有用菌を増やす土壌改良剤『T-プロテクト』で、白紋羽病(しろもんぱびょう)の対策を

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有用菌を増やす土壌改良剤『T-プロテクト』で、白紋羽病(しろもんぱびょう)の対策を

有用菌を増やす土壌改良剤『T-プロテクト』で、白紋羽病(しろもんぱびょう)の対策を
最終更新日:2020年11月17日

白紋羽病は、糸状菌(カビ)が病原菌となって、梨やリンゴ、桃、サクランボなど果樹の根を腐らせる恐ろしい病気。これまで決定的な防除法が存在しなかったこともあり、多くの果樹農家が頭を悩ませてきました。そこに一条の光を射しつつあるのが、日本タルク株式会社が千葉県木更津市のアグリバイオシステムと共同開発した土壌改良材『T-プロテクト』。現在、この『T-プロテクト』と他の防除法を組み合わせた実証試験が展開されています。現場に足を運び、そのポテンシャルに光を当てました。

いまだ確立されていない白紋羽病の防除法

千葉県船橋市で「梨の船芳園」を営む加納芳光さんは、大学卒業後に就農してから18年にわたり、実家の農園でこだわりの梨づくりに取り組んでいます。2019年に祖父、父と受け継がれた農園の3代目園主となった加納さん。これまでさまざまな病害と闘ってきましたが、最も悩まされ続けているのが白紋羽病だといいます。

「葉に発生する黒星病や害虫の場合は目に見えるので、いくらでも対処する方法があります。ところが白紋羽病は土の中で起きるので、実際に土を掘ってみない限り外から見つけることができません。しかも白紋羽病に侵された木は、樹勢が徐々に衰えるのではなく、昨日まで元気だったのに急に葉が落ち、ひどい場合は木自体がある日突然バタッと倒れます。苗木として植えてから5年程度経ち、そろそろ収穫期が近づく頃になってそうした事態が起きるので、ショックも大きいですね」。

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白紋羽病に悩まされてきた経験を語る加納さん

果樹農家の天敵とも言える白紋羽病ですが、有効な対処法が現時点で確立されていないことも悩みの種だそう。加納さん自身、これまで化学合成農薬を使うなど、工夫と試行錯誤を繰り返してきました。しかし決定的な効果は得られず、とはいえ放置していれば土の中で白紋羽病菌が増殖し、被害が拡大してしまいます。頭を悩ませていた2017年のある日、加納さんは農業事務所の担当者から『T-プロテクト』の実証試験の話を聞きました。

『T-プロテクト』は、白紋羽病菌と微生物学的性質が類似しながら遺伝的に病気を引き起こさない非病原性ロセリニア・ネガトリクス菌を農業資材化した土壌改良材です。非病原性ロセリニア・ネガトリクス菌は、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構が土壌に混ぜることで圃場の有用菌が増殖することを検証し(特許第4936444号、特許第5618246号)、日本タルクとアグリバイオシステムが世界で初めて資材化に成功しました。

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右:製品外観 左上:『T-プロテクト』の中身 左下:非病原性ロセリニア・ネカトリクスが増殖した『T-プロテクト』

画期的な農業資材を世界で初めて開発

これまで行われてきた白紋羽病対策は主に二つあります。一つは、化学合成農薬で土壌の消毒・殺菌を行う方法。これは対象となる病原菌はほぼ退治してくれるのですが、同時に土壌中にいる地場の有用菌も殺してしまいます。このため、殺菌しきれず病原菌が根に残っていた場合、そこから白紋羽病が発生することもあります。

もう一つが、有用菌を培養し、圃場に直接投入する方法です。ただこの方法は、地場の微生物群によって定着が妨げられ、長期間機能する前に有用菌のほとんどが死滅してしまいます。栽培サイクルの短い野菜では有効ですが、収穫まで5、6年を要する梨のような果樹では難しいのが実態です。

このほか、国の研究機関や自治体の試験場によって土壌の温水処理も試験的に行われています。これは文字通り温水で苗木を植えるエリアを限定的に殺菌するもの。この方法は、処理を行ったエリアではいったん病原菌を殺菌できますが、隣接する周囲の土壌から病原菌が侵入し、再発する可能性までは排除できません。

いずれの対策も部分的に有効であることは間違いありませんが、単独では十分な効果を得られないのも事実。決定打が見つからない状況の中、加納さんが出会った『T-プロテクト』とはどのような資材なのでしょうか。アグリバイオシステム代表で農学博士の小山修さんは次のように語ります。

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『T-プロテクト』のコンセプトを語る小山さん

「『T-プロテクト』中の非病原性ロセリニア・ネカトリクス菌は果樹に対して、遺伝的に白紋羽病を引き起こさない株です。この株を圃場に混和すると病原性・非病原性ロセリニア・ネカトリクス菌を資化するトリコデルマ属菌等有用菌が増殖することが確かめられています。また、有用菌を外から導入するのではなく、圃場に元々生育している有用菌を増殖させるため、有用菌を長期にわたり維持することができます。このため、白紋羽病菌と同時に有用菌も減少させてしまう化学合成農薬のデメリットを補完できます」。

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『T-プロテクト』の土壌混和試験。さまざまな組み合わせパターンで実証試験を展開

小山さんが言うように、『T-プロテクト』は化学合成農薬など従来法の欠点を補完できる画期的な資材です。「ただし、『T-プロテクト』だけで対策ができるわけではありません。化学合成農薬や温水処理などの方法で処理を行ったあと、『T-プロテクト』を土壌に混ぜ、減少した有用菌を増やすことが効果的だと考えています」と小山さん。そこで化学合成農薬や温水処理などと『T-プロテクト』を併用し、さまざまな組み合わせパターンで効果を確かめる実証試験がスタートしました。

『T-プロテクト』の話を聞いた加納さんは「理論的にはこれ以上ないもので、かなりの期待感を持って試験に参加することを決めました」と振り返ります。加納さんの圃場では2018年秋、化学合成農薬との組み合わせによる実証試験が始まりました。
小山さんの提案で、2020年秋からは温水処理や、別の化学合成農薬など新たな組み合わせの実証試験も始めました。

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加納さんの圃場では、『T-プロテクト』と温水処理を組み合わせた実証試験も行われています

日本タルクは2019年に『T-プロテクト』の試験販売を開始。加納さんの声がけをきっかけに、T-プロテクトを試験購入した船橋市の若手梨農家(生産技術や品質、生産性向上などを目的とした研究部のメンバー)では改植予定個所に化学合成農薬を土壌混和した後、『T-プロテクト』処理を行いました。この結果、土壌中の有用菌活性が向上していることがわかりました(5名の梨生産者の圃場における土壌11サンプルの有用菌活性調査の結果)。

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対照区における非病原性白紋羽病菌の広がり(直径)を基準として、試験区の非病原性白紋羽病菌の広がりの減少率を算出し、有用菌活性を4段階で評価しました

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『T-プロテクト』処理後土壌の有用菌活性調査の結果

「3、4年後に良い結果が出れば、白紋羽病対策に光が見えてきますし、その成果を他の梨農家にも伝えることができます。これからも大きな期待を抱きながら実証試験に取り組んでいきます」と、加納さんは白紋羽病が克服される理想の未来を見つめていました。


【問い合わせ】
『T‐プロテクト』は下記サイトよりご購入いただけます。
http://www.nippon-talc.co.jp/protect-series/buy/

本製品に関するお問い合わせは、下記お問い合わせフォームよりご連絡ください。
http://www.nippon-talc.co.jp/protect-series/contact/

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