グレープフルーツとは? 基本をおさらい
グレープフルーツは、ミカン科ミカン属グレープフルーツ種の柑橘(かんきつ)で、18世紀に西インド諸島のバルバドスで発見されたと言われています。ブンタンとオレンジが自然交配したもので、1823年にアメリカのフロリダに伝わりました。大正時代に日本にも伝来しましたが、寒さに弱く日本の気候が栽培に向かなかったため普及せず、1971年の輸入自由化によって一般家庭にも身近なフルーツとなっていきました。主な産地はアメリカや南アフリカで、基本的に一年中出回っていますが、それぞれ旬の時期があり、アメリカ・フロリダでおいしいグレープフルーツが収穫できるのは4~5月頃で、南アフリカでは6~10月頃が旬となります。また近頃では、日本国内でも熊本県や和歌山県、愛媛県などの温暖な地域でもわずかながら生産されるようになってきました。またグレープフルーツという名前はブドウ(グレープ)の房のように1本の枝にたくさんの実がなることに由来し、1814年にジャマイカで呼ばれ始めたと言われています。
グレープフルーツの種類
グレープフルーツは果肉の色によって大きく3つの品種に分けられます。
ホワイト・マーシュ
グレープフルーツの中でも一番多く流通しており、皮が黄色く果肉は白黄色をしています。果汁が多く、さわやかな甘酸っぱさがあります。他の種類と比べると、やや酸味やほろ苦さを感じます。
ルビー/ピンク・マーシュ
いわゆる「ピンクグレープフルーツ」と呼ばれる品種で、果肉が赤みがかったピンク色をしていることからルビーという名前がつきました。外見はホワイト・マーシュと同じ黄色からややオレンジ色で、現在輸入されるグレープフルーツの半分がルビーであると言われています。ホワイト・マーシュよりも酸味がまろやかで甘みも楽しめます。
果肉が薄いピンク色の「ピンクマーシュ(トムソン)」という品種もありますが、こちらは生産数が少なくあまり出回りません。
スタールビー
皮はピンク色で、果肉はルビーよりもさらに濃い赤色をしています。この鮮やかな赤色は、β-カロテンやトマトなどに含まれるリコピンによるものです。こちらもホワイト・マーシュと比べると、ほろ苦さや酸味は控えめで甘みがやや強いのが特徴です。
グレープフルーツの基本の切り方
【グレープフルーツの切り方がわかる画像】
1. よく洗い、グレープフルーツのヘタと底の部分を切る
グレープフルーツをよく洗い、上下をカットします。身を切り落とし過ぎないように2、3回に分けて切るのがおすすめです。
2. グレープフルーツを片手で持ち、クルクル回しながら皮をむいていく
グレープフルーツを片手に持ち、りんごの皮むきのようにクルクルと回しながら皮をむきます。身の部分だけが残るように、厚い外皮と白い皮を一緒にむいていきます。
3. 薄皮と身の間に包丁を入れていく
薄皮と身の間に包丁を入れながら身だけを切り出します。身を切り出したら、皮を倒すようにして次の身を切り出します。
グレープフルーツのおいしい食べ方
半分に切ってそのまま食べる
忙しい朝でも、スプーンですくって手軽に食べることができます。苦みが苦手な方は、ハチミツや砂糖をまぶしても。
フレッシュジュースにする
半分に切って搾るのはもちろん、コールドプレスジュースやスムージーもおすすめです。ミキサーにかける際は、種や皮を取り除くと苦みが出にくくなります。
身だけをきれいに切ってさまざまなレシピに使用する
ゼリーやサラダに使用したり、カクテルやサワーのトッピングにしたりするもよし。
ほろ苦さや酸味がアクセントになり、さわやかな香りが食欲をそそります。ホワイトとルビーを合わせて使うのも彩りが華やかになりおすすめです。
グレープフルーツのカロリーと栄養
果物別・可食部100gあたりのカロリーと糖質量
グレープフルーツのカロリー・糖質量は、他の果物に比べると少ないと言えます。
また、ホワイトやルビーなどの種類によるカロリー・糖質量の違いはほとんどありません。
果物名 | カロリー | 糖質量 |
---|---|---|
グレープフルーツ | 38kcal | 7.5g |
梨 | 43kcal | 8.3g |
リンゴ | 57kcal | 12.4g |
バナナ | 86kcal | 19.4g |
主な栄養素
グレープフルーツには、糖質、ビタミンC、カリウム、食物繊維などの栄養素が含まれています。中でもビタミンCが豊富で、同じ柑橘類で比較すると温州(うんしゅう)ミカンよりも多く含まれます。ルビーなどの紅肉種ではβ-カロテンやリコピンも豊富です。
グレープフルーツの効果・効能
苦み成分であるフラボノイドの一種ナリンギンには、食欲抑制効果や脂肪の分解を促進する作用があります。また、グレープフルーツジュースと果皮油から発見されたヌートカトンという香り成分には、交感神経を活性化することによる脂肪燃焼効果が期待されています。カリウムの利尿作用によりむくみを軽減し、引き締まった体に近づけてくれます。食物繊維による便秘解消効果やビタミンCによる抗酸化効果でさびにくい体づくりにもおすすめです。
注意! グレープフルーツと薬の併用
グレープフルーツには、一部の薬の作用を阻害し、副作用を起こすおそれのある成分が含まれるため、投薬中の方は注意が必要です。グレープフルーツ自体はもちろんグレープフルーツジュースも同様なので、併用の際は医師へ相談しましょう。
低カロリーなのに栄養豊富なグレープフルーツをおいしく食べよう
デザートにも料理にも、幅広く楽しむことができるグレープフルーツ。さわやかな香りや甘酸っぱさだけでなく、低カロリーで栄養豊富なのもうれしいポイントです。季節を問わず一年中手に入れることができるので、いつもの食生活にプラスしてはいかがでしょうか。
監修:日本野菜ソムリエ協会