ネギを長持ちさせる保存方法
ネギは保存方法によって、保存期間が異なります。自分に合ったお好みの方法を選んでみてくださいね。
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ネギの種類と保存方法
ネギは、食べる部分によって長ネギ(根深ネギ・白ネギ)と葉ネギ(青ネギ)に大きく分けられます。関東では長ネギが主流ですが、関西では葉ネギが好まれ、葉ネギを若どりしたものを小ネギと呼びます。よく耳にする万能ネギも小ネギであり、ブランド名です。
長ネギは冷蔵、冷凍、常温でも保存が可能です。小ネギは葉が柔らかく腐りやすいので常温保存には向いていません。
保存方法と保存期間
ネギの保存方法による保存期間は下記の通りです。
冷蔵保存 | 10~14日程度 |
冷凍保存 | 1カ月程度 |
常温保存 | 泥付き冬で1カ月程度 |
水につけて保存 | 2週間程度 |
ネギは寒い冬場であれば、冷蔵庫以外でも保存が可能です。ネギに適した保存方法を行えば、最後までおいしい状態で食べることができます。
長ネギ・小ネギの冷蔵保存の方法
冷蔵保存は、ネギの食感を変えずに長期保存ができます。冷蔵保存の下処理をしておけば、新鮮なまま料理に使うことができ、料理もよりおいしく仕上がります。
長ネギの冷蔵保存
手順
- 長さを三等分に切る
- 濡らしたキッチンペーパーで包む
- ジッパー付き保存袋などに入れる
- 冷蔵庫で立てて保存する
- キッチンペーパーは乾いてきたら交換する
乾燥を防ぐために濡らしたキッチンペーパーをネギに巻いていきます。成長段階で縦に伸びようとするネギは、横に寝かせて保存すると縦に伸びようとして余分なエネルギーを使ってしまいます。そのため、立てて保存するのがポイントです。
小ネギの冷蔵保存
手順
- 小口切りにする
- キッチンペーパーで水気を拭き取る
- 保存容器に入れ冷蔵庫で保存する
葉の柔らかい小ネギは水気に弱いため、水気をよく切ってから保存しましょう。
同じネギでも、長ネギと小ネギでは長期保存に適した方法が変わってきます。それぞれの特性を生かして保存していくことがコツです。
長ネギ・小ネギの冷凍保存の方法
冷凍保存のメリットは、冷蔵よりも長期保存が可能で、風味を残したまま保存ができる点です。ネギをすぐに料理に使わない時には、冷凍保存を活用してみましょう。
長ネギの冷凍保存
長ネギはみじん切りや斜め輪切り、ぶつ切りなどさまざまな切り方で使うことの多い野菜です。用途によって、使い分けがしやすいように切り方を変えて冷凍保存をしましょう。
小ネギの冷凍保存
料理のトッピングとして使う機会の多い小ネギは、小口切りで冷凍がおすすめです。
洗って水気をしっかりと切り、小口切りにします。ジッパー付き保存袋などに重ならないように平らに入れ、冷凍庫で保存します。冷凍庫に入れてから30分後と1時間後に取り出して容器を3〜4回振ると小ネギがパラパラになり、使い勝手良く保存ができます。
冷凍保存の方法はとても簡単です。時間のある時にまとめて切って冷凍しておくだけで、ネギをダメにしてしまうことなく最後までおいしく食べ切ることができます。
長ネギは冬場なら常温保存も可能
長ネギは、寒い時期には常温で保存ができます。その際には、乾燥しないように工夫をしましょう。
常温保存の方法
長ネギを丸ごと保存する場合は、まず濡らした新聞紙で包みます。こうすることで、乾燥を防ぎ長持ちします。その上からポリ袋をかぶせ、冷暗所で立てて保存をしましょう。
泥付きの長ネギは、土に埋めて保存すると長期保存が可能です。ネギ農家さんによると、「立てて土を盛る方法であれば、根が生きていれば保存がきく」とのことです。土に埋めて保存ができる場合は、試してみてくださいね。
水につけて保存
常温保存では、ネギの根元を水につけて保存する方法もあります。ネギを空いた牛乳パックなどに立てて根元だけ水が浸かるように水を加えます。2日に1回程度は水を変えて、根が腐らないように注意して冷暗所で保存しましょう。
冬場のおいしいネギが一度にたくさん手に入ったら、常温での保存が便利です。長ネギを良い状態で保存し、最後までおいしく旬の味を楽しみましょう。
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作り置きに! ネギの保存食レシピ
ネギは調味料にアレンジして保存しておくと、料理をよりおいしく、コクのある仕上がりにしてくれます。
そんなネギの日持ちする調味料レシピをご紹介します。
おすすめレシピ① さっぱり! ネギ塩レモンペッパーだれ
