野菜の葉に白い線! ハモグリバエの対策とは【畑は小さな大自然vol.74】

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野菜の葉に白い線! ハモグリバエの対策とは【畑は小さな大自然vol.74】

連載企画:畑は小さな大自然

野菜の葉に白い線! ハモグリバエの対策とは【畑は小さな大自然vol.74】
最終更新日:2020年05月19日

こんにちは、暮らしの畑屋そーやんです。野菜の病気や害虫による症状にはさまざまなものがあります。その中でも特に面白い模様だなと思うのが、葉に白いグネグネの線。まるで小さな子供が葉にラクガキをしたような模様です。実はこれはハモグリバエという害虫の仕業で、野菜の生育を阻害したり、商品価値を落としてしまうことがあるので、農家には嫌われ者です。一体どうやってこんな模様を描いているのか、その対策はどうするのか紹介していきます!

事件発生! 葉に白い模様の正体は?

そーやん! エンドウの葉に変な模様が出てきたんですけど、これはなんですか? 病気? 害虫?

生徒

そーやん

あ〜これはおそらくハモグリバエですね。
ハモグリバエ? これってハエが原因なんですか?

生徒

そーやん

正確にはハモグリバエの幼虫ですね。葉の中で、葉肉を食べながら進んでいくので、その痕が白くなるんですよ。エンドウなどのマメ科以外にもナス科のナス、トマト、ウリ科のキュウリ、メロン、キク科のシュンギク、セリ科のニンジン、セロリとかでも発生します。

ハモグリバエの成虫

このグネグネした白い線は幼虫が食べたあとなんですね。

生徒

そーやん

面白い模様ですよね。お絵描きしているみたいな模様なので、別名「エカキムシ」とも呼ばれているみたいです。
絵描き虫!ってなんか可愛いですね。このままにしとくと野菜が枯れちゃうとかありますか?

生徒

そーやん

この状態だとそんなにまだ食べられてないので、枯れたりはしないですが、数が増えて食べられ過ぎてしまうと、やっぱり生育を阻害する原因にはなるので、注意はしていた方がいいですね。

発生しやすい時期は?

まだ被害は少しですけど、これからハモグリバエが増えちゃったりしないか心配です。

生徒

そーやん

そうですね。ハモグリバエはだいたい20〜30度ぐらいの温暖な気温が好きみたいです。なので春から夏にかけてのこの時期からどんどん増えていきやすくはなりますね。特に梅雨明けの7月ごろが活動が一番活発になります。
そうか〜じゃあ特に春から夏にかけては、注意しなきゃですね。

生徒

そーやん

はい、さらにビニールハウスなどの年中暖かい場所だと年中発生するみたいです。

ハモグリバエの対策とは?

対策①手で潰す

ハモグリバエの対策はどうやってすればいいんですか?

生徒

そーやん

まず一番シンプルな方法は幼虫を手で潰す方法ですね。白い線の先端の方にいることが多いので、見つけて手で潰します。
う〜、そういうの苦手です。。。

生徒

そーやん

僕も苦手です(笑)。なのでよほど多く発生しない限りは、発見しても潰しません。家庭菜園の場合は自分たちで食べる用の野菜で、売るわけではないので、そこまで徹底して殺す必要はないですしね。あとは葉っぱごと摘み取るのでもいいですよ。

対策②天敵の利用

ハモグリバエにも天敵がいるんですね!

生徒

そーやん

はい、カマキリやジョロウグモなどの肉食昆虫の他に、幼虫に卵を産み付けて寄生する蜂もいますよ。
え〜ちょっと気持ち悪いですね。

生徒

そーやん

そうですね(笑)。でも畑の中ではとても大切な虫です。野菜害虫のことを調べていると、害虫の種類だけそれの天敵となる寄生蜂がいるんじゃないかっていうくらい、いろんな種類の寄生蜂がいるみたいなんです。ハモグリバエもそうですが野菜を食害する害虫はたいていの場合、繁殖力が旺盛なので、こういった天敵の存在はありがたいですよね。
なるほど〜、私たちにとっては心強い味方なんですね! そういった天敵をハモグリバエ対策に利用できたりもしますか?

