「根の酸欠」が根張りのリスクに!酸素が失われやすいシーンと酸素供給剤を使った対策とは?

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「根の酸欠」が根張りのリスクに!酸素が失われやすいシーンと酸素供給剤を使った対策とは?

「根の酸欠」が根張りのリスクに!酸素が失われやすいシーンと酸素供給剤を使った対策とは?
最終更新日:2021年02月22日

異常気象が多発する昨今、湿害や猛暑に強く、なり疲れしにくい丈夫な作物を育てるためには根張りが重要です。根張りのカギとなるのが根の呼吸。しかし、土中の酸素はさまざまな条件で不足し、根は酸欠状態に。そんな時に土壌中に酸素を供給し、作物の呼吸を助け、根張り向上をサポートするのが『酸素供給剤』です。今回は、製造・販売を行う保土谷化学工業株式会社(以下 保土谷化学)におじゃまして、根が酸欠になる条件や製品の使い方を伺いました。

「いい根張り」を妨げる根の酸欠

良い作物を安定的に育てるためには、良い根張りが重要です。根が地中にしっかりと張ることで、湿害や猛暑に強く、なり疲れしにくい丈夫な苗に。秀品率・収量アップも期待できます。

根張りのカギとなるのが、根の呼吸。植物もヒトと同様、呼吸により代謝に必要なエネルギーを得ており、また、根の細胞も酸素を必要としています。そのため酸素をたっぷり含んだ土壌では、根の呼吸が活発に行われ、健全に機能する根が育ちます。

団粒構造の土が生育に最適

団粒構造の土が生育に最適

しかし、大気中とは異なり、土の中の酸素は圃場環境や土質など、さまざまな条件によって失われていきます。酸欠状態となった根は、代謝に必要なエネルギーをつくることができません。そのため土壌から養分や水分を吸収する機能が低下し、根腐れやなり疲れといった生育不足に陥ってしまうのです。

また、酸素不足は施肥が原因となることも。
「有機肥料の分解に酸素が消費されることで、酸素が不足する還元状態が発生。土壌に硫化水素等の有毒ガスが発生し、根の生理障害を引き起こします」と保土谷化学工業株式会社 アグロ推進事業部の小椋一興(おぐら・かずおき)さんは指摘します。

酸素不足は様々なシーンで発生します

酸素不足は様々なシーンで発生します

このように、酸素不足はどんな生産者にも起こりうる身近な問題なのです。

土に酸素を送り込む『酸素供給剤』とは?

土壌中に不足している酸素を供給することで、根のスムーズな呼吸をサポートするのが『酸素供給剤』です。土中の酸欠状態を回避する事で、根の機能維持(養分や水分の吸収)、健全な生育を助けます。

保土谷化学が提供する『酸素供給剤』には粒剤タイプと液剤タイプがあり、シーンによって使い分けることができます。

保土谷化学では3種類の製品を展開中

保土谷化学では3種類の製品を展開中

粒剤タイプは『ネオカルオキソ』、『ネハリエース』の2種類。過酸化カルシウムを成分とし、酸素の発生後には消石灰が残ります。『ネオカルオキソ』は水と反応し、土壌中でおよそ3カ月間酸素を供給。元肥として使用することで苗の活着促進にもつながります。『ネハリエース』は、酸素供給期間がおよそ1カ月間。過湿しがちな箇所などに局所的に使用するのがお勧めです。

2製品の違いは酸素の発生期間です

2製品の違いは酸素の発生期間です

液剤タイプの『M・O・X(エムオーエックス)』は、土壌に流し込んですぐに酸素を発生。根の生育不足や潅水時などの緊急処置にも活用できます。『M・O・X』は過酸化水素を成分とし、酸素発生後には水が残ります。

『M・O・X』はすぐに酸素を発生します

『M・O・X』はすぐに酸素を発生します

「もともと、水稲の直播用の酸素発生剤である、カルパーの製造を行なっていたことから、『土に酸素を供給することはできないか?』という逆転の発想で『酸素供給剤』の開発をスタートしました」と小椋さん。こうして生まれた国内初となる農業用の『酸素供給剤』は、現在に至るまで多くの農家に愛用されています。

