チャービルの栽培時期
チャービルの発芽適温は20度前後、生育適温は15~20度で冷涼な気候を好みます。種まきは3~4月、9~10月ごろが育てやすいでしょう。種をまいてから40日程度と短い期間で収穫できますが、高温、乾燥下ではすぐに花芽をつけて収穫ができなくなってしまいます。春に種をまく場合は日当たりの良い場所ではなく、木漏れ日が当たるくらいの場所か、昼の半分は日陰になるような場所で育てましょう。
チャービルの播種(はしゅ)
畑やプランターに直接種をまく場合は15~20センチ間隔で3~4粒ずつ種をまきます。発芽するには光が必要なタイプの種なので、覆土は薄くします。だいたい発芽までは1~2週間かかります。乾燥しないように気を付けて随時水やりをしましょう。
ポットに種をまいて苗を作ることもできます。その場合はポットに3~4粒ずつ種をまきましょう。
チャービルの間引き
芽が出てきたら元気の良い株を1本だけ残して他は間引きます。間引きのタイミングは葉がぶつかり合ってきた頃です。あまり厳密にする必要はありませんが、お互いの葉が絡みつくほど大きくなる前には間引くようにしましょう。
チャービルの定植
チャービルは直根性で移植を嫌うと言われますが、苗を移植してもちゃんと育ちます。チャービルを大量に栽培することは少ないと思うので、ホームセンターで苗が購入できる場合はそれを利用するのが便利です。購入苗を使うときのポイントは買ってきたらすぐ植えること、大きすぎる苗は買わないことです。定植する際は根つきを良くするために苗にたっぷりと水をやり、植える穴にもたっぷりと水をやっておきます。根は傷みやすいので無理にほぐしたりしないで優しく植え付けてください。
本葉4~5枚の苗を畑では15~20センチ間隔に、プランターでは3~4株を目安に植え付けます。20センチくらいの小さな鉢の場合は1株にしておきましょう。チャービルは乾燥に弱いので、栽培期間中はずっとマメに水やりをするようにしてください。特にプランターは畑に比べてずっと乾きやすいのでこまめな水やりが必要です。
チャービルの追肥
葉が黄色っぽくなったら追肥をします。化成肥料を株元にまくか、規定の倍率に薄めた液肥をじょうろでやりましょう。プランターの場合は市販の野菜用の土に「○カ月分の肥料入り」などの表記があることも多いので、その期間を過ぎてから与えてもいいでしょう。
チャービルの収穫
チャービルは外側の葉から収穫します。頻繁に葉を収穫すると新しい葉の発育が促され収穫量も増やすことができます。ただし葉をとりすぎると生育は遅くなるので、少なくとも5枚以上はいつも残すようにしてください。
また、花芽がつくと収穫量が減るので、つぼみを見つけたらすぐに茎ごと切り取ります。花芽の茎は葉っぱの茎と比べて太く硬いです。とにかく早めにつぼみを切り取り続けることが収穫を長く続けるコツです。
先に述べたように高温、乾燥下では花芽がつきやすくなります。半日陰で育てるか、夏場は寒冷紗(かんれいしゃ)をかけて日差しを弱めましょう。こまめな水やりも重要です。
冬場は霜にやられないように畑であればトンネルで覆ってあげるといいでしょう。鉢植えなら室内に入れておけば冬でも収穫を楽しむことができます。
チャービルの主な病害虫
アブラムシやハダニ、ヨトウムシなどがよく来る害虫です。虫が多い場所で育てる場合は不織布をしておくと安心でしょう。ハダニは水で流れ落ちるので、水やりの時に葉を流すようにすると少しはいいかもしれません。ヨトウムシは大食漢なので、見つけたらすぐにつまみ出しましょう。
病気ではうどん粉病、立ち枯れ病などになります。病気になったら他の株にうつらないように、その部分を切り取って処分しましょう。立ち枯れ病は復活はほぼ無理なので株ごと抜き取って処分しましょう。
「美食家のパセリ」と言われるチャービルは、料理ではパセリと同じように使えますが、より繊細な風味が楽しめます。また、フィーヌ・ゼルブというミックスハーブに用いられており、ほかのハーブの香りを高める特徴もあります。オムレツなど卵料理との相性もいいので、ぜひ家庭菜園で育ててみてくださいね。