【農家の確定申告】青色申告のメリットと決算書の書き方を知ろう

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【農家の確定申告】青色申告のメリットと決算書の書き方を知ろう

【農家の確定申告】青色申告のメリットと決算書の書き方を知ろう
最終更新日:2019年12月03日

個人事業主が青色申告をする際、青色申告決算書が必要になります。
決算書は、1年分の収入と経費の詳細を細かく分類します。前年と今年の経営成績を比較することができるので、来年の経営計画に役立てることができます。確定申告を事務作業で終わらせないために、農家さんが初めて確定申告をするシーンに沿って、税理士である筆者が有効な決算書の書き方を解説します。

確定申告とは?

個人事業主は、自分で確定申告をする必要があります。
自ら生産した農作物を販売して得た所得は「農業所得」といい、農業所得を得た場合は
青色申告または白色申告のいずれかの方法で確定申告をします。どちらの方法でも必要なのは、その年の所得金額を算出することです。

写真上から「確定申告書B」、白色申告用の「収支内訳書」、青色申告用の「青色申告決算書」

今回は、新米農家さんと一緒に青色申告に必要な決算書を作成するシーンに沿って、書き方を解説します。

農家

事務作業って苦手なんですよね。確定申告、青色申告、決算書の意味もよく分かっていないし……。

税理士

確定申告はただの事務作業ではありません。1年間の経営を数字で振り返ることで、来年もこのままの経営でよいのか改善点を見つけたり、攻めの経営計画を立てたりすることもできるんですよ。
確定申告

確定申告は、1年間の所得金額とそれに対する所得税を計算した結果を税務署に申告し、所得と税額を確定させることをいいます(※)。
その年の所得を確定させるために、個人事業主は自分で所得金額を計算し、その所得を確定申告書に記載します。
※ サラリーマンや年金受給者など、一定の方は確定申告の提出が必須ではない場合もあります。

青色申告による場合は「青色申告決算書」、それ以外の場合(一般に白色と呼ばれています)は「収支内訳書」に計算金額の詳細を記載し、確定申告書と共に税務署へ提出します。

農業所得用はこちら。青色・白色で様式が異なります。農業所得用の他、一般所得用、不動産所得用がありますので注意してください

青色申告のメリット

農家

青色申告のメリットはなんですか?

税理士

条件はありますが、最大65万円の控除を受けられる「青色申告特別控除」のほか、損失(赤字)を3年間繰り越せたり、家族への給与を経費計上できたりすることがあります。

※ 「設備投資税制」「相続税・贈与税の税制特例」などの税制上の特例を受けるためには青色申告が条件となるものがたくさんあります。

青色申告とは

取引を記帳し、その記帳に基づいて正しい申告を行う制度をいいます。青色申告するためには、期限内に税務署へ「所得税の青色申告承認申請書」を提出する必要があります。

農家

メリットがあることは分かりましたが、節税対策をするほど収入も無いしなぁ。

税理士

青色申告に必要な「青色申告決算書」を作ることで、お金の流れを見える化できます。収入アップにむけて来年何をしたらよいか、見通しをたてることもできるんですよ。

農家

そういえば、毎月の売り上げしか気にしていなかったです。

税理士

農業の場合は毎月の売上額が一定ではないですし天候にも左右されます。毎月の生活費はほぼ同額でも、毎月の手元に残るお金は一定ではありません。資金管理も含めて経営計画をたてることが大切です。
決算書を経営計画に生かしていきましょう。
経営計画とは

将来の展望を明確にし、そのための行動を計画することをいいます。
決算書を作成すると、決算書が読めるようになっていきます。1年間の経営結果と資金の流れが把握できるようになり、経費や利益の予測をたてられるようになります。
当初の計画がどのくらい有効であったかを検討し、その翌年以後の経営戦略を練ります。
他にも、例えば販売価格の設定や販路拡大のために割ける経費などが計算できるようになります。

農家

青色申告をする意味が分かりました!

税理士

では、青色申告決算書を作成してみましょう!

青色申告決算書の書き方

青色申告決算書は全部で4ページあります。
こちらからダウンロード・印刷できます。

手書きで提出する場合には、提出用にボールペンで清書し、コピーを1部ずつとり、コピーを自分用の控えとすると便利です。控え用は、提出用と一緒に税務署へ提出し(郵送の場合には切手を貼った返信用封筒を同封)、収受印をもらってください。

1ページ目に記載する内容

  1. 収入金額
  2. 経費
  3. 各種引当金・準備金等、青色申告特別控除額、所得金額

青色申告決算書(1ページ目)

税理士

1ページ目の損益計算書には、1年間の経営成績(もうけ)を記入します。
収入金額から、それを得るためにかかった経費や控除額を差し引いた金額が「所得」です。
家族給与(青色事業専従者給与)や青色申告特別控除などを控除する前の、右上の「㊱差引金額」が本当の農業経営の「もうけ」と思っていただければよいです。

①~⑥は収入金額です。決算書2ページ目の数字を転記します。
㉒雇人費、㉜㉝の棚卸高、㊶専従者給与も2ページ目の数字を転記します。
⑳減価償却費は3ページ目の数字を転記します。
㊼青色申告特別控除額は4ページ目の数字を転記します。

収入金額

1ページ目の左上は、収入金額を記載します。
①販売金額には販売後まだ入金されていない売り上げも記載してください。
②家事消費・事業消費は自家利用のことです。
③雑収入は販売収入以外の収入や事業分配収入などを記載します。
決算書の2ページ目に内訳を記載し、合計額の数字を転記します。内訳は次回の記事で紹介します。

経費

1ページ目の左下から真ん中にかけて、経費を科目ごとに記載します。
科目ごとに分けて書くことで、経営分析ができるようになります。具体的には予実管理を行い、経営改善できるようになります。
減価償却費は3ページ目から転記してください。
生活費は経費になりません。プライベートで使った支出と事業のために使った支出とが混ざらないようにしてください。

各種引当金・準備金等、青色申告特別控除、所得金額

決算書1ページも終盤です。
㊲貸倒引当金は、現実的にはあまり使われません。
㊶専従者給与は、2ページ目の内訳合計から転記します。
㊸準備金等の特例を受ける場合には㊸などの空欄に記載してください。
㊼青色申告特別控除額は、4ページ目から転記します。

収入金額から経費等を控除し、青色申告特別控除額等を控除した㊽の金額が、本年の農業所得の金額となります。

次回以降解説する、収入と経費その他の詳細を計算し、決算書の1ページ目に転記をします。確定申告書の作成にとりかかる前に青色申告決算書を完成させていきましょう!

次回は、計上漏れしやすい収入や、節税対策といわれている家族給与について解説します。

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