生態系を創る「協生農法」とは?ソニーCSLが六本木ヒルズで実証実験

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生態系を創る「協生農法」とは?ソニーCSLが六本木ヒルズで実証実験

生態系を創る「協生農法」とは?ソニーCSLが六本木ヒルズで実証実験
最終更新日:2019年11月30日

「生産性と環境破壊のトレードオフからの脱却」を掲げ、ソニーコンピュータサイエンス研究所(以下、ソニーCSL)が、ユニークな農法の実証実験を進めています。その農法とは、土地を耕さずに無肥料・無農薬で、100種類以上の野菜や果樹を混生・密生させて栽培する「協生農法」。植物のポテンシャルを最大限に引き出しながら、生態系自体を作り上げるという協生農法が、都市空間でも成り立つことを実証すべく、11月から東京・六本木ヒルズの屋上庭園で実験を行っています。

「協生農法」とは?

協生農法とは、多種多様な植物が与えられた環境条件のなかで、競合や共生をしながら各々最大限に成長する「生態学的最適化状態」を作り出し、植物の特性を活かしながら生産する栽培方法です。
①無耕起②無施肥・無農薬③種と苗以外は一切持ち込まない という制約条件の中で、多種多様な野菜や果樹を混生・密生させて、食料生産だけでなく、環境や生物の健康に与える影響も考慮した方法で、有用な植物を栽培します。
(これに対して慣行農法では、単一種の生育条件を最適化するために、環境条件を変えて生産性を向上させます。)

近代農業の発展と引き換えに世界で進む環境破壊や、人口増加によって危惧される食料危機の解決を目指し、同社は西アフリカなどを舞台に協生農法の実証実験と普及に尽力しています。

食料生産と生物多様性の回復を両立

六本木ヒルズ屋上庭園で、野菜や樹木を植え付けるプロジェクトメンバーたち

ソニーCSLは、協生農法を通して都市空間に「循環する生態系ネットワーク」を実装するための実証実験を、森ビルと共同して六本木ヒルズの屋上庭園で始めました。

異なる3タイプ(黒土・赤土・軽量土)の土を入れたプランター5個に、キャベツ・ダイコン・ハクサイ(アブラナ科)、シソ・ミント(シソ科)、レタス・ゴボウ(キク科)、ダイズ・エンドウ(マメ科)など、野菜・果樹100種類以上を植え付け、生育状態の変化を観察します。さらに庭園の土壌にも直植えし、合計200種に上る果樹・野菜を栽培しています。

循環する生態系ネットワークのイメージ図

同社の北野宏明代表取締役社長兼所長は、
「協生農法は、食料生産と生物多様性の回復と増進を両立させる新しい手法として、環境や食料問題、途上国の貧困など、現代社会が直面する様々な課題を解決に導く可能性を秘めています。
生物多様性を高めることは、砂漠化が懸念される地域に限定されず、都市を含む全球規模で取り組む必要のあるテーマでもあります。今回の実証実験によって、協生農法を通した持続可能な社会を目指した様々な試みについて、多くの人が体感したり、学習する機会が増えることを期待しています」と、コメントしました。

協生農法実践マニュアル 2016年度版(※pdf)

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