あなたの農地は大丈夫?酸素が不足する3つの要因と対処法

『酸素供給剤』が必要となる要因は、大きく分けて(1)土質、(2)湿害、(3)堆肥の3つが挙げられます。

保土谷化学 アグロ推進事業部の千葉奈菜(ちば・なな)さんに、それぞれの要因の具体例と『酸素供給剤』の使用方法を伺いました。

CASE1:粘土質や砂質などの、土が締まりやすい圃場

粘土質の土壌は土の粒子が細かいため空気を通しにくく、水を含みやすいので少量の雨でも過湿状態に。根の酸欠が起きやすい傾向にあります。一方、砂地の場合、排水性は優れるものの、イチゴやキュウリなど潅水を繰り返す作物の栽培では、土が締まりやすく、土壌の酸素不足がより顕著になって、なり疲れを引き起こします。

千葉さんによると、こうした農地の場合はあらかじめ酸素が豊富な土壌を作っておくことがカギになるのだとか。

「定植の際に『ネオカルオキソ』を元肥として施用するのがお勧めです。『ネオカルオキソ』は3カ月間土壌で酸素を発生し続けるため、条件の悪い土でも良い根張りを促すことができ、生育が安定しますよ」(千葉さん)

トマトの施用例

トマトの施用例

CASE2:水田転換畑や、くぼんだ圃場

多くの農家を悩ませるのが、長雨や集中豪雨による湿害。圃場が冠水すると、土の中に水が滞留することで酸素が失われ、根腐れの原因になります。

「水田から転作した農地はもちろん、圃場の一部分だけ水がたまりやすいなど、条件の悪い畑は多くあります。暗渠(あんきょ)排水などの工事や土壌改良のような大掛かりな予算や手間はかけられない場合、気になる部分を中心とした『酸素供給剤』の施用がお勧めです」と千葉さん。

湿害にあいやすい農地の場合、「備え」と「応急処置」の両方で『酸素供給剤』を使うことがポイントになると言います。

「『ネオカルオキソ』を元肥として施用することで、長雨により酸素不足が起きやすい天候でも、根がダメージを受けにくい環境をつくることができます。また、冠水してしまった場合でも、液剤タイプの『M・O・X』を使えば、根の回復が期待できますよ」(千葉さん)

キャベツの施用例

キャベツの施用例

CASE3:分解に酸素が必要な堆肥の使用

また、土壌改良に良いとされる堆肥も、条件によっては酸素不足の原因になります。

千葉さんが例にあげたのは、畜産の盛んな地域で良く使われている「牛ふん堆肥」。堆肥は土づくりの際の重要なアイテムですが、堆肥中の有機物を分解する好気性微生物の働きには酸素が不可欠。未熟堆肥を施用してしまうと、有機物が分解されることで土壌の酸素が消費され、土壌が嫌気性状態となるため、根にダメージを与える有毒ガスが発生し、生理障害を引き起こします。

また、未熟堆肥ほどの「急激な」酸素消費は起こりませんが、完熟堆肥や有機肥料を施用した場合にも、土の中の有機物が徐々に分解されて作物が吸収できる形になるためには酸素が必要になります。

「栽培期間が長い作物は、元肥と追肥で『酸素供給剤』を使用し、土壌に酸素を切らさないことがポイントです。また、酸素の供給は有機物を分解する好気性微生物の活性化にも役立ち、団粒化構造を促進してくれます」と千葉さん。

堆肥を多用する圃場では、元肥に『ネオカルオキソ』を使い、定期的に『ネハリエース』を施用するのがお勧めだと話します。

堆肥製造時の施用試験データ

堆肥製造時の施用試験データ

まだまだある!『酸素供給剤』の活用法

「より多くの生産者様に気軽に使っていただけるよう、少ない量で効果が出るような使用方法を考案中です。現在は、露地栽培作物での少量施肥試験を進めています」と千葉さん。

実際に、ネギの栽培試験では、定植時や土寄せの際に通常施用の1/4の『ネオカルオキソ』をスジ撒きで使用し、使用箇所と未使用箇所の生育差を確認していると言います。

また、「キャベツやレタス、白菜など、葉物野菜の健全育成や湿害対策にも活用してもらえるよう、圃場試験にも力を入れています」とも明かします。

ネギの施用例

ネギの施用例

生き物にとって、欠かすことのできない酸素。農作物にとっても、酸素は健全な生育に重要な役割を果たします。作物の生育不足に悩んでいるなら、それは「酸欠」が原因かもしれません。“根源”から解決する保土谷化学の『酸素供給剤』を導入してみてはいかがでしょうか?

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異常気象による生育不良のリスクを軽減! 湿害やなり疲れ対策に今知っておきたい  “酸素供給剤” とは。
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