野菜の葉に黄色い斑点! べと病の特徴と対策【畑は小さな大自然vol.85】

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野菜の葉に黄色い斑点! べと病の特徴と対策【畑は小さな大自然vol.85】

連載企画:畑は小さな大自然

野菜の葉に黄色い斑点! べと病の特徴と対策【畑は小さな大自然vol.85】
最終更新日:2020年06月23日

こんにちは、暮らしの畑屋そーやんです。野菜の葉に黄色い斑点ができ、だんだん褐色に枯れていくという病気にかかったことはありませんか? もしかしたらそれはべと病という病気かもしれません。キュウリやカボチャ、ネギ、ホウレンソウなどでよく発生する病気です。早めに発見し、病気の原因を特定できれば、ベと病の被害を最小限にできるかもしれません。べと病の特徴と対策についてご紹介していきますので、ぜひお読みください。

べと病の特徴と見分け方

べと病は雨の多い時期に多く発生し、キュウリ、カボチャ、メロンなどのウリ科野菜やネギやタマネギ、ホウレンソウ、白菜、レタスなどで発生する病気です。初期症状としては葉に黄色い斑点が浮かび上がります。次第にその部分が褐色になって枯れていきます。葉脈の内側の部分が枯れていくため、角張った病斑になるのが特徴です。下葉の方から発生しやすく、次第に上の方の葉へ進行していきます。

似たように葉に斑点ができる病気として、炭疽(たんそ)病や斑点病などがあります。こちらも同じように最初は黄色い斑点ができますが、ベと病と違って病斑が角張っていません。色もより濃い褐色をしています。

炭疽病のキュウリ

ハダニやアザミウマなどの葉の養分を吸う害虫の被害にあった時も、同じように黄色い斑点が葉にできることがあります。ただしこちらの場合は、斑点がとても小さく、裏を見るとハダニやアザミウマなどの小さい虫が付いているので見分けは簡単につきます。

ハダニの被害にあったキュウリの葉

べと病の病原体は?

べと病の病原体は糸状菌つまりカビです。カビですので多湿な環境で発生しやすくなります。胞子を飛ばして広がり、水滴が葉に付いているとそこから感染が広がりやすくなります。カビの菌は土の中にもたくさんいますので、雨などで泥が跳ねた際にカビの菌が葉に付着して、そこから広がるということもあります。ベと病の発生しやすい気温は野菜の種類によって異なりますが、これはそれぞれ病原体となるカビの種類が少しずつ異なるからです。例えばキュウリやカボチャなどのウリ科野菜に発生するべと病は、20〜25度くらいの温暖な気温で発生しやすくなりますが、ホウレンソウのべと病は7~15度の比較的低い温度で発生しやすくなります。

病気は3つの要素が重なった時に発症する

べと病に限らず、野菜の病気は3つの要素が重なった時に発症します。それは①抵抗性、②病原体、③環境の3つです。野菜がその病気に対する抵抗性を持っておらず、病原体に感染し、病原体が増えやすい、もしくは野菜が生育しにくい環境に野菜があるという3つの要素が揃うと、病気が発症します。そのためこの3つの要素に対して総合的に予防・対策を行うことが、野菜の病気対策を考える上で重要になってきます。

ベと病の予防と対策

べと病の予防・対策の方法を①抵抗性、②病原体、③環境という3つのアプローチから考えると、それぞれ以下のようになります。


①べと病に抵抗性を持った品種や接ぎ木苗を利用する
②べと病の病原体を広げない
③べと病が広がらない環境を作る

これらを詳しく解説していきます。

①べと病に抵抗性を持った品種を利用する

抵抗性を持った品種ですと、例えべと病の病原体がいる畑であっても、発症しにくくなります。
キュウリやホウレンソウ、ハクサイ、レタスなどではべと病に抵抗性のある品種が販売されていますので、タネの袋を見て確認してみてください。

②べと病の病原体を広げない

ピーマンの根元にイネ科雑草を敷いている様子

べと病の病原体となるカビは土の中に当たり前にいる菌なので、これ自体を完全になくすことは難しいです。ですので土から野菜のほうにカビが移らないように、ビニールフィルムやワラ、枯れ草などを畝の上に敷いて、泥はねを防ぎます。また葉や脇芽を取り除く際に、土で汚れた手で触るとそこからカビが発生する場合もあるので注意しましょう。べと病らしきものが発生した場合はその葉を早めに取り除いて、感染の拡大を防ぎましょう。

またベと病対策で使える自然農薬として、重曹やお酢、木酢液を水で薄めて葉裏などに散布する方法もあるようです。僕自身は使ったことがないので、どの程度効果があるかは分かりませんが試してみるのもよいでしょう。ただしこれらはベと病が発生する前か、発生した初期段階でないと効果はないと思います。あくまでも予防的な手段として考えておくとよいかと思います。

③べと病が広がらない環境を作る

ベと病の病原体となるカビの菌は、ある程度は土の中にいて当たり前なのですが、環境が整うと大発生して問題を引き起こします。まずはカビのエサとなるものが多い場合です。これは完熟堆肥(たいひ)などではなく、水分を含むと臭いを発するような未熟な堆肥を入れた場合に発生しやすくなります。生ゴミや雑草、落ち葉などもそのまま土に入れるとカビの菌が増えやすくなるので注意します。

またべと病の病原体は多湿環境で発生しやすいので、とにかく土の水はけを良くすることが大切です。水がたまるような畑では、畝を高めにし、水路をしっかり掘って、畑の外に水が流れ出るようにしましょう。

そしてカビの菌なので、やはり風通しや日当たりが大切です。地表面に近いところは特に風通しや日当たりが悪くなりやすいので、黄色くなっている下葉は全て早めに取り除き、脇芽も下の方の30〜50センチあたりにあるものは取り除いて、風通しを良くしましょう。

早めの発見・対処が大切

べと病は一度その症状が広がってしまうと対処の難しい病気です。ただ早めに発見できた場合は、その葉を取り除いて風通しや日当たりを改善することで、治る場合もあります。特に雨の多い時期はこまめに野菜の葉の様子を観察して、早期発見・対処をしましょう。ただそもそも地表面が裸になっていたり、畑の水はけが悪かったり、または野菜自体が栄養不足などで健康的でなかったりすると、どうやってもべと病の広がりを防げない場合もあります。対症的な方法と根本的な予防の両方からべと病の対策を行いましょう。

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