多種多様な検査・分析を自社で行う、厚生労働省の登録検査機関
1955(昭和30)年創業の日吉は、約90種の多種多様な事業認可を受ける厚生労働省の登録検査機関です。分析・測定部門をはじめ、200種類超、延べ約2000の資格を保有する社員たちが、確かな技術と長年培ってきた分析経験を生かして、『はかる・みる・まもる』の視点から暮らしをまもるを理念に、幅広いサービスを提供しています。
たとえば、「環境に優しい方法で栽培された安心安全な農作物を食べたい」という消費者が、昨今注目しているGAP。認証されると信頼性の高い農業生産者や団体であることをアピールできますが、取得に欠かせない年1回以上の農産物中の残留農薬検査の実施や、水・土壌・肥料などの安全性の確認が、ネックとなっている生産者も多いようです。そんな時にひと役買ってくれるのが、必要な検査・分析を行う、日吉のワンストップ・サービスです。「国内での検出頻度が高い農薬を中心に、コスト面も重視した『GAP向け200項目』など、導入しやすい検査セットもご用意しています」と営業部の片岡 太郎(かたおか たろう)さん。
また、「実は、安易に6次産業化を始めようすると、食品製造を家庭調理の延長とお考えの場合があり、食品製造業として担保しなければならない衛生面等でつまずく方も多いのです。例えば、農業水の検査は任意ですが、食品製造に用いる水の検査は義務となります。また、商品ラベルの賞味期限や栄養成分の表示も科学的な裏付けが必要となります」とも。
日吉では一人ひとりの生産者に合わせて必要な検査を提案し、分析するだけでなく、その結果から商品の優位性を導き出し、付加価値を高めるためのコンサルティングまでを手がけています。
実例)海外輸出を視野に入れ、320項目の検査を選択した岡山の桃農家
「くだもの王国おかやま」の代表的な果実である桃を、倉敷市浅原で60年間育て続ける桃農家の「桃里庵(とうりあん)」。受け継ぐ技術と先人の知恵、歴史を守りつつ、新しい時代にチャレンジするため、2016(平成28)年に「農地所有適格法人 果樂(からく)株式会社」を設立しました。
圃場は、約2.5ha。桃の木が本来持っている力を十分に生かし、できるだけ自然のままに育てる超弱剪定栽培で、20品種ほどの約400本を育てています。なかでも「桃の女王」とも称される清水白桃は、知名度も人気も高いのですが、旬の時期がわずか2週間ほどしかありません。そこで、「清水白桃の味わいを1年中楽しんでもらいたい」と、3年の月日をかけて皮付きのまま生に近い状態で長期保存できる『水熟桃(すいじゅくとう)』を開発したのです。
「3年前から残留農薬の検査は行ってきましたが、『水熟桃』の海外輸出を考えはじめると同時に、それに必要な検査機関を探しはじめました」。そう話す社長の土居 栄太郎(どい えいたろう)さんは、この春、情報収集のために訪れた大阪開催の農業イベントで日吉を知ることに。
「何社か話を聞いたのですが、ここなら納得できる価格で、トータルに分析してもらえると感じたのが決め手でした。今からやろうとしていることへの対処法をはじめ、いろいろなアドバイスをしてくれたことも大きかったですね」と振り返ります。
土居さんが利用しているのは320項目にわたる検査・分析。安全性はもとより「栄養成分や香りも数値化できるので、生の時とどう変わるのかを確認できます。数値だけでは理解しにくい部分もあるのですが、担当の片岡さんが数値の解釈の仕方やそこから読み取れる情報を分かりやすく説明してくれます。それをもとに、よりよい商品を作っていきたいと思っています」。さらに今後は、「検査・分析で得られる情報を生かし、桃以外の果実を用いた商品開発も行う予定」と意欲を見せます。
意外と簡単。残留農薬検査なら分析に必要な数量の試料を送るだけ
「どのくらいの費用が必要なのか」「手順が煩わしいのではないか」「もし思わぬ結果が出たらどうしよう」など、検査や分析を初めて依頼する時はさまざまな不安が頭をよぎるかもしれません。しかし、ご心配は無用です。
まずは、日吉が年に1~2回参加する展示会やホームページで、サービス内容と費用を確認してみてください。分からないことやさらに詳しく知りたい内容があれば、ホームページのお問い合わせページや電話でも質問できます。
