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最新の農業技術が集結「農業Week2020」レポート

最新の農業技術が集結「農業Week2020」レポート

日本最大級の農業・畜産の総合展「第10回農業Week 2020」が、10月14日(水)~16日(金)の3日間、幕張メッセで開催されました。ドローンやロボット、植物工場、環境制御システムなど、スマート農業関連の最新技術はもちろん、6次産業化にむけたサービスや次世代の農業資材など、農業に関するあらゆる製品・サービスを提供する約500社が一堂に会しました。注目のブース情報など、マイナビ農業編集部が取材した展示会の様子をお届けします。

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キーワードはSDGs 持続可能な農業を目指す多様なアプローチ

今年で10回目の開催となった「農業Week」。次世代農業を牽引する最新テクノロジーをはじめ、生産から加工・流通までのバリューチェーンに欠かせないあらゆる製品・サービスが会場を賑わせていました。

特にSDGs(持続可能な開発目標)の達成に寄与する新たな製品・サービスが目を引き、再生可能エネルギーや6次産業化によるフードロス削減、気候変動リスクを踏まえた環境制御や植物工場システムなど、次世代技術で出展各社がしのぎを削っていました。

西日本を中心に、水稲を枯死させる害虫「トビイロウンカ」が大量発生した2020年。今後の害虫対策に生かせそうなユニークな製品も見られました。例えば、虫をAIで画像分析して、駆除に最適な農薬を選定するシステムでは、害虫を特定することで使用する農薬の種類を減らすことができます。一方で夜蛾が寄りつかない波長で虫を殺さず防除するLED照明も。技術の応用と新たなアプローチによるソリューションの広がりが感じられました。

生産履歴を見える化。農作物の安全管理を支援
【FUSE SYSTEM】

農業協同組合や生産者の来訪が目立ちました

初出展となった株式会社FUSE SYSTEM(フューズシステム)のブースでは、2020年10月1日にリリースした生産支援システム『みのり』が紹介されていました。食の安心への意識が高まるなか、農産物の安全管理に欠かせない栽培基準を作成し、従来の膨大な紙による帳票管理を電子化して生産履歴管理を効率化する、農業協同組合や生産法人向けITサービスです。

生産支援システム『みのり』は、農業協同組合の要望にきめ細かく応えて開発されたシステム。作物ごとに農薬に関する栽培基準を策定し、それをもとにOCR(光学文字認識)(※)読み取り用の帳票を出力。生産者が登録すると自動で記入内容を判定し、生産履歴をデータ化することができます。
※ 画像データのテキスト部分を認識し、文字データに変換するソフトウェア

『みのり』の搭載機能の一覧

「防除履歴の管理機能が注目されています」と、同社ITソリューション事業本部開発部長の渡邉信裕さん。生産者はOCR読み取り用帳票またはwebにて、使った薬剤にチェックし、使用量を記入するだけ。文章の入力を無くし、OCR読み取りの精度を高めることで、データを正確に管理することができます。管理者側は、農薬の使用状況や防除の結果を即時に判定でき、早い段階で指導にあたることができます。生産履歴の管理業務を効率化しながら、出荷前トレーサビリティを構築。産地の農産物の安心・安全を確保し、生産者を守ります。

管理者側の画面。基準に反した農薬の使用履歴を認識すると、生産者毎にアラートが出ます(写真上)。クリックすると詳細が確認できます(写真下)

『みのり』では、GAP(農業生産工程管理)の項目もOCRシートまたはwebで集計・管理することができます。お客様に寄り添った柔軟なシステム開発で信頼を得るFUSE SYSTEMが、持続可能な農業への取り組みを『みのり』でサポートします。

生産支援システム『みのり』

光合成の効率化で、施設園芸のコストカットと増収量を両立【テヌート】

『コンダクター』TNCS-5000のほか、新型LEDなど新製品を複数展示

植物の生育促進に効果があるCO₂施用について、ランニングコスト削減に最も有効な仕組みづくりを追求してきた株式会社テヌート。今回、同社のブースで最も注目を集めた製品が、光合成効率促進装置『コンダクター』TNCS-5000です。

『コンダクター』TNCS-5000では、光、CO₂を制御し、効率的に植物の生育を促します。「植物の蒸散作用が鍵です」と話すのは、同社代表取締役の藤原慶太さん。創業前から二酸化炭素(CO₂)の局所施用に着目し、その理論と技術を独自で積み上げてきました。

ハウス内の温度と湿度のバランスをコントロールして、蒸散時にCO₂とコンプレッサーで圧縮した外気(Air)を施用することで、ランニングコストの削減はもちろん、花芽分化、根の活性化、収量増、品質アップが可能です。また、バイオマス発電プラントで排出される不要なCO₂を回収して、『コンダクター』で再利用する仕組みも模索しています。

いちご模様の『コンダクター』本体。好きな写真やイラストでデコレーションすることができ、観光農園の経営者や女性から好評だといいます

センサの電源には太陽光が用いられ、LED照射や灌水システムにも連動。1台に400個ものセンサが取り付け可能で、ハウス内をエリアごとに制御することができます。ハウス内環境は、遠隔監視機能(スフマート)によって見える化。スマホから逐一確認でき、蓄積したデータは分析することで今後の営農に生かすことも可能です。

『スフマート』はサーモグラフィカメラと連携することで、時間経過によるハウス内温度の分析も可能です。「ハウス内温度を可視化することでエネルギー効率を高めることができます」と藤原さん

最終的には林業と結びつき「すべて木でできたハウスを作る」という藤原さん。SDGs達成に向けて、単に製品の提供にとどまらず、いちご模様の『コンダクター』や農村景観を美しくする「木製ハウス構想」など、誰もがワクワクするユニークな発想で、農業界を更に盛り上げていきます。

木製のブラインド。ハウス内環境に合わせて開閉し、遮光率を自在に制御できるほか、太陽光パネルを貼り付けることで、電源の供給にも一役買っています。当日は試作機の展示も行いました

株式会社テヌート

今年も新規出展社は多く、アグリビジネスは活況

コロナウィルスの影響で海外企業の出展は少なかったものの、初出展も目立ち、農業分野でのビジネスチャンスを探る企業の動きは続いています。徹底したコロナ安全対策の下、3日間の来場者の合計2万3175人にのぼりました。出展社による製品・サービスセミナーも行われ、計6442人が受講しました。

次回は「関西農業Week」がインテックス大阪で2021年2月24日(水)~26日(金)に開催予定。「関西スマート農業EXPO」、「関西農業資材EXPO」、「関西6次産業化EXPO」、「関西畜産資材EXPO」の4展で構成されます。

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