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秋の定番野菜、人気の調理法はここまで違う! “クックパッドの中の人”が教える注目の新顔野菜は?

連載企画:レシピ検索で知る!旬の食材とメニュー

秋の定番野菜、人気の調理法はここまで違う! “クックパッドの中の人”が教える注目の新顔野菜は?

10月から12月に旬を迎える「さつまいも」「里芋」「ごぼう」。いずれも定番の野菜ですが、食べ方は世の中の動きに合わせて、変化しています。料理レシピ投稿・検索サービス「クックパッド」のストラテジックプランナー・安井遥香(やすい・はるか)さんに、利⽤者の検索・アクセスログを活⽤して見えてきた食べ方のトレンドを教えてもらいました。さらに、これから注目の「3つの新顔野菜」の情報もあります。生産者さんもぜひご参考に!

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10~12月の注目は「さつまいも」「里芋」「ごぼう」

晩秋から冬にかけて、根菜類が旬をむかえます。ここでは、10月から12月に旬を迎え、検索頻度(SI値 ※)が高くなる「さつまいも」「里芋」「ごぼう」をとりあげます。野菜の名前と一緒に検索される言葉にも注目し、作物ごとの食べ方のトレンドを探りましょう。

※SI値:クックパッドでの検索1,000回あたりのキーワードの検索回数

秋冬の定番野菜SI値キーワード比較グラフ

データ期間:2019年1~12月

「さつまいも」×「お菓子」

さつまいもは、通年、毎日のお弁当メニューやおかずメニューとして、また主菜・副菜として活用され、子供にとっても食べやすい万能食材です。クックパッド内での検索のピークは、旬を迎える10月、11月にニーズが高まります。
この時期の特徴として、「おかず」メニューとして食卓に登場する頻度が増えるのに加え、「お菓子」「おやつ」「ホットケーキミックス」といった菓子類メニューとの組み合わせも伸長します。
特に旬ものは購入・調理頻度が高くなるため「レシピのマンネリ化」「食材を余らせてしまう」といった課題に直面する人が増えてきます。そこで、日々のおかずメニューに加えて、異なる食シーンでのニーズが高まり、菓子類のレシピが求められていると考えられます。

さつまいもの組み合わせ分析

※ マッチ度:「さつまいも×おかず」といった、材料とメニューなどを組み合わせて検索される割合

さつまいもの組み合わせワード

「さつまいも」の組み合わせ分析(2019年/月別)

「里芋」×「冷凍」

一般的な里芋は通年流通していますが、品種により旬が少しずれます。
クックパッド内での検索ピークは11月で、味付けが肝になる「煮物」との組み合わせ検索が多く見受けられます。

また、近年伸長している検索キーワードが「冷凍」との組み合わせです。
里芋の面倒な下処理をまとめて済ませて冷凍保存する人が増えており、その保存方法や市販の「冷凍里芋」を使ったレシピを知りたい人のニーズが高まっています。

「冷凍野菜」は忙しい主婦にとって、時間と手間が省略される優秀食材として食卓に浸透してきています。

里芋のマッチ度グラフ

さつまいもの組み合わせ分析

「里芋」の組み合わせ分析(2009~2019年)

「ごぼう」×「炊き込みごはん」

関東を中心に栽培されているごぼうは、晩秋から冬が旬になり、クックパッド内での検索のピークは11月となります。

ごぼうとの組み合わせ検索を経年で見てみると、定番メニューである「サラダ」「きんぴら」「煮物」が減少傾向であるのに対し、「から揚げ」が伸長、「炊き込みごはん」は再ブレイクの兆しがうかがえます。
「炊き込みごはん」は、近年伸長しているメニューです。働く女性が増え、調理に対して時短・簡便が強く求められる昨今、一食あたりの品数が減り「ごはんのおかず化」が一般的になりつつあります。

ごぼうのマッチ度グラフ

ゴボウの組み合わせ分析

「ごぼう」の組み合わせ分析(2009~2019年)

炊き込みご飯の組み合わせ分析

10~11月が旬の新顔野菜 「四角豆」「菊」「四方竹」って?

次に、10月から11月に旬を迎える注目の新顔野菜をご紹介します。
今回は、「四角豆」「菊」「四方竹」をとりあげます。3品とも、クックパッドでの検索頻度は高くはありませんが、近年上昇傾向にあります。

SI値キーワード比較グラフ

※2020年7月28日現在

四角豆(しかくまめ)

しかくまめ

四角豆はタイ、インドネシア、マレーシアなどの熱帯アジアで広く栽培され、日本へ輸出もされている野菜です。
日本では沖縄を中心に栽培出荷され、食べ頃の時期は9月から10月です。

クックパッド内での検索のピークは10月となっており、組み合わせて検索されているキーワードは「てんぷら」「サラダ」といったメニューに加え、近年では「茹(ゆ)でる」「下処理」といったキーワードが伸長しています。珍しい野菜であることから、基礎知識として、調理方法や食べ方を検索していることがわかります。

四角豆マッチ度グラフ

四角豆の組み合わせ分析

「四角豆」の組み合わせ分析(2009年~2019年)

菊

食用菊は苦みが少なく、食べる部分の花びらが大きくなるように品種改良されたものの総称です。花びらが筒状に丸まっているため、食用菊を食べるとキュッとした独特の食感が味わえます。一般的な平たい花びらの菊を食べても同じような食感にはなりません。

つま用の小菊や黄菊は通年栽培出荷されていますが、品種別に旬は異なります。産地・青森県の「阿房宮(あぼうきゅう)」は10月下旬から11月上旬、山形の「もってのほか」は9月上旬頃から12月初旬まで、新潟の「かきのもと」は10月中旬から11月中旬までが出荷のピークです。
クックパッド内での検索のピークは、10月から11月となっており、組み合わせて検索されているメニューキーワードは「おひたし」「酢のもの」です。食用菊の魅力であるシャキシャキとした食感や、黄色や紫といった鮮やかな色を楽しめるようなメニューを求めているようです。

菊の組み合わせ分析

「菊」の組み合わせ分析(2009年~2019年)

四方竹(しほうちく)

四方竹

四方竹は中国が原産とされる竹の一種で、旬の時期は10月の上旬から中旬にかけての短い期間となり、季節外れのたけのこです。一般的なたけのこの旬は春から初夏であるため、その時々の旬なたけのこを購入することで、通年にわたって楽しめる食材なのかもしれません。

クックパッド内での検索のピークは10月から11月となっています。
一般的なたけのこは「炊き込みごはん」や「煮物」といったメニューが想起されやすく、検索ニーズも非常に高いのですが、四方竹と組み合わせて検索されているメニューキーワードを見てみると「炒めもの」が急伸長しています。斜め切りにして野菜炒めとしても使える食材として、一般的なたけのこと違った楽しみ方ができるのも一つの魅力なのかもしれません。

四方竹のマッチ度グラフ

四方竹の組み合わせ分析

「四方竹」の組み合わせ分析(2009年~2019年)

【クックパッド】
クックパッドは、“毎⽇の料理を楽しみにする”というミッションのもと1998年3⽉に開始した料理レシピ投稿・検索サービスです。現在の投稿レシピ数は320万品を超え、国内では⽉間約5800万⼈に利⽤されています。また、世界74カ国・地域、32⾔語でもサービスを展開しています。(2020年3⽉31⽇時点)

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