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農家が教えるミツバの栽培方法 再生栽培もできる! 初心者でもどんどん収穫できる育て方

久保田 夕夏

ライター:

連載企画:農家が教える栽培方法

農家が教えるミツバの栽培方法 再生栽培もできる! 初心者でもどんどん収穫できる育て方

独特な香りとかわいい見た目。ミツバをお吸い物や茶碗蒸しにのせるとぐっと高級感が出ます。実は日本原産の野菜というのは非常に数が少ないのですが、ミツバの学名は「Cryptotaenia japonica」、英語でも「Japanese honewort」と呼ばれる和の野菜。そのため日本の気候に適しており家庭菜園でも育てやすく初心者におすすめです。プランター栽培や再生栽培もできるのでぜひチャレンジしてみましょう。

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ミツバの栽培時期

ミツバの発芽適温、生育適温は15〜20度で冷涼な気候を好みます。暑さ寒さには弱く、霜に当たると枯れてしまいます。夏は乾燥しやすいので寒冷紗(かんれいしゃ)をかけるか、あまり日の当たらない半日陰で育てるといいでしょう。夏の播種(はしゅ)も可能ではありますが、おすすめは育てやすい春まきと秋まきです。一番ミツバを使いたいお正月には、9月に種をまいておけば十分に年末の収穫が可能です。初夏に花が咲く多年草で、放っておくと種が落ちて雑草化することもあります。市販の食用ミツバから再生する場合は真冬以外ならいつでもいいでしょう。

ミツバの栽培暦

ミツバの種類

ミツバは栽培法によって切りミツバ、根ミツバ、青ミツバ(糸ミツバ)の3つの種類に分けられます。切りミツバと根ミツバは茎の部分が白く、青ミツバは緑色です。切りミツバと根ミツバは特殊な栽培技術を必要とするため難度が高いですが、スーパーなどでよく売られている青ミツバは家庭菜園でも簡単に育てることができます。

ミツバの土づくり

播種2週間前に苦土石灰を入れて畑を耕しておきます。さらに1週間前に元肥を入れて耕し、高さ10センチ程度の畝を立てます。ミツバはもともと水辺に生息する植物で乾燥を嫌うので、堆肥や有機質肥料を入れ保水性を高めるといいでしょう。プランター栽培の場合はホームセンター等で購入できる野菜用培土を利用します。また、水耕栽培も可能です。

ミツバの播種

ミツバは丈夫で育てやすい野菜ですが、栽培の中で一番難しいのが発芽させることです。発芽するのに長い時間が必要で、10日以上かかることもざらです。発芽率もあまりよくないので、種まきをする前に一晩水に浸しておきましょう。畑に直接種をまいてもいいのですが、発芽が遅いため、雑草の方が先に発芽し生育が旺盛になってしまいます。そのため、育苗箱やポット、セルトレイなどで育苗してから植え付けるといいでしょう。

育苗箱に種をまく場合は5センチ間隔でまき溝をつけ、種を1センチ間隔に筋まきします。ポットやセルトレイに種まきする場合は、4〜5粒ずつばらまきします。

ミツバの播種(セルトレイ、ポット、育苗箱)

プランターで栽培する場合は、大きなプランターなら10センチ間隔に溝をつけて筋まき、小さなプランターならばらまきしましょう。2〜3センチ間隔を目安にしますが、もっと多くまいてしまっても気にしなくて大丈夫です。ミツバは乾燥に弱いので、深めのプランターがおすすめです。

ミツバの播種プランター

ミツバの種は好光性種子といって、芽を出すときに光が必要です。そのため、覆土は厚くならないよう5ミリを目安に土をかぶせます。覆土が薄いと表面の土が乾燥しやすくなるのでこまめに水やりをしましょう。発芽する途中で種が乾くと死んでしまうので、乾かさないように毎日様子を見てください。

ミツバの播種(まき方)

ミツバの間引き

畑やプランターに直接まいた場合は、本葉が2〜3枚になったら混み合ったところを間引きします。ミツバは密集させて育てた方が茎が柔らかくなっておいしいので、あまり几帳面に間引きする必要はありません。特に多すぎるところだけを抜きましょう。ポットやセルトレイは間引きせずにそのままで大丈夫です。

ミツバの定植

本葉3〜4枚のころに畑に植え付けます。根が傷まないように気をつけながら、条間、株間10~15センチくらいの間隔で植えていきましょう。苗に十分水をやってから植え付けると根の付きがよくなります。

ミツバの定植

スーパーで買ってきた食用のミツバを植えることも可能です。その際は必ず根つきのミツバを購入してください。根元から約5センチのところで茎をカットして、苗と同じように定植します。茎の中に新芽が隠れているので、4〜5日で葉っぱが出てきます。

ミツバの追肥

葉の色が黄色っぽくなったら追肥をします。化成肥料を株間にまくか、市販の液肥を利用するのもいいでしょう。

ミツバの水耕栽培

ミツバは販売されているほとんどが水耕栽培されているほど、水耕栽培に適した野菜です。そのため市販の食用ミツバを使って、家庭でも手軽に水耕栽培をすることができます。プラスチックの食品保存容器やコップなどに水耕栽培用の液肥を入れ、根元から約5センチのところでカットしたミツバをスポンジがついたまま入れます。液肥はインターネットや大きめのホームセンターで購入できます。濃度は裏面の希釈倍率を守って使用してください。暑い時期はこまめに水換えをしながら育てるとよく成長します。

ミツバの再生栽培(水耕栽培)

ミツバの収穫

背丈が15センチくらいになったら収穫します。根元から5センチほど残してはさみで刈り取ると新芽が出てきます。この時ざっくり切らずに外側の葉っぱから少しずつつめば、新芽はもっと早く成長します。生育が早すぎて食べるのが追い付かないときは刈り取りするといいでしょう。次から次へと新芽が出てくるので、追肥を忘れずに施せば長期間収穫を楽しむことができます。

ミツバの収穫

主な病害虫

あまり虫の害が多くない野菜ではありますが、キアゲハの幼虫やアブラムシ、ハダニなどが寄ってきます。アブラムシはウイルス病を媒介します。手でとったり家庭菜園用の農薬を使ったりして対処しましょう。また、病気では立枯れ病、べと病、菌核病、うどん粉病などになります。症状が軽い場合はその部分だけ抜き取ったり切り取ったりして処分しましょう。

ミツバを薬味として使いたいときにスーパーで買うと、少ししか使わないのにたくさん入っていてもったいないと感じることがあるのではないでしょうか。たしかにお鍋やそうめん、冷ややっこなどに大活躍の薬味ですが、青菜のようにさっとゆでて和え物にしたり、生地に混ぜ込んでチヂミや卵焼きにしてもとてもおいしい野菜です。 緑黄色野菜なのでビタミン類やβ-カロテンも豊富です。生育旺盛で次々と収穫できるので、家庭菜園のミツバでどんどん料理のレパートリーを増やしていってください。

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  1. マイナビ農業編集部(勇崎) より:

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