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中古農機具の売買は意外とハードルが低い? 賢く買い、上手に売るコツを教えます

中古農機具の売買は意外とハードルが低い? 賢く買い、上手に売るコツを教えます

服、車、本やCD。みなさんも一度は中古のものを手にしたことがあるかもしれません。最近ではアプリを使って手軽に手持ちのものを売買する人も増え、今や中古売買が当たり前の世の中になってきました。そんな昨今、農業の世界でも中古農機具の売買ができるってご存じでしたか? 今日は、そんな中古農機具の世界へみなさんをご案内します。賢く農機具を売買して、充実した農業ライフを楽しみましょう!

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農機具の中古売買のいいところとは?

中古農機具には、買う側にとっても売る側にとってもいいところがたくさんあります。では具体的にどんなメリットがあるか見ていきましょう。

コストを抑えられる

中古農機具の売買を気軽にできるようになったのは、10年ほど前から。それまでは農機具を購入しようと思ったら、中古農機具がそれほど市場に出回っていなかったため、新品を買うという選択肢を選ばざるを得ない場合が多く、農業を始めたいという新規就農者にとって、高価な農機具を買い揃えるのはなかなかハードルが高いものでした。また、新しい農機具を導入したいという農家にとっても、高価な農機具を安易に買い換えることができないジレンマもあったでしょう。しかし中古農機具を気軽に売買できるようになった現在では、そんな悩みが軽減されつつあり、双方にとってメリットを多く生んでいると言えます。

価値が下がりにくいから資金作りができる

自動車と違って、農機具の寿命は20〜30年と言われています。それは同時に価値が下がる速度が緩やかであるということを意味しています。自動車であれば10年も経てば下取り金額は二束三文だった、ということもよくありますが、農機具はしっかりとした資金になり得ます。
中古で手に入れた後もきちんとメンテナンスを続けていれば、今度はそれを売ることも可能。日々のメンテナンスは怠らずにやるのがベターです。

中古だからこそできる実機確認

これは買う側のメリットですが、中古なら買う前に実機を見ることができます。「え? それって当たり前のことじゃないの?」と思う人も多いかもしれませんが、農機具はとても種類が多く、ひとつひとつが高価です。そのため、販売店も多くの在庫を抱えることができず、カタログ販売をせざるを得ないことが多々あるのです。その点、中古なら実機を買い取って修理し販売するため、販売店に実機を並べることが可能。状態を確かめながら、スタッフに質問できるのもいいですね。

全体写真

中古農機具を買いたいとき

ではそんな中古農機具は一体どこで買えばいいのでしょうか。中古だからリスクもあるし、不良品だったらどうしよう……と不安に思う気持ちもあるでしょう。安心安全に取引できて、なおかつ状態のいい商品に巡り合うためには販売店選びがとっても重要。これから農業を始めたいという初心者もぜひ参考にしてみてくださいね。

メーカーの代理店になっている販売店を選ぶ

中古農機具を取り扱う販売店は全国にたくさんあります。住んでいる町の中にもあるかもしれません。それに専門店だけでなく、リサイクルショップにも農機具は並んでいます。オンライン販売をしているお店も多くあるため、インターネットで検索する人も多いでしょう。オークションやフリマアプリでは、個人で売買している人も多く見られます。
確実にいいものをゲットしたいと思うなら、販売店がメーカーの代理店になっているかどうかをチェックしましょう。メーカーの代理店であれば、純正部品を取り寄せることができます。店が中古農機具を買い取ったら、メンテナンス後、必要であれば修理をして販売という流れになりますが、純正部品でしっかりした修理ができているというのは、買う側の安心材料の一つになります。加えてそういった販売店には確かな技術を持ったスタッフが在籍していたり、不明な点が出てきたらメーカーに直接質問できたりするので、何かトラブルがあった際にもしっかり対応してくれます。

その土地で使える農機具を選ぶ

農業はどこでも同じ農機具でできるわけではありません。例えば米を育てたいと思ったとき、ちゃんとその土壌に合った農機具を選ぶ必要があります。粘り気のある粘土質の土ならこの農機具がいい、さらさらした土ならばこの農機具ではダメ、といったふうに、農機具にも適材適所があるのです。それに狭いエリアの中でも、土の状態が違うことは珍しい話ではありません。川を一本隔てただけで土性が変わるなんてこともよくあります。
その点、地域に密着した販売店であれば、スタッフも周辺の土性を知り尽くしており、それに見合う農機具を仕入れています。そのため土壌に合わない農機具を買ってしまった!という失敗を未然に防ぐことができます。

買う時にチェックすること

買う店、欲しい農機具が決まったら、状態のいい農機具を選ぶためにチェックすべきポイントがいくつかあります。自動車と違って、メンテナンスや整備の義務がない農機具は、以前の持ち主によって状態が大きく左右されます。そのため買う側もしっかりチェックしておくことが大切です。
また、遠方に住んでいてどうしても実機を見ることができないという人でも、最近はZOOMなどのツールを使って実機を確認することも可能。その際も以下のポイントを押さえておくとスムーズな買い物ができますよ。

エンジンの稼働

まずはエンジンが稼働するかどうかをチェックしましょう。エンジンが動くかどうかなんて、そんな当たり前のことも確認するの?と思う人もいるかもしれませんが、当たり前すぎて忘れがちになるからこそ必ずチェックしてください。例えばリサイクルショップなどは、専門のスタッフがいないがために“外見がきれいだったら動作確認をしていない”という場合もあるので注意が必要です。