ご相談内容によっては、「その分析、本当に必要ですか?」とお話することもあります。生産者それぞれが目指すゴールに必要な検査を提案。お問い合わせの時点ではたとえぼんやりとしたご要望であっても、丁寧な聞き取りで明確化し、適切なアドバイスを行えるよう心掛けています。正式に依頼をしたら、いよいよ検査のための準備です。たとえば、農産物や加工品の場合、検査・分析の対象によって異なりますが、GAP認証向け(150~320項目)の検査なら、適量のサンプルを宅配便で送るだけ。分析結果は、それぞれに設けられた期日までに手元に送られてきます。
「まったく使用していない農薬が検出されるなど、予想外の結果となる場合もありますが、その原因を一緒に探り解決方法を考えていきますので、まずはお気軽にお問合せください」。
農の安全・安心をトータルサポートするパートナーとして、今後も日吉は走り続けます。
〇お問い合わせ先はこちら
〇分析依頼シートはこちらからダウンロード
お客様からよくいただく質問をまとめました
Q1 GAPとはなんですか?取得するメリットは? |
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農業生産の各工程において点検・記録を行い管理することで農産物(食品)の安全性を確保し、より良い農業経営を実現する取り組みです。第三者による審査・認証制度を活用することで、適切な農場管理を実践している信頼性の高い農業生産者であることを社会にアピールすることができます。GAP認証農場は消費者にとっても、農産物バイヤーにとっても、安心して購入・取引できる農場です。 |
Q2 日吉でGAP認証を取ることはできますか? |
日吉ではGAP認証を取ることはできません。日吉ではGAP認証にかかわる検査をご提案させて頂いています。 |
Q3 どのような検査が必要ですか? |
GAP認証では農産物、使用する水、土壌、肥料に対して安全性の確認が求められています。例えば、JGAPでは残留農薬検査の実施を求められており年1回以上残留農薬検査を実施し、農薬使用が適正であることを確認することとなっています。現在日本では作物ごとに許可されている農薬が異なりその種類も800成分を超えるものとなっています。農薬の適性使用は使用した農薬だけでなく近隣からのドリフトなども考慮する必要があり、弊社では多成分一斉分析をご提案しています。その他農産物、使用水、土壌、肥料に対してGAPで求められている管理点に適した検査をご提案しています。 |
Q4 費用を教えてください。 |
検査内容により費用は異なりますが、農産物の農薬検査では3.5万円~となっています。また、弊社では年間契約でさらに検査費用がお得になる取り組みを実施しております。 |
Q5 検査には何日くらいかかりますか。 |
検査内容によりますが大体1週間~2週間ぐらいです。 |
Q6 6次化を考えています。必要になる検査は何がありますか。 |
6次化を考えておられる場合、食品表示法による栄養成分分析をおすすめしております。また、他との差別化をした商品開発のお手伝いとしてさまざまな有用成分の分析も行っております。 |
Q7 検査は郵送でできるのですか? |
試料を郵送・宅急便を利用して送付頂くことが出来ます。 |
Q8 日吉の検査特徴は何ですか? |
弊社はさまざまな許認可を取得している検査会社であり、GAP管理で求められている国の登録検査機関、ISO17025認定、日本GAP協会が推奨する機関のすべてを満たしています。その許認可に基づく信頼性を特徴としています。また、さまざまな最新機器を駆使し、多くの項目を自社で分析することができる数少ない検査機関です。 |
Q9 G-GAP/A-GAP取得の為の分析(対応)は可能でしょうか? |
可能です。 |
<お問い合わせ先>
〇株式会社日吉
https://www.hiyoshi-es.co.jp/
・所在地 〒523-8555 滋賀県近江八幡市北之庄町908番地
・TEL (0748)32-5111
・FAX (0748)32-4192
<取材協力>
〇果樂株式会社
https://karakuinc.com/tourian/
・所在地 〒710-0007 岡山県倉敷市浅原1862-2
・TEL (086)527-8281
・E-mail info@tourian.jp