味のクセがなく、便利で食べやすいもやしは、傷みやすいのが難点ですよね。おいしく食べ切るには、保存方法を工夫するのがおすすめです。買ってきてすぐにできる方法や冷凍保存についてもご紹介します。使い勝手に合わせて選び、活用してみてくださいね。
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もやしの保存方法
傷みやすいイメージのあるもやしですが、保存方法を工夫することで保存期間を延ばすことができます。
たとえば、買ってきたもやしを袋のまま保存すると、傷みが早く、食感が損なわれてしまいますが、もやしを水に浸しておくだけで、シャキシャキ感を保つことができるのです。その詳しい方法も含めて、保存方法をいくつかご紹介していきます。
保存方法と保存期間
もやしの保存方法による保存期間の目安は、次のとおりです。
袋ごと冷蔵保存 | 2日程度 |
水につけて冷蔵保存 | 10日程度 |
下ゆでをして冷蔵保存 | 3日程度 |
生のまま冷凍保存 | 2〜3週間程度 |
下ゆでをして冷凍保存 | 3週間程度 |
保存方法によって保存期間も異なります。また、保存後に料理する際に向いている調理方法も変わってきますので、自分に合った方法を試してみてくださいね。
シャキシャキ感を保つ冷蔵保存
シャキシャキ感を保つには冷蔵保存がおすすめです。
一番簡単な方法は、買ってきたままの状態で、袋につまようじで1カ所穴を開け、野菜室で保存します。もやしの呼吸を妨げず、この一手間だけでも効果があります。さらに保存期間を伸ばすには、水につけて保存するのがおすすめです。
水につけて保存
もやしを袋から出し、水を注いだ保存容器に入れ、冷蔵庫で保存します。2日に1度ほど定期的に水を入れ替えれば、10日程度保存が可能です。
残ったもやしの冷蔵保存
開封して残ったもやしは、ゆでてからであれば冷蔵庫で保存ができます。熱湯にくぐらせるように軽くゆでるか、電子レンジで加熱しましょう。
電子レンジで加熱をする場合はラップやふたをせず、もやし100gにつき600Wで1分半が目安です。加熱後はキッチンペーパーで水気をしっかりと拭き取り、ジッパー付きの保存袋に入れて空気に触れないように冷蔵庫で保存します。
もやしの傷みを抑えて保存期間を延ばす工夫は、簡単な手順でできます。買ってきた直後や調理の合間にサッと下処理をしてしまいましょう。
さらに長期保存なら冷凍保存
冷凍保存であれば、さらに保存期間を延ばすことが可能です。シャキシャキ感は冷蔵保存より劣りますが、味の染み込みが良くなるため、汁物や煮込み料理に向いています。
生で袋のまま冷凍
もやしを軽く水洗いし、水気をしっかりと切ったらジッパー付き保存袋に入れて冷凍保存します。みそ汁などの汁物に加えるなら、解凍せずそのまま加えてもおいしく仕上がります。
ゆでて・またはレンジで火を通してから冷凍
ゆでる、またはレンジで加熱をしてから冷凍しておけば、調理時間の短縮にもつながります。下ゆでをして冷蔵保存の手順と同じく加熱し、水気を切ったらジッパー付き保存袋に入れて冷凍保存しましょう。
保存方法によって、保存期間やおすすめの調理方法が変わってきますので、合うものを選んで活用してみてくださいね。
動画でおさらいしてみよう!
日持ちする! もやしのおすすめ常備菜レシピ
もやしは料理することで保存期間を延ばすことも可能です。もやしのおすすめ常備菜レシピをご紹介します。
もやしとわかめの生姜(しょうが)ナムル
【材料】(2〜3人分)
- もやし…1袋
- 乾燥わかめ…1g
- ごま油…大さじ1
- ショウガすりおろし…小さじ1/2
- すりごま…大さじ1
- 塩…小さじ1/3
【作り方】
①もやしは電子レンジで、600Wで2分半加熱する。わかめは水で戻しておく。
②ボウルに①のもやしとわかめを水気をよく切ってから入れ、残りの材料をすべて加えて和える。
【ポイント】
加熱後のもやしから水分が出るため、味が薄まらないように水気をよく切ってから他の材料と和えてください。冷蔵庫で3〜4日の日持ちです。ショウガの量はお好みで調整してみてくださいね。
もやしのカレーみそ炒め
【材料】(2人分)
- もやし…1袋
- きくらげ(戻し)…50g
- 油…大さじ1
- 卵…2個
- 塩こしょう
(A)
- みそ…大さじ1
- カレー粉…小さじ1/2
- 酒…小さじ2
- みりん…小さじ2
【作り方】
①フライパンに油をひき、中火でもやしときくらげを炒める。
②もやしが透き通ってきたら、溶き卵を加えて菜箸でかき回しながら卵に火を通す。
③合わせた(A)の調味料を加え、水気が飛んで香りが立ったら火を止め、塩こしょうで味を整える。
【ポイント】
みそとカレーの風味で食欲をそそる一品です。冷蔵庫で2〜3日保存可能です。もやしのシャキシャキ感が少し残るように火を通しすぎないことがポイントです。
味付けをして保存しておくことで、保存効果も高まります。ショウガやカレー粉などスパイスを利かせて仕上げることで、日持ちも良くなるのでおすすめです。
安くてさまざまな料理に使うことのできる万能野菜のもやしですが、傷みやすいのが難点です。そんなときに、今回ご紹介したような保存方法で、もやしを無駄にすることなく、料理を楽しみましょう。ぜひ活用してみてくださいね。
もやしに含まれる栄養素は?