セルモーター

セルモーター(エンジン始動をアシストする電子機器)

電子機器の状態

センサーやコントローラーをはじめとする、作業をアシストする電子機器も動作確認をしておきましょう。電子機器はデリケートだからこそ壊れやすく、壊れると修理に費用がかかってしまうだけでなく、直せない場合もあります。アシスト機能はその農機具にとってメインの機能ではないため、確認を怠るケースもあるようです。しっかり確認しましょう。

タイヤや爪の劣化

タイヤの摩耗や、爪の状態も大事なポイントです。ヒビが入っていたり、すり減りが多く見られる場合、買ってすぐに交換が必要になることもあります。そうならないためにも現在の状態をちゃんと見ておくことが大事です。

耕耘爪

耕運爪の摩耗具合を確認してください

タイヤ

タイヤの摩耗具合を確認してください

農機具を売りたいとき

せっかく売るなら少しでも高額で買い取ってほしいと思いますよね。これから農機具を売るかもしれないという人のために、普段から心がけておくべきポイントを挙げてみます。

メンテナンスを怠らない

自動車は車検という定期的な整備が義務付けられていますが、時速35キロ以上の大型特殊自動車で、なおかつ公道を走行する場合を除いては、農機具に車検の義務はありません。そのためどうしてもメンテナンスがおろそかになってしまいがち。使い終わったら洗う、野ざらしにせず屋根のあるところに収納するだけでも劣化は大きく抑えられます。日頃の小さなケアが大きな差を生むかもしれません。

整備記録は残しておく

専門店で修理や点検をしたら、その記録はきちんととっておきましょう。信頼できるお店で修理したことがわかれば信用にもつながります。逆に記録がなければ、証明するものがないため価値が下がってしまう可能性もあります。

購入、整備、売却を同じお店で

できることなら、購入後の整備から売却まですべてをその販売店で行うことがオススメです。そうすることで、販売店も経緯を分かってくれているというだけでなく、同じエリアで同じ農作物を育てる農家が同様の農機具を必要とするケースが多々あるからです。農機具は農作物や土壌によって使い分けが必要なため、販売店が需要の高い農機具を買い取りたいと思うのは自然な流れです。売れる可能性の高いものは必然的に下取り価格も高くなります。

売買は焦らずタイミングを見極めて

農作業にはシーズンがあるため、使う時期と使わない時期があります。販売店にいつも多種多様な農機具がずらりと並んでいるというわけではありません。新品なら欲しいものはすぐ買えるかもしれませんが、中古は誰かが売ってこそ成立するもの。買うタイミング、売るタイミングがとても重要なのです。
売却を考えたら、その農機具を使うシーズンより前がベストです。そうすることで、販売店も余裕を持ってメンテナンスして、繁忙期に間に合わせることができます。その点購入は時間を持ってじっくりと吟味することが大事。前述の通り、誰かが売らないと商品として購入することができない中古は、いつどんなタイミングで何が出てくるかは販売店にも分かりません。加えて種類が多い農機具だから、仮に多くのラインアップがあったとしても欲しい農機具と巡り合える可能性はそんなに高くはないと言えます。
だからこそ、定期的に販売店に足を運んだり、ネットでリサーチを続けたりすることはとても大事な作業。大体半年〜1年くらいは時間をかけて欲しいものを探すのがオススメです。しっかり計画を立てて、前もって探すようにしましょう。

購入する前に販売店でできること

中古農機具の売買についていろいろと書いてきましたが、初心者の中には、農作物の作り方も、また何を作ればいいかも分からないという人もいるでしょう。漠然とした思いだからこそ、誰に相談したらいいか悩んでいる人も多いかもしれません。そんな時は、ぜひ販売店を賢く利用しましょう。
なぜ販売店なのか。それは、販売店には、周辺の農業について知り尽くしたスタッフが在籍しているからです。さらに農機具を通じて知り合った地元農家の人々との人脈も豊富で、その土地の農業について、生きた声が届きます。この地域だったらこの野菜が育てやすい、この果物は難しい、ここの土壌は粘着質だ、など、的確な情報が往来するのは販売店の大きな特徴なのです。
農機具を買うかどうかも決まっていないのに、販売店に行ってもいいのかな?と不安になる必要はありません。大事なのは農業をやってみたいという心意気です。そこでいろんな話を聞いて、やりたい農業が定まったら、次は農機具について話を聞いてみるとよいでしょう。

説明風景

中古農機具を賢く利用しよう

売る側にも買う側にもメリットがたくさんある中古農機具。高価な農機具を前に、いろいろと諦めていた人もいるかもしれませんが、賢く中古農機具を使うことで、コスト面において大きなメリットを生みます。農業の世界に飛び込むのに足踏みしていた人たちにとっても、少しハードルが低くなるかもしれません。
ただ、やはり中古は中古。お店に行かなくても物が買える時代になりましたが、農機具に関しては、できるだけ実機を見てから買うこと、これがポイントです。整備の義務がない農機具だから、自動車よりもリスクが高くなるのは仕方ありません。そのリスクを少しでも減らすために、確実な販売店をリサーチするところから始めるようにしましょう。

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