方をおすすめしています。

生態系が複雑になると、特定の虫だけが急激に増えるということが少なくなります。畑の中の生態系を複雑にするための最も単純な方法は畑に生えている植物の種類を多様にすることです。さまざまな種類の野菜やハーブを植えたり、雑草も邪魔にならないものであれば適度に残しておいたりすることで、それぞれ住み着く虫や微生物が異なるため、自然と生態系も多様になり、特定の虫だけが大量発生する可能性が低くなります。生態系が複雑になるまでには時間がかかりますが、長い目で見るとこちらの方が楽になっていきます。

この発想とは逆に、コオロギが潜みやすい雑草や敷きわらを完全に取り除くことで、コオロギが増えないような環境にしていくという考え方もあります。ただし他の益虫にとってもあまり望ましい環境ではなく、畑の中の生態系は安定しにくいため、特定の害虫が発生しやすくなるリスクもありますので、それらを考慮した上で方針を選択しましょう。

コオロギには多様な役割がある

コオロギに野菜が食べられるととても悲しいものですが、一方で虫の死骸を分解して土を豊かにしてくれたり、雑草の種を食べてその数をコントロールしたり、害虫を食べてくれたりなど、野菜づくりにとってメリットとなる働きもしてくれています。その数をむやみに減らそうとするよりは、野菜が最低限の被害で済むような対策をしていきましょう。

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