【福島県双葉郡】聖火の輝きのように、「農業復興」への道に明かりを灯す

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【福島県双葉郡】聖火の輝きのように、「農業復興」への道に明かりを灯す

【福島県双葉郡】聖火の輝きのように、「農業復興」への道に明かりを灯す
最終更新日:2020年02月25日

東日本大震災における東京電力福島第一原発事故の影響により、長期にわたって避難生活を余儀なくされている「福島県双葉郡」では、震災前の生活を取り戻すためにさまざまな取組を行っています。
中でも地域の基幹産業である農業は、生産者と行政、J Aが一体となって農業復興に尽力し、震災前の実り多い大地を取り戻しつつあります。
そんな双葉郡の現状と農業復興への取組を、『J A福島さくらふたば地区本部』と広野町の農業法人『有限会社フロンティアひろの』、それぞれの視点でご紹介します。

『JA福島さくらふたば地区本部』の農家支援への思い

『JA福島さくらふたば地区本部』

『JA福島さくらふたば地区本部』の社屋。ここを拠点に職員が営農再開に向けて奔走しています

『JA福島さくら』は、3市8町2村を4つの地区(ふたば地区、郡山地区、たむら地区、いわき地区)に分けて管理しています。

原発事故の影響を大きく受けたふたば地区ではいまだ帰還困難区域に指定されている地域を残しながらも、営農再開に向けた取組が行われています。

『JA福島さくらふたば地区本部』の柚原正広(ゆはらまさひろ)営農企画課長

営農サポートについて思いを語る『JA福島さくらふたば地区本部』の柚原正広(ゆはら・まさひろ)営農企画課長

「帰還した農家のみなさんが安心して営農を再開できるようサポートすることが私たちJAの務めです」

と、話すのは同地区を管轄する『JA福島さくらふたば地区本部』の柚原正広(ゆはら・まさひろ)営農企画課長。

同JAでは定期的にヒアリングやアンケートを実施し、生産者が求める支援を見極めながらサポートしています。

現在、ふたば地区では農地の集積を行い、水稲栽培を中心に営農再開が進んでいます。
栽培品種は福島県オリジナルブランド米の『天のつぶ』や『里山のつぶ』など。
原発事故により休耕を余儀なくされた農地でも稲が倒れにくく、栽培しやすいことから『JA福島さくら』としても推奨しています。

「避難指示が続くなか、生産者の懸念は農地が放置されることでした。行政による農地の保全管理は行われていても営農再開後、収入につなげるだけの品質・収量が確保できるか不安はつきません。『天のつぶ』や『里山のつぶ』は営農再開後の農地でも力強く育つ品種です。福島県オリジナルブランド米で農業復興を実現するため、私たちも全力でサポートしたいと考えています」。

さらに、タマネギやブドウ、花きなど新たな品目にチャレンジする生産者が増えているふたば地区。

生産者が再び農業で生計を立てられるよう、『JA福島さくらふたば地区本部』では、今後も支援体制の強化を図る方針です。

『JA福島さくらふたば地区本部』が行う支援内容

・作付面積の拡大に向けた支援
・農機や資材購入のための融資相談
・行政と連携を図りながら各種支援制度や補助金申請などの相談
『JA福島さくら』復興対策等の事業紹介はこちら

新規就農者の受け入れ体制の整備に向けて

営農再開に向けた農地の整備が順調に進むなか、次なる課題が生産者の確保です。

『JA福島さくらふたば地区本部』の営農企画課、大森誠(おおもり・まこと)さんは、住居や研修先などの受け入れ体制の整備が急務と話します。

「新規就農者の受け入れには農家・行政・JAが一体となり、長期間の研修や農業法人等への雇用、そして新規就農者が独立する際の農地の確保など支援することが必要であると思います。JAとしては農業体験や研修等の受け入れ体制の整備や取組から始まり、独立した新規就農者がやがて大規模担い手となるまでのロールモデルを作ることで、ふたば地区での農業に魅力を感じてもらいたいと考えています」。

「作付けができない時期は、農地が除染土壌の仮置き場となり、本来の姿からかけ離れた状態でした。その風景を前に、1日も早く農業を再開したいという生産者の思いこそが、農業復興の力です」と、柚原さん。

福島県全体をみると、農業再生は途中ではあるものの、作付面積は拡大しています。
その背景には管内の至る所に広がっていた「かつての田園風景を取り戻したい」という、古里への思いが込められています。

新規就農者受入のための各機関の取組

■生産者-新規就農者、研修の受入・サポートなど
■行政-就農相談、居住環境の確保、補助金申請、研修先の紹介、技術指導など
■JA-就農相談、補助金相談、技術指導など

農業復興の中心的農業法人『有限会社フロンティアひろの』の挑戦

『フロンティアひろの』代表の芳賀吉幸さん

営農再開の中心となった農業法人『有限会社フロンティアひろの』代表の芳賀吉幸さん

『JA福島さくらふたば地区本部』の管内のひとつ、広野町は、緊急時避難準備区域が2011年9月30日に解除されたことから、震災後すぐに農地保全に取り組み、営農を再開した地域です。

その中心となった『有限会社フロンティアひろの』では、双葉管内の水稲の育苗作業を請け負い、広野町では田植えを約10ha、及び乾燥調製等の受託作業を約30ha請け負っています。

代表の芳賀吉幸(はが・よしゆき)さんは「ふたばはひとつ」を合言葉に、地域の農業復興を支えています。

「震災後、営農再開を遅らせないためにも、震災から2年後には『コシヒカリ』の作付けを行いました。この時の経験が、後に避難指示解除となった近隣の市町村の良い手本になったと思います」。

現在は、推奨品種の1つである『天のつぶ』を作付けしています。

地域の水稲を根幹から支える「育苗」。この播種機で1万枚を超える苗を作ります

地域の水稲を根幹から支える「育苗」。この自動播種機(はしゅき)で1万枚を超える種を播種します

現在、5人のスタッフで水稲育苗作業を行う同社。
今後、生産者の高齢化や後継者不足により、水稲育苗、収穫、乾燥調製等の委託作業の増加が予想されます。

育苗施設の増築も検討中ではあるものの、『有限会社フロンティアひろの』もまた、人材不足が大きな課題となっていると芳賀さんは言葉を続けます。

「農地が集積され、作付面積が拡大されるのに比例し、苗の数と労働力も必要とされます。真の農業復興を目指すためには、新たな担い手の育成が必要不可欠ではないでしょうか」。

震災後、社名の通り広野町を開拓(フロンティア)するかのように営農再開に尽力した芳賀さんは、行政や『JA福島さくら』と連携し、新規就農者の研修受け入れや雇用も視野に入れ、双葉郡の農業振興に力を注いでいきたいと、力強く語っていました。

2020年3月26日、東京五輪・パラリンピックの国内聖火リレーは管内の楢葉町にある「Jヴィレッジ」からスタートします。

春を迎えた双葉郡はかつての実りの大地を取り戻すため、聖火とともに輝き続けることでしょう。

■問い合わせ先■
JA福島さくらふたば地区本部 営農経済部 営農企画課
住所:〒979-1132 福島県双葉郡富岡町大字下郡山字真壁300
電話:0240-22-5415
『JA福島さくら』ホームページはこちら

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