家庭菜園においてのセロリ栽培は、夏に種まきをして、秋から冬にかけて収穫する作型が一般的です。以下の栽培カレンダーに沿って見ていきましょう。
セロリの種まき・育苗
セロリの種はとても小さく発芽率も低いです。また思いのほか大きく育ちますので、数株植え付けるだけであれば購入苗からの栽培の方が容易におこなうことができます。
種まきは7月の梅雨が明ける頃、ポットなどに土を入れ1カ所に3粒以上を播種(はしゅ)し、種が薄く隠れる程度の土で覆い、乾かないように水やり管理をします。
とても暑い時期ですので寒冷紗(かんれいしゃ)などで遮光してあげると成功しやすいです。発芽までの期間が1~2週間と長いので、発芽まで乾かさないことがとても重要です。発芽さえすればあとは大きく育てるだけなので栽培初期は注意しましょう。
発芽して本葉が3枚程度に成長したら、1カ所1本に間引きします。
その後も葉が7~8枚になるまではポット内の土が乾かないように水やりを続けて管理します。
セロリの土づくりと畝
セロリは酸性土壌ではなかなか生育しません。しっかり苦土石灰を投入しpH調整をしておかなければなりません。
植え付け2週間前までに1平方メートルあたり苦土石灰100グラム、堆肥(たいひ)2キロを散布してよく耕し、植え付け1週間前に化成肥料を50グラム土と混和して畝をたてます。
おおよそ15センチ以上の高さで、畝幅は50センチ以上用意しましょう。
プランターの場合も、土の量が20リットルほど入る大きめのサイズの方が育てやすいでしょう。その場合は園芸用の培土をそのまま利用してください。
セロリの植え付け
セロリの苗が本葉7~8枚くらいで用意しておいた畑に植え付けます。
株間は40センチ以上空けて、一列に植え付けます。栽培期間が長いのでマルチをしておくとよいでしょう。
植え付け時にしっかりと水やりをしたら、あとは一転、しばらく水やりは控えて根が地面にしっかりと活着するのを待ちましょう。
セロリの追肥と水やり
セロリはシュノーケリングの名手
セロリは猛暑でカラカラに乾いた土ではなかなか成長しません。むしろ地上部の酸素を根に送り込む組織がとても発達していて、土壌水分が多くても窒息しにくい植物なのです。植え付け直後以外は、1週間程度雨がない時は必ず水やりをしてあげましょう。
鉢植えの場合は必ず毎日水やりをします。
ただし、収穫直前からは水やりを控えてやることで病気の心配が少なくなります。植え付け直後と収穫直前は乾かして、その間はたっぷり水を与えるのがセロリのセオリーです。
また、肥料も吸収量はそれほど多い方ではないのですが、常に切らさないよう、たくさんの回数を必要とします。隔週で1株あたり小さじ1杯の化成肥料を追肥してあげましょう。追肥は少量を数多く、というのもセロリのセオリーです。
セロリの収穫
50センチを超えるくらいの大きさに育ったセロリを初めて見た時は驚くことでしょう。
いっぺんに根元から切って収穫してしまうのが農家では普通ですが、家庭菜園ではとても消費できない量になるので、外側の茎からポキポキと剥ぎ取って収穫していきましょう。
セロリの病害虫
セロリで問題になりやすい病害虫は、アブラムシとキアゲハ、そして軟腐病です。
アブラムシとキアゲハはすぐに発見できるので、対応する農薬の散布や、数が少なければ手で取って捕殺することで容易に駆除できます。
もう一つの問題である軟腐病ですが、収穫直前にどろっと溶けてしまう病気で、せっかくのセロリが台無しになってしまいます。これを防ぐためにも収穫前~収穫中は水やりを控えて乾燥気味にしてやることが大切です。
以上、セロリの栽培方法でした。サラダでもおいしい、スープでもおいしい、お肉にもよく合うセロリをたくさん食べましょう。