日本のはじまりの地、奈良県明日香村。その風景に欠かせない「稲渕の棚田」を守るサポーターを募集!

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日本のはじまりの地、奈良県明日香村。その風景に欠かせない「稲渕の棚田」を守るサポーターを募集!

日本のはじまりの地、奈良県明日香村。その風景に欠かせない「稲渕の棚田」を守るサポーターを募集!
最終更新日:2021年04月01日

日本の棚田百選にも選ばれる「稲渕の棚田(神奈備の郷)」は、歴史的風土特別保存地区にも指定されている奈良県明日香村を代表する歴史的景観の一つ。春先には菜の花が風に揺れ、夏になれば満々と水をたたえる田面が輝き、収穫期を迎える秋には黄金色の稲穂と真っ赤な彼岸花の競演が見られます。しかし今、そのような美しい棚田の風景が、ピンチを迎えています。農家の高齢化や担い手不足が深刻で耕作放棄地も拡大しています。そこで、明日香村役場では「稲渕の棚田」を一緒に守ってくれるサポーターを募集していきたいと考えています。その先行事例として「半農半X」のライフスタイルで明日香村に移住し、「稲渕の棚田」の管理作業も行う迫田さんを取材しました。

日本の原風景―「稲渕の棚田」にも押し寄せる高齢化の波

「日本のはじまりの地」とも呼ばれる奈良県明日香村。石舞台古墳や高松塚古墳などの史跡や飛鳥寺や岡寺などの寺社仏閣が特に有名ですが、近年では国の重要文化的景観に指定される奥飛鳥も注目を集めています。

明日香村役場

奥飛鳥は、稲渕(いなぶち)・栢森(かやのもり)・入谷(にゅうだに)の3つの集落で構成され、中でも「稲渕の棚田」は日本の棚田百選にも選ばれるほどの美しい景観を誇ります。

「初めて訪れた人でも懐かしさを感じるという明日香村を代表する名所なのですが、そこで営まれる農業には中山間地域ならではの苦労があるんです。棚田は一区画当たりの面積が小さく、おまけに高低差があるので圃場整備が難しい所です。また、稲渕の棚田は石積みではなく盛り土によって作られた土羽(どは)なので、イノシシなどに荒らされて水路が詰まることもあります。維持管理には定期的な水路の掃除が必要なのですが、それも農家の負担になっています」と話すのは明日香村役場・観光農林推進課の中川さん。

明日香村役場

現在、「稲渕の棚田」で農業を営む方々の平均年齢は70歳を超えており、担い手不足で耕作放棄地も拡大しています。

「稲渕の棚田」を一緒に守ってくれるサポーターを募集

そこで地元農家と都市部に暮らす支援者によって立ち上げられたのが、NPO法人の明日香の未来を創る会。このNPO法人が主体となり、米作りを通じて棚田の景観を守る「棚田オーナー制度」がスタートしました。

棚田の区画オーナーになることで、地元農家であるインストラクターの指導のもと、苗代作りから収穫までを体験しながら学べます。また、れんげ祭りや彼岸花祭りなどのイベントもあり、行事を通じて農家の方々と交流が図れるのも魅力です。

明日香村役場

あすかオーナー制度はこちら

「まずは棚田のオーナー制度やイベントへの参加から稲渕エリアを知っていただき、移住や就農へのステップに進めることも可能です。いきなりプロ農家に転身するというのもハードルが高いと思うので、明日香村地域振興公社がパートタイムで雇用する農作業(田植え作業、草刈り・除草作業、畑作業、収穫作業など)で農業の仕事を覚えていくのも選択肢の一つです。また、明日香村ならではで、遺跡の発掘作業をプラスαの収入源にすることもできます」と、中川さんは笑顔で話します。

明日香村での就農を考える方には、奈良県が整備する「新規参入者支援事業(農家実践研修)」を活用して、1年間栽培技術や農業経営を学びながら明日香村で農地を探すこともできます。

奈良県で農業をはじめるには

「新規就農者には、明日香村地域振興公社が販路面をサポートしたり、農業機械を貸し出したりする支援もあります。稲渕エリアでは棚田での米作りのほか、ツルムラサキとターサイの栽培に力を入れています。特にツルムラサキは近畿エリアのトップ産地を目指しているので、栽培品目の一つにしてほしいですね」と中川さん。今後は、棚田の見学会なども開催する予定だといいます。

「半農半X」のライフスタイルで若い家族が稲渕エリアに

明日香村へ2013年に移住し、農業には2016年4月から携わる迫田さんは、「稲渕の棚田」の管理作業を担う希望の若手です。

明日香村役場

「ワーキングホリデーで訪れたオーストラリアでオーガニック農家と出会い、農業の魅力や自分が栽培した野菜を対面で販売する楽しさを知りました。帰国して農業をやりたいと考えていた時に知人から『明日香ビオマルシェ(農産物直売所『あすか夢の楽市』の駐車場で毎週金曜・9時~12時に開催)』を紹介され、それがご縁で明日香村に移住。その後、三重県のオーガニック農家に1年ほど通って技術を学び農業をスタートさせました」と、これまでの経緯を教えてくれた迫田さん。

明日香村役場

現在は水稲(50a)とレンコン(10a)を中心に、マコモダケ、栗、シイタケなどの栽培に取り組む迫田さんは、農業だけでなく、林業、観光業、天然海藻の乾物販売なども生業にする「半農半X(エックス)」のライフスタイル。

栽培した農産物は全て自分で販売し、『明日香ビオマルシェ』や直売所、レストランや居酒屋などの飲食店、オンラインショップなどを主な販売先としています。

明日香村役場

「家探しで稲渕エリアの家を紹介されたことがキッカケで、棚田での米作りを教えてもらったり、レンコンのおいしさに驚いて教えを乞うたのがキッカケで、師匠のレンコン畑を引き継ぐことになったりと…人との出会いやご縁を大切にしていたら自然と手掛けることが広がったという感じです」と自然体。

「私は農業大学校や研修生として学ぶことだけが就農への道ではないと思っています。農業をやってみたいと思うなら、最初は遊びに来る感覚でも良いと思います。マルシェやオーナー制度をキッカケに人の輪を広げても良いし、農業だけと枠を決めず、色々な小商いと農業を並行したってOK。肩の力を抜いて始めてみるのが良いと思います」と、エールをくれた迫田さん。

明日香村役場

その一方で「地域になじむことに心を砕いた」とも語り、土地を守ってきた地域の方々の知恵や言葉に真摯に耳を傾け、感謝し、謙虚に、でも対等に接することを意識してきたと教えてくれました。

「稲渕の棚田」を守るサポーター募集に興味を持たれた方や明日香村での就農を希望される方は、まず明日香村役場に問い合わせてみませんか?

<取材協力>
ココロネFARM 迫田晃亘さん
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お問い合わせ先

明日香村役場
観光農林推進課(明日香村農業委員会事務局)

〒634-0111 奈良県高市郡明日香村大字岡55番地
TEL:0744-54-2001
E-mail:a-sangyo@tobutori-asuka.jp
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