カリウム
もやしに含まれる主な栄養素の1つ目はカリウムです。カリウムには体内の余分な水分や塩分を体外に排出する性質があるため、むくみ改善や心臓機能・筋肉機能の調整、血圧を下げる効果などが期待できます。
カルシウム
2つ目はカルシウムです。カルシウムは骨や歯の形成に必要不可欠な栄養素ですがそれだけではなく、血液を凝固させたり筋肉を収縮させたりといった体内調整機能にも一役買っています。
ビタミンB1
3つ目はビタミンB1です。ビタミンB1は炭水化物からエネルギーを生産、皮膚や粘膜の健康維持を助ける、などの役割を担っています。
葉酸
4つ目は葉酸です。葉酸には赤血球の形成を助ける性質があり、胎児の正常な発育にも貢献してくれます。
ビタミンC
5つ目はビタミンCです。ビタミンCは水に溶けるビタミンで、免疫力を高める、ストレスを緩和する、皮膚の老化を防ぐ、コレステロールの低下やガン・動脈硬化を予防する、などの効果があります。
食物繊維
6つ目は食物繊維です。もやしには水に溶ける水溶性食物繊維と水に溶けない不溶性食物繊維が両方含まれていて、糖尿病や便秘、大腸ガンなどの生活習慣病を予防・改善する働きをしてくれます。
アスパラギン酸
7つ目はアスパラギン酸です。体力の向上や疲労回復の効果などがあります。アスパラに含まれる成分として知られていますが、実はもやしの方がアスパラよりもアスパラギン酸を多く含んでいます。
もやしはヘルシーでダイエットにも最適
もやしは可食部100gあたり15~29kcalと低カロリーで、かつ糖質量も0~1.3gしかないためあらゆるダイエットで柔軟に活用することができます。
また、もやしには腸に働きかけて便通をスムーズにしてくれる栄養素が含まれているため、腸を綺麗に整え、脂肪を溜め込みにくい体へと変えていってくれるのもポイントです。
その他にも、余分な水分を排出できて代謝アップを図れるなど、嬉しいダイエット効果が多く存在します。
もやしの効果的な食べ方は?
茹で時間は手短に
栄養素と食感を損なわないために、もやしを茹でるときは短時間で済ませるようにしましょう。
緑豆もやしやブラックマッペもやしを茹でる場合は、鍋たっぷりのお湯にサラダ油大さじ2と塩ひとつまみを入れて、もやしを投入、再沸騰後に10~15秒ほど茹でてください。
大豆もやしの場合は水から茹でて、沸騰後1~5分です。茹で上がったもやしを水にさらしてしまうと水っぽくなってしまうため、冷ます時はバット等に広げましょう。
炒める・蒸す
もやしの栄養素はお湯に長時間浸けることで損なわれてしまうため、極力お湯を使用しない炒め料理と蒸し料理はもやしにとっては適した調理法と言えます。また、炒める前にもやしを50℃のお湯に約1分浸し水を切り、サラダ油でもやし全体をコーティングし、強火で1分以内に火を通すことでもやしの食感をキープすることができます。
スープ・汁物
もやしの栄養素をたっぷりと摂取できるスープ・汁物はとてもおすすめです。
もやしの食感を生かしたい場合は、下茹でなどをせずに後から鍋に投入し、サッと火を通してください。
美味しいもやしの選び方は?
色・ツヤ
色白でツヤと張りがあり、透き通ったものが新鮮で美味しいもやしです。加えて、新鮮なもやしの子葉は薄黄色をしています。
反対に、茎や根や子葉が茶色もしくは黒ずんでいるものは保存環境が悪い場合が多く、鮮度が良くありません。極力避けるようにしましょう。
芯の太さ
緑豆もやしや大豆もやしは、芯が太くて短いものが美味しい個体です。また、新鮮なもやしはかたく引き締まっているため、袋を手で持ったときにパリッと硬い感触があります。
反対にクタッとしていて袋に水が溜まっているものは鮮度が良くないため避けたほうが良いです。なお、場合によってはもやしの袋内に空気が入っている場合がありますが、空気の有無で鮮度が変わることはありません。
豆の状態
大豆もやしの場合、色や形状だけではなく、豆の状態もとても重要になってきます。まず、豆が開いてしまっているものは時間が経過していて鮮度が落ちているものですので、真っ先に避けましょう。
次に豆の色が黒ずんでいるものも鮮度が悪いため候補から外してください。豆が閉じていて綺麗な淡黄色をしているプリッとした豆が付いているもやしを選ぶようにしましょう。
もやしの種類は?
緑豆もやし
中国やミャンマーなどで生産される緑豆を発芽させて作ったもやしで、国内流通の約9割を占めています。他のもやしよりも芯がやや太めで、甘みがあるくせのない味が特徴。炒め物、鍋物、ラーメン、汁物、サラダや和え物などどんな料理でも活躍します。
大豆もやし
アメリカやカナダ、中国などで生産される大豆で作ったもやし。豆が付いたままで食されるのが特徴で、独特のうまみとシャキシャキとした歯ごたえがあり、根強い人気があります。炒め物、スープの他、ナムルやチゲ鍋などの韓国料理によく使用。小大豆もやしと大豆もやしの2種類が存在します。
ブラックマッペ
ミャンマー、タイなどで生産される黒緑色の豆を発芽させて作られたもやしです。もやし特有の青臭さが少なく、ほのかな甘みがあり、やや細めでしっかりとした食感が特徴です。西日本を中心に、お好み焼き、焼きそば、ラーメン、おひたしなどによく使われます。別名、黒豆もやし。
もやしの旬はいつ?
もやしは水に浸すことで、種自体の栄養のみで育ちます。そのため日光を必要とせず、天候や気温、季節などに生産を左右されません。つまり、もやしに旬は存在しないです。