坪枯れの被害をもたらすトビイロウンカとは

イネに群がるトビイロウンカ
ウンカは体長5ミリほどの小さなセミのような形をした虫で、口吻(こうふん)と呼ばれる口針をイネの茎に刺し、師管液を吸い取って生きています。田んぼに発生するウンカは主に2種類、セジロウンカとトビイロウンカです。セジロウンカは夏に多く発生するため夏ウンカと呼ばれ、トビイロウンカは秋ごろに多く発生するため秋ウンカと呼ばれています。今回全国で坪枯れと呼ばれる被害を起こしているのは秋に発生するトビイロウンカ。今回はこのトビイロウンカの生態やその対策についてご紹介します。
トビイロウンカの生態と大量発生のメカニズム
トビイロウンカはイネだけをエサとしているため、冬にイネが無くなる日本では越冬できません。ではどこからやってくるかというと、毎年春先に、一年を通してイネを栽培しているベトナムから中国南部へウンカが移動し、その後の梅雨時期にジェット気流に乗って日本に飛来するようです。