【材料】(つくりやすい分量)
- 長ネギ…1本
- ごま油…大さじ2
- レモン汁…小さじ1
- 粗びき黒こしょう…適量
- 塩…小さじ1/2
- すりごま…小さじ1/2
【作り方】
①長ネギはみじん切りにする。
②ボウルに切った長ネギと調味料を全て入れ、よく混ぜ合わせる。
【ポイント】
レモンの爽やかさを利かせた、さっぱりとしたネギ塩ダレです。冷蔵庫で1週間程度保存が可能で、お肉やお魚、トマトやキュウリなどの生野菜とも相性抜群です。
おすすめレシピ② 簡単に作れる万能調味料! ネギ油
【材料】(つくりやすい分量)
- 長ネギ…1本
- 米油…200ml
- ニンニク…1かけ
【作り方】
①長ネギは斜め薄切りにする。ニンニクは輪切りにする。
②フライパンに油と①を入れ弱火にかけ、15分程度加熱する。保存容器に移し、粗熱が取れたら冷蔵庫で保存する。
【ポイント】
冷蔵庫で1カ月程度の保存ができます。チャーハンやラーメンなどに少し加えるだけで、深みのある味わいに変わります。使用する油は、熱に強い米油がおすすめです。
長ネギは、じっくり火を通した焼きネギなど、メインとして大活躍するだけではなく、他の食材を引き立て、風味とコクをプラスしてくれる脇役としても万能な野菜です。今回ご紹介した長ネギを使ったレシピも活用し、ネギの味や香りをより楽しんでみてはいかがでしょうか。
ネギを買ってきたまま冷蔵庫に入れて、乾燥してダメにしてしまう……そんなもったいないことになる前に、ささっと一手間加えて保存しましょう。
野菜を無駄にするストレスもなく、おいしい料理作りにつながります。今回ご紹介した保存方法をぜひ活用してみてくださいね。
ネギの効率的な食べ方は?
水にさらしすぎない
栄養素がたっぷり含まれている辛み成分の硫化アリルは水溶性のため、水にさらしすぎると栄養素が溶けてしまいます。ネギはあまり水にさらさずに使うか、煮込み料理などに使ってスープごと食べると、効率的に栄養を摂取することが可能です。
緑の部分も食べる
ネギの緑の部分には、白い部分とはまた違った種類の栄養素が含まれています。緑の部分は辛みがあり固めの食感ですので、料理に使わない方もいるかもしれません。しかし、肉や魚の臭み消しに使うなど、調理方法を工夫して上手に活用しましょう。
美味しいネギの選び方は?
太さが均一で巻きがしっかりしている
ネギは太さが均一で、巻きがしっかりしているものを選びましょう。収穫から時間が経ったネギは水分が抜けて弾力がなく、ふかふかした感触になります。購入前に軽く触って、なるべく弾力のある新鮮なネギを選ぶのがポイントです。
色の境目がハッキリしている
緑色と白色の境目がハッキリしているものもおすすめです。白い部分が長く色の境目がハッキリしているネギは、成長に応じて土寄せをするなど丁寧に栽培されているからです。
緑色が深く葉先までハリがある
深い緑色のネギは、みずみずしく新鮮である証拠です。また、根元から葉先までピンとしており、全体的にハリがあるものを選びましょう。
ネギにはどんな種類がある?
長ネギ(白ネギ・根深ネギ)
長ネギは、一般的にスーパーなどで見かける代表的なネギです。栽培時に成長に合わせて土寄せを行い、柔らかくて白い部分が長くなるように栽培します。
下仁田ネギ
下仁田ネギは、群馬県下仁田町で栽培されている太いネギです。上州一本ネギや殿様ネギなどと呼ばれることもあります。普通の長ネギより太くて短いのが特徴で、基本的に料理には白い部分のみ使用します。辛みが強く生では食べられないものの、熱を通して調理すると甘みが出るため、鍋物などの具材として最適です。市場に出回る量が少ないことから、贈答品として購入されることも少なくありません。
深谷ネギ
深谷ネギは、埼玉県深谷市で栽培されているネギのことを指します。繊維がきめ細かく甘みが強いのが特徴です。
曲がりネギ
曲がりネギは、生育の仕方によって曲がった形に育てるネギのことです。ある程度成長したネギを土から抜いて、横に寝かせて育てます。横に寝かせたネギが太陽に向かって成長していくため、途中から曲がった形になるのです。曲がりネギは太いネギの中でも、甘みやぬめりが強いのが特徴です。
リーキ(西洋ネギ)
リーキは、地中海沿岸地方原産の西洋ネギです。日本ではあまり馴染みのない品種ですが、西洋では一般的に食べられています。リーキは柔らかくて食べやすく、日本の下仁田ネギに似ています。
葉ネギ(青ネギ・九条ネギ)
