知ってもらうではなく覚えてもらう名刺作り
名刺の一般的な基本サイズは91×55ミリです。この小さなカードの中に自分が何者であるかの情報を入れて相手に伝えるわけですが、あなたは受け取った名刺をどうしていますか? 名刺フォルダで整理している人、名刺アプリで管理している人、どの方法でもかまいませんが、1年前に受け取った名刺を再び見ることはありますか?
私の場合、ほとんどありませんでした。という事は相手も同じことが考えられるのではないでしょうか? 運命的な出会いがあり、名刺を受け取ったにもかかわらずそのまま放置です。幸運にも新たな出会いが生まれ、自己紹介できるチャンスが訪れたのです。知ってもらうのではなく覚えてもらえるような名刺を作ってみませんか。
タケイファームの名刺
私の名刺には表面に情報、裏面には野菜の画像を印刷してあります。

表面には情報

裏面には野菜の画像
注目してほしいのは、表面右下のシリアルナンバーです。
100枚単位で発注し、次の発注の際にはシリアルナンバーが増えるため、この後は020、021……と変わっていきます。
それに伴って裏面の野菜画像も変わっていきます。ふと疑問に思った人もいるかもしれません。通常、部署が変わったり役職が変わったりしなければ名刺は変わりません。ひな形を作る経費がかかってしまうからです。しかし、現在はネットの時代。名刺の作成もオンラインでデータを送るだけですので、内容を変えても変えなくても金額は毎回同じです。
2つのメリット
私の名刺には2つのメリットがあります。
- データのアップデートが可能
- 同じ人に再び渡せる
1. データのアップデートが可能
仕事をしていると新しい情報が増えてきます。その中で今伝えたい事を発注するたびにアップデートすることができます。
仕事で京都へ出かけた時の話です。名刺を渡したら「何県にお住まいですか?」と聞かれました。そうなのです。東京のすぐ隣の千葉県松戸市。都内で松戸市といえばわかるのですが、関西ですと、松戸市の知名度は全くなかったのです。すぐに名刺に千葉県を追加しました。
私の最初の名刺と現在の名刺です。

シリアルナンバー001の記載は松戸市からでした

019の記載は千葉県から。さらに現在関わっているプロジェクトの情報も追加
2. 同じ人に再び渡せる
毎年定期的に開催している交流会に参加しました。一度に何十人もの人と名刺交換をした場合、全ての人を覚えられるでしょうか。残念ながら私にはその能力が備わっていませんので、1年前に渡した人に再び名刺を渡してしまうことがありました。相手は私を覚えてくれていて、大変失礼な事をしてしまったのです。今では、「前にも頂いています」と言われても「裏面の画像が変わったのです」とすんなり新しくアップデートした名刺を渡すことができるようになりました。

左上からシリアルナンバー001~006の名刺裏面

左上から007~012

左上から013~018
初めましての出会いも大切、再会の出会いも大切
初めましての人だけでなく、久しぶりの人にも積極的に名刺を渡しましょう。
先日このような出来事がありました。再会した方から後程お仕事の連絡がきたのです。初めてその方にお会いしたのは2年ほど前でした。久しぶりに再会していつものように渡した名刺。2年前に渡した名刺は、おそらく名刺フォルダの中に埋もれていたと思います。連絡があったのは名刺を渡してすぐだったので、フォルダで管理する前に再び私を思い出してくれたようです。
侮るなかれ! 名刺一枚のチカラ
私は新しい名刺ができるとSNSでアップしています。その記事を読んだ人が「久しぶりに会いたいですね」と連絡をくれる事があります。そういう人は私の名刺をフルコンプリートしています。相手が会いたくなるように仕向けることも必要なのです。名刺を受け取ってもらえるような仕掛けを作る(裏面を野菜カードにするなど)ことが大切なのです。
初めましての時は何も起こらなくても、1年後の再会でお互いの仕事から新たな仕事が生まれることがあります。そんな時は新しい展開が始まるものです。
総務省統計局によると2020年2月1日時点の日本の人口は1億2601万人だそうです。
さらに世界に目を向けたらものすごい数の人が存在するわけですが、いったい人生の中で何人の人と出会うことができるのでしょうか。昨日会った人、先ほど会った人、明日会う人、この奇跡的な出会いを大切にしてみませんか。きっかけはいつも何気に持ち歩いている名刺一枚から始まります。
一枚の名刺が生み出す力。あなたの事を知ってもらうためではなく、覚えてもらうことで素敵な出会いを作り、売り上げアップにつながる人脈作りをしていきましょう。
【名刺の経費はケチるなかれ】
ファームを始めた時、名刺の必要性を感じ市販されている名刺用紙を購入してPCで自作しました。とにかく1円でも節約したかったのです。必死で考えて完成した名刺は、単に情報を入れてあるカード。今だからこそ言えることですが、名刺にかかる費用はそれほど大した金額ではありません。プロに任せてより良い名刺を作成しましょう。
名刺は誰もがすぐに手にすることのできるコミュニケーションツールです。
ここは経費の節約をするところではありません。