奥深いりんごの世界を“萌え断”で紹介
りんごの品種数は、世界では約15,000種、日本では約2,000種、主産地の青森県にあるりんご試験場では約300種存在すると言われている。(※青森県内で栽培されている品種は約50種で、そのうち市場に出荷されているものは約40種)
多種多様な「切り口」を通じて、りんごの魅力を再発見できるハンディタイプの書籍「りんごだんめん図鑑」が10月、小学館から発売された。大きさや色、蜜の詰まり具合や食感などが異なるりんご42品種の味や親の交配品種といった特徴を掲載。巻末には、味が「甘い」「酸っぱい」、食感が「かため」「やわらかめ」という軸で分類した、全品種の「分布図」が付いており、自分好みの品種を見つけることができる。
中央の種が星形に見えるため「スターカット」と呼ばれる方法で切られたりんごの写真は、表皮や果肉の色、模様のように見える蜜の入り方が一つ一つ異なり、眺めているだけで面白い。
きっかけはSNS 「いちごだんめん図鑑」の第二弾
作者のわたなべまこさんは、以前築地・豊洲といった卸売市場の食材を紹介するサイトの制作・運営に、デザイナーとして携わっていた。食材の魅力を発信する目的で制作した「いちごの断面図」がSNSで話題となり、「いちごだんめん図鑑」を出版することとなった。
#苺の断面図 カタログ Ver.04を公開します。今回は5品種を追加、ペチカ・はるみ・恋みのり・なつあかり・寒紅いちご(コレは商標)。章姫やゆうべになど、一部の苺の断面図写真も差し替えてバージョンアップしております(^-^)v
クレジット消さなければご自由にお使い頂けます!🍓 pic.twitter.com/gVwCwDOHnR— 築地市場ドットコム (@tsukijiichiba) 2018年1月13日
同書が好評だったため、第二弾としていちごと同じように広く親しまれているりんごの図鑑を発行することが決まった。わたなべさんはTwitterの投稿を通して、きれいな断面図の写真を撮るための裏話や、おすすめの品種への思い入れなどを発信している。
念のため、縦も横も林檎の断面図をおさえたので苺の時よりも撮影に時間がかかったのでした~。縦の写真、お蔵入りになってしまって勿体ない…。綺麗な断面図に出会えるまで何個でもカットします。
もちろん、撮影に参加して下さった皆さんで🍎は山分けし、美味しく頂きました~😋#りんごだんめん図鑑 pic.twitter.com/ky7bFErAzM— わたなべ まこ@だんめん図鑑 (@danmenzukan) October 20, 2019
#秋映(あきばえ)出ました~。信州のりんご三兄弟の長男で #りんごだんめん図鑑 にも掲載されています。他の🍎に比べて明らかに外皮の色が濃くて暗めなんですが、撮影ってライト当てるから明るく写っちゃったりしてね。印刷する時の色にとても苦労した🍎ちゃんです。#林檎の断面図 pic.twitter.com/g5GgWrqome
— わたなべ まこ@だんめん図鑑 (@danmenzukan) October 29, 2019
編集を担当した小学館の香藤裕紀さんは、「少ない文章のなかにも、農家さんの熱意や、ネーミングに込めた思いなどをお伝えしたつもりなので、きっと一般読者の方にも楽しみながらりんごのことをもっと好きになってもらえると思います。日々、なにげなく口にしている物が、生産者さんのいろんな思いが詰まったものなのだ、とほんのちょっとでも気付けることが、食生活をより豊かにし、また、シンプルに楽しいことでもあるかな、と思いました」と語る。
今シーズンは、新たなりんごとの出会いを楽しんでみてはいかがだろうか。