会津の「へそ」。湯川村に「おいしい」が育まれる理由
東に秀峰・会津磐梯山を仰ぐ会津盆地のほぼ中央に位置する福島県湯川村。
総面積16・37㎢ほどの小さな村は、「おいしい米の産地」として県内外から高く評価されています。
その秘密は寒暖差のある気候と肥沃な大地。
そして、生産者の緩みない努力と愛情。
さまざまなお米の品種が村内で栽培されるなか『会津コシヒカリ』は「米の食味ランキング」で最高位の「特A」ランクを獲得しています。
「米の一反あたりの収穫量が県内一である湯川村は、減農薬や減化学肥料の栽培にも取り組んでいます。人口約3000人と本当に小さな村ではありますが、生産者を始め、地域住民が四季折々に輝く田園風景や美味しい作物に誇りを持っていることが湯川村一番の自慢です」。
そう話すのは『湯川村役場 産業建設課 商工観光係』の芳賀友洋(はが・ともひろ)さん。
湯川村の全人口のうち、0才〜14才までの割合が福島県第3位ということからもわかるように、子育て支援に力を入れていることも大きな特徴です。
豊な自然の中に子供たちの笑い声が響き、おいしい新鮮な農産物を毎日いただく幸せ。
湯川村は地域一丸となってその穏やかな日常を守り続けています。
そんな湯川村の魅力を自宅に居ながらにして体感できるのがグルメアプリ『KitchHike(キッチハイク)』とのコラボで行われた食体験のオンラインイベントです。
参加者には事前に湯川村の郷土料理や食材が送られ、地域の食文化をオンラインワークショップというカタチで体験することができます。
7月4日(土)に昼の部と夜の部の2回にわたって開催されたイベントはどちらも満員!
湯川村と全国からの参加者が「おいしい」で繋がったイベントの模様(夜の部)をご紹介しましょう。
オンラインワークショップでレクチャー!美味しいお米の炊き方と「芋三五八漬け」の作り方
今回、提供された食材は「漬物キット・日本酒・精米・お料理4品」。
お米はもちろん、味・ツヤ・香りの三拍子そろった湯川村産「コシヒカリ」です。
『湯川村×KitchHike』のメニューを紹介
- 夏野菜のラタトゥイユ
- カリフラワーとカブのギリシャ風マリネ
- 鶏胸肉と青野菜のサラダ仕立て
- 牛肉とアスパラガスのタリアータ
ワークショップでは県内外のイベントで培ったノウハウを生かして芳賀さんがレクチャー。
参加者もキッチンにパソコンやスマートフォンを持ち込み、同時進行でお米を炊きます。
参加者の1人は昨年開催された湯川村オフラインイベントで湯川村産の米を食べて以来、大ファンという東京都在住のIさん(昨年の様子はこちらの記事を参照)。
今年も開催を楽しみにしていたと、嬉しそうに話してくださいました。
「自宅のキッチンでみなさんと繋がりながら料理を作るという体験はとても新鮮でした。湯川村からのライブ映像や臨場感あふれるプロモーションビデオも紹介され、旅行を擬似体験しているようでとても楽しかったです」。
ワークショップでは福島会津地方の郷土料理「芋三五八漬け(いもさごはちづけ)」の作り方を「道の駅あいづ 湯川・会津坂下」のスタッフで野菜ソムリエの池添(いけぞえ)さんが作り方を紹介。
新鮮なキュウリとアスパラを食べやすい大きさにカットし、ジャガイモ糠に漬けていきます。
珍しい漬物に参加者も興味津々。
炊き立てのご飯とともに美味しくいただきました。
湯川村自慢の食材をフレンチにアレンジ。純米酒「瑠璃光」のペアリングに感動!
地酒、純米酒『瑠璃光(るりこう)』も参加者全員に届けられました。
湯川村産のコシヒカリ を原料に醸造されたその味わいは、ふくらみのある爽やかな飲み口が特徴。
「地元のお店やふるさと納税の返礼品等でしか入手できない貴重なお酒とあって、とても楽しみにしていました。飲みやすい口当たりはお料理との相性も抜群です!」と、宮崎から参加のYさん。
『瑠璃光』にぴったりな料理を担当するのは出張専門の料理ユニット、ノマドキッチンです。
会津産牛肉やアスパラガス、スナップエンドウ、カリフラワー、カブ、ズッキーニなど湯川村の自然の中で育まれた食材をフレンチの要素を取り入れた料理へと昇華。
絶品料理に舌鼓を打つ参加者からは「美味しい!」や、「日本酒によく合う」などの声が。
「素材が本当に素晴らしいので素材の味を活かすこと、日本酒に合うように調理しました」と、シェフの田浦幸太郎(たうら・こうたろう)さん、平野井浩二(ひらのい・こうじ)さんも湯川村の食材を絶賛。
参加者からは料理に関する質問も多く寄せられ、ワークショップは大いに盛り上がりを見せました。
県内一小さな村で、日本一贅沢な時間を
湯川村の会場には三澤豊隆(みさわ・とよたか)村長もサプライズ参加し「湯川村の食材は美味しいですか?」など、参加者に直接語りかける場面も。
同村にとって初めての試みとなるオンラインイベントに三澤村長は、交流人口につながる良いきっかけづくりになればと期待を寄せます。
「風光明媚な湯川村の四季を映した動画や、役場職員とのディスカッションも含め、多くの方に湯川村のことを知ってもらうことができました。遠くは九州から参加いただくなど、オンラインならではの交流だと感じます。ぜひ、次回は湯川にお越しいただき、五感で湯川の魅力を感じていただけたら嬉しいですね」(三澤村長)
また、初めての試みでありながら大成功を収めたことに、企画立案から携わってきた芳賀さんは、「本当に感謝の言葉に尽きます。食を通して多くの方に湯川村を知っていただけたことが大きな収穫となりました」と、笑顔で話してくださいました。
自宅のキッチンで湯川村の「美味しい」を共有するオンラインイベント。
日本一小さな村に流れる贅沢な時間は、これからも変わらぬ姿で時を刻み続けます。
今度はその豊かな時間を五感に感じ、身を委ねてみませんか?
■問合せ先■
福島県湯川村 産業建設課 商工観光係
〒969-3593
福島県河沼郡湯川村大字清水田字長瀞18番地
電話:0241-27-8831
湯川村ヨンヨンプロジェクトもご覧ください