葉ネギは全体的に細く緑色の部分が長くなるように育てる品種で、青ネギや九条ネギとも呼ばれています。葉ネギは寒さに弱いため、昔は西日本を中心に流通していました。九条ネギは、京都の九条村(現在の京都市下京区)を中心に栽培されてきた葉ネギです。昔ながらの伝統的な栽培方法で育てられているのが特徴で、手間がかかる栽培方法であるため、九条ネギは他の種類より希少価値が高いとされています。
小ネギ(万能ネギ・細ネギ)
若いうちに収穫した葉ネギのことです。万能ネギは細いネギの一種として有名な品種で、福岡県のJA筑前あさくらで生産された葉ネギのことを指します。風味が良いことから、生のまま薬味にするなど様々な料理で使われています。
芽ネギ
芽ネギは、芽が出たタイミングで収穫した葉ネギのことです。太さは1mm程度で、長さは6〜10cm程度です。柔らかな食感で辛みが少ないため、寿司のネタや薬味として使われることが多い傾向にあります。芽ネギの主な産地は、静岡県や愛知県などです。
わけぎ
わけぎは、ネギと玉ねぎの仲間であるシャロットの交雑で生まれた品種のことです。少し耐寒性が弱いため、広島県など主に西日本エリアで栽培されています。球根から育ち枝分かれして生育することから、わけぎと呼ばれるようになりました。他のネギより辛みが弱く、加熱調理するとさらに甘みが増します。ネギ特有の辛みが苦手な方におすすめです。
あさつき
あさつきは、中国や日本で自生しているネギの一種です。山形県や福島県などで多く栽培されています。他のネギより葉の部分が細く、色が薄いのが特徴です。浅い色のネギであることから、あさつき(浅葱)と名付けられました。苦みや辛みが比較的強いため、生より加熱して食べることが多い傾向にあります。
ネギの旬はいつ?
ネギはスーパーなどで1年中販売されていますが、実は産地や種類ごとに旬の時期が異なります。ただ、季節ごとに適した地域で栽培されているのは長ネギです。温暖な地域で育つ葉ネギは香川県や大阪府などで1年中栽培されています。
春ネギ
春ネギは4〜6月頃に旬を迎えます。群馬県などで収穫される春ネギですが、冬と比べて収穫時期が短いことから、比較的高値で取引される傾向にあります。
夏ネギ
北海道や茨城県などで収穫される夏ネギは、7〜9月頃が旬だとされています。
秋冬ネギ
秋冬ネギは、千葉県や埼玉県などで収穫されています。10〜3月頃が旬の時期で、特に霜が降りる12月頃に育ったものが最も栄養価が高くおいしいと言われています。
ネギに含まれる栄養素は?
硫化アリル
硫化アリルはネギの辛みの元となる成分で、長ネギの白い部分にたくさん含まれています。硫化アリルは抗酸化力や殺菌力が高く、免疫力を高めてくれますので風邪などの予防に効果的です。ビタミンB1の吸収力を高める効果もあるため、疲労回復や体力強化にも繋がるでしょう。また、血行が良くなることで、肩こりや冷え性の改善も期待できます。
ビタミンC
ネギにはビタミンCもたくさん含まれています。ビタミンCは抗酸化作用が高く、風邪などの病気に対する抵抗力を高めてくれます。また、シミやしわを防ぐといった美容効果も期待できます。ビタミンCは熱に弱いので、生で食べると効率的に摂取することが可能です。
βカロテン
βカロテンは、ネギの緑色部分に含まれている栄養素です。活性酸素の発生を抑えたり、取り除く効果があるため、動脈硬化といった生活習慣病の予防にも役立ちます。また、βカロテンは体内でビタミンAに変換されるため、皮膚や粘膜を健康な状態に保つ働きがあると言われています。
葉酸
葉酸はビタミンB群の一種で、貧血予防や動脈硬化予防に役立つ栄養素です。葉酸とビタミンB12が連携して赤血球を作ることで、食べたものをエネルギーに変えるのを助けてくれます。
ネギの効果・効能は?
血行改善
アリシンを含むイオウ化合物には、血行を改善する効果が期待できます。血糖値の上昇を抑える働きもありますので、糖尿病の予防にも適しています。
疲労回復
ネギを食べると、疲労回復も期待できます。ネギに含まれるアリシンがビタミンB1と組み合わさると、ビタミンB1の効果を持続させる働きが見込めます。ビタミンB1が不足すると疲れやすくなりますので、疲労回復には欠かせません。また、ビタミンCにはストレスを緩和する効果もあるため、精神的な疲労感も回復してくれるでしょう。
胃腸を整える
ネギに含まれるアリシンには、胃腸を整える働きもあります。胃の消化液の分布を促すことで消化を促進したり、食欲を増進させる効果があると言われています。ネギには食物繊維も含まれており、便通を整えてくれるのも嬉しいポイントです。食物繊維はビフィズス菌といった善玉菌のエサとなり、お腹の調子を整えてくれます。