生徒

そーやん

特定の天敵だけをコントロールして増やすのは難しいです。仮に天敵だけ増えてもエサとなる害虫が減れば、天敵も減っちゃいますからね。でも畑の中に害虫もいて、天敵もいて、ただの虫もいてというように多様な種類の生き物がいる状態が作れると、特定の害虫だけが突出して増えるということがなくなります。ビニールハウスや植物工場などの密閉された空間ならまだしも、露地の畑では害虫を完全にいなくすることはまず不可能ですからね。
いろんな生き物がいる状態ってどうしたらできるんですか?

生徒

そーやん

野菜でも雑草でもよいので、多様な種類の植物が畑に生えている状態にしましょう。そうすると植物の種類によって集まる虫が違うので、自然と虫の種類も多様になっていきます。野菜だとナス科とかウリ科とか、できるだけ科目が違う野菜を組み合わせると良いですよ。雑草も野菜の生育を邪魔しない場所であれば適度に残しておくとかですね。
なるほど。それならできそうです。

生徒

アブラナ科のキャベツとキク科のレタスなど、違う科目で相性の良いものを組み合わせる

そーやん

あとハモグリバエの天敵となるような寄生蜂が生物農薬として売られているものもありますよ。ただこういったものは一応農薬として登録されているので、きちんとした使用基準を守らないと罰金もありますので、注意が必要です。

対策③防虫ネットの利用

モンシロチョウよけに防虫ネットを張ったりしますが、ハモグリバエにも有効ですか?

生徒

そーやん

防虫ネットは野菜が大きく育ってしまった状態だと被せるのが難しいですが、まだ小さい苗の時や、レタスなどの背が低い野菜には、とても有効な方法ですね。野菜は特に苗の時期にやられると生育に大きく影響するので、被害が予想される場合は、他の害虫に対しても有効なのでオススメの方法ですよ。ただモンシロチョウより小さいので、網目が1ミリ以下のものを選びましょう。

対策④黄色い粘着テープの利用

そーやん

あとハモグリバエの成虫は黄色が好きらしく、黄色い粘着テープをつるしておいて捕まえるという方法もありますね。
あ〜アブラムシ対策の時に使ったことあります! 黄色が好きな虫って多いんですね。

生徒

対策⑤ワラや雑草マルチで乾燥を防ぐ

そーやん

あとはビニールマルチをしていると、梅雨明け以降にハモグリバエが発生しやすくなる原因になることがあるようです。
ビニールマルチをしているとなんでハモグリバエが出やすくなるんですか?

生徒

そーやん

ハモグリバエは乾燥した環境が好きなようで、ビニールマルチをしていると根元部分の温度が上がり乾燥するので、ハモグリバエが発生しやすくなるんですよね。春の間は地温を上げて初期成長を促すので、ビニールマルチはとても有効ですが、梅雨明け以降はワラやイネ科の細長い雑草の葉を利用して、土を覆ってあげると土の高温・乾燥を防げます。

ハモグリバエが大発生しない畑の環境を整えよう

なるほど。とりあえず今は被害が大きくないので、そこまで対策を急ぐ必要はなさそうですね。これから増えてきたら、手で潰すか、防虫ネット、粘着テープの使用を考えてみます! 雑草マルチもすぐできそう。

生徒

そーやん

そうですね。農家だとちょっとした害虫被害でも商品価値を落としたりするので、徹底した害虫駆除が必要になったりします。でもハモグリバエなどの害虫の繁殖力ってやっぱりすごいので、完全に防ごうとするには労力もコストもかかるんですよね。だから家庭菜園では害虫を全部いなくするというより、数が増えすぎないようにするという意識を持つ方が楽ですし、長続きしますよ。
害虫っていてはいけないものって思ってましたが、そんなに焦って退治する必要はないんですね。

生徒

そーやん

自然界は多様な生き物がいることで、バランスを保っているので、畑でもできるだけ多様な生き物がいる環境を整えてあげると、結果的に害虫が大発生することも少なくなっていきます。今回紹介したハモグリバエの具体的な対策と共に、いろんな種類の植物が生えている環境を整えたり、微生物が豊富な土づくりを行うなどの地道な作業も続けていくといいですよ。
はい! いろんな種類の野菜や花も植えてみようと思います!

生徒

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