夜の鳥獣から畑を見守る 話題のトレイルカメラを使ってみた

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夜の鳥獣から畑を見守る 話題のトレイルカメラを使ってみた

夜の鳥獣から畑を見守る 話題のトレイルカメラを使ってみた
最終更新日:2019年10月11日

秋になるとまたケモノたちが活発に動き出します。適切に鳥獣害対策をするためには、自分の畑に「どのようなケモノが来て、どこから侵入しているのか」をつかむことが大事。今回はそんな時に役に立つ「トレイルカメラ(自動撮影カメラ)」を実際に使ってみました。トレイルカメラでできること、価格や選び方などをご紹介します。

トレイルカメラって何?

私が購入したトレイルカメラ「SG-011」(輸入元:株式会社 GISupply)。ネット通販で2万円弱。トレイルカメラは電気屋やホームセンターよりも、専門店やネット通販の方がいろいろ選べる

トレイルカメラとは、動物の熱を検知して自動的に撮影をしてくれる「自動撮影カメラ」のことです。カメラに搭載されている赤外線センサーが、動物などの「動く熱源」を感知すると、カメラが作動するという仕組みです。
トレイルカメラのほとんどが暗闇の中でもきれいに撮影できる「夜間撮影」に対応しています。また、静止画だけではなく、動画が撮影できるもの、最近の機種では設定した時間間隔で定期的に撮影してくれる「タイムラプス」という機能が搭載されているものもあり、アイデア次第で多様な使い方ができます。
今回のように鳥獣害対策に利用することはもちろん、猟師が動物の巣を見つけるため森林に仕掛けたり、あるいは盗難や不法侵入などに対する防犯の目的で使用されることもあるようです。

シカの群れの撮影に成功

午前4時頃に畑に来たシカの群れ。画像で確認できるだけで5頭もいる。恐ろしい光景。画像の右下にはその時の気温と日時が記録されている

電気柵を設置して以来、ケモノの被害がいっさいなくなった私の畑にトレイルカメラを仕掛けても、幸いなことに、写真に写るのは作業中の私くらいで、動物は撮影できませんでした(電気柵については、最下部にある関連記事をご覧ください)。
そこで、ケモノの被害に困っている近所の人にお願いして畑に設置させてもらいました。この畑は開拓中のもので、どんなケモノが出るかによって、とる対策を考えているところでした。
翌朝にカメラを確認すると、シカの群れが草を食(は)む連続写真。一挙一動、撮影されていました。

中央に見えるのがシカの群れ。およそ15メートル離れたところに対象物がいても、このようにセンサーが感知し、撮影してくれる

シカが多いと分かれば、電気柵や防獣ネットの高さなどをシカに応じたものにでき、確実に対策ができます。文字通り「暗中模索」して、イノシシ向けにフェンスを設置するなどということもなく、本来は必要のない出費を抑えられそうです。

トレイルカメラ選び 私のポイント

いざトレイルカメラを購入しようとネットで検索すると、5000円前後のものから5万円以上するものまで、幅広い価格帯の商品が出てきます。私が購入したのは株式会社GISupply(ジーアイサプライ)が輸入している「SG-011」というカメラで2万円弱。ちょうど中間の価格帯です。

SG-011本体とは別に、電池8本(うち4本は予備バッテリー用)とSDカードが必要

私がカメラを選ぶ際にポイントにしたのは「照射ライトの種類」「画角」「センサー感度設定の有無」の3つです。

照射ライトの種類

照射ライトは、一般的なカメラでいう「ストロボ」のようなものです。
トレイルカメラの場合はその特性上、強い光を一瞬放つストロボではなく、「赤外線LEDフラッシュ」という、動物や人間の目に見えない光(ノーグロー)、あるいは見えにくい波長を持つ光(ローグロー)が使われているものがほとんどです。
私の場合、トレイルカメラを狩猟にも使いたかったので、より動物に警戒されにくいノーグローのSG-011を選びました。ローグローよりも写真の鮮明さは劣るようですが、美しい写真を撮影したいわけではないので、これにしました。夜にカメラの前を通っても、いつ撮影されたかわかりません。
赤外線LEDではなく、白色LEDが搭載されているカメラもあります。可視光線ですが、赤外線LEDが夜間にはモノクロでしか撮影できないのに対して、こちらは夜間でもカラーの静止画や動画が撮影できるのが特徴です。

画角

動物が思わぬところから侵入しても撮り逃しがないように、画角、つまり撮影できる範囲はより広いものを選びました。一般的には60度前後のようですが、ワイドレンズを搭載したSG-011はセンサー反応角度が110度、実際の撮影範囲が100度です。

センサー感度設定の有無

背面についたボタンで細かな設定ができる

動物を感知する赤外線センサーは、外気温と動物の体温の差で反応します。気温が高い夏は、その差がわずかになるために反応が悪くなりがち。また、冬場は差が大きいため、たとえば樹木の葉っぱの照り返しなどにも反応してしまい、「無駄打ち」する恐れがあるそうです。無駄打ちすると、バッテリーも無駄になってしまいます。
開けた畑は、季節や天気の影響によって外気温が激しく上下します。撮り逃しなく、また、バッテリーを節約するためにセンサー感度を調整できるほうがいいと思いました。

アイデア次第でいろいろな使い方ができそうなのがトレイルカメラ。使い方も選び方も、撮影した写真から何を得て、どう役立てるかも、人それぞれ。新しい「農具」として、自分の目的に合わせて使いこなせば、さまざまな場面で役に立つと